【感想・ネタバレ】ラスト・イニングのレビュー

あらすじ

野球を通して少年たちの瑞々しい想いと情熱を描き、世代を問わず爆発的な人気を得た「バッテリー」シリーズ。シリーズ屈指の人気キャラクター・瑞垣の目を通して語られる、彼らの「その後」の物語。新田東中と横手二中、運命の試合が再開された! ファン必携の一冊!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

バッテリーを2週間ほどで読破してこのラスト・イニングまでたどり着いたけど、ちょっと、もう、この一冊が良すぎて…。正直バッテリーのラストがあっさりしていて納得いっていない部分もあったから、その後のみんな、特に横手メンバー中心で描かれていたのがすごく良かった…!!瑞垣と豪の対比が素晴らしすぎる。天才と共にいることを辞めた瑞垣と天才と共にマウンドに立つ覚悟を決めた豪、どちらの気持ちも痛いほどに分かるしどちらの選択も正しいんだよなぁ。瑞垣がややこしいキャラで大好きすぎる、自分の中でたくさん屈折して諦めてもがいて、でも他人からのレッテルに雁字搦めにあって、それでも最終的にまた野球に携わることを決めて、強いよ瑞垣…せめて楽しい思い出でこれからは満たされていてほしい。秀吾とも変わらずの関係でありますように…。
そして、「空との約束」「炎陽の彼方から」のラスト2本良すぎませんか涙 知らず知らずのうちに周りを本気にさせる巧は言わずもがな天才ではあるが、天才を追いかけ覚悟を持って並び立とうとする青波と豪も強い。自分の本当の気持ちから逃げずに戦う少年たちを描き切ったあさのあつこ先生の熱量も凄まじいしここまで書いていただき本当にありがとうございましたという気持ちでいっぱい。すごいものを読んだ…

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2025年07月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大満足。

以下、本文より
門脇秀吾には昔から、そういう所があった。真っ直ぐに、単純に他人を認められる。

こいつ(瑞垣)、すげえ。
そんなことは、とっくにわかっていた。今までの人生の大半を一緒に生きてきた。ずっと、一緒に野球をやってきた。こいつがどれほどのやつか、おれ(秀吾)が一番よく、わかってるじゃないか。

二度目はないですよ、瑞垣さん。
変わったのは原田やない。永倉の方や。

二度目はないですよ、瑞垣さん。
永倉か。そう、永倉だ。原田と秀吾の差は、永倉がいるかどうか。それなのか。

勝ち抜いていくことの妙味。 試合を潜る度に確実に加わっていく強靭な力。昆虫が羽化するように、脱皮するように育っていくチーム。指導者なら惹かれずにはおれまい。

「 うち、もうちょっとがんびってみて、どうしても嫌やったら、バレー止めて、バスケか陸上に入る。そう決めたんや。決めたら胸がすっとした。あのな、海音寺さんが逃げたらええって言うてくれたんよ、お兄ちゃん」
「嫌なところからはさっさと逃げたらえって。香夏 ちゃん、逃げられるんじゃろ。まだ余裕あるやんって。うち、それ聞いてあそうかって、逃げる余裕あるなって思うて、ちょっと涙出た。そいで、胸がすって軽うなった。ああいうことって、ほんまあるんやね。今まですごう重うてどうにもならへんって感じやったのに、たった一言でほんまに、すっと軽う
なるの」

いつの日か、(兄の)あの背中に追い付きたい。勝つとか負けるとかじゃない。そんなことじゃなく、、、。(青波)

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2022年10月02日

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ネタバレ

「バッテリー」のスピンオフで、「バッテリー」の主人公・巧と豪のライバルとして登場する横手二中の「くせもの」瑞垣の視点で描かれた作品。
瑞垣は「コイツ本当に中学生か」と思えるキャラクターとして「バッテリー」でも描かれていますが、この作品ではそのキャラクターがさらに強調して描かれている感じがします。
校に進んで野球を辞めてしまった瑞垣の隠された心情、葛藤が描写されていてとてもいい作品だと思いました。

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2012年07月31日

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ネタバレ

横手二中の二人もなかなか好き。萩と城野のバッテリーも気になる。青波と巧のキャッチボールがぐっときた。

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2012年12月20日

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ネタバレ

新田東中と横手二中の練習試合が終わり、高校へ進学した瑞垣は野球を辞めた。チームメイトだった門脇も推薦入学を辞退。あの試合でいったい彼らに何があったのか。

『バッテリー』ラストシーンの続き。あの試合の結果が明らかにされる。今作は巧ではなく、横手二中の瑞垣視点から描かれている。試合だけではなくその後の瑞垣の心情が中心となっている。ラストの試合を組んだのは瑞垣。スケジュールや場所、メンバーを揃えるのも新田東中の海音寺とともに彼らだけでやった。なぜ、そこまでしてあの試合を行うことに躍起になったのか。瑞垣はなぜ野球を辞めることになったのか。

瑞垣はとても中学生とは思えないほど頭のきれる、きれすぎる男だ。それゆえの苦悩に苛まれる。頼れる男なんだけど少し近寄り難い、仲間意識には深く踏み込まない性格。友人や周囲の人間との距離が上手く保てないんだと思う。どんなことでもそれなりにこなしてしまう瑞垣は変化を求めた。勉強もできて野球の戦略分析もできて人の長所も見抜ける。的確すぎるその判断を巧や豪、海音寺が破ったのだ。そうすることでそれまでの自分にはなかった一種の挫折のようなものを味わう。もしかしたら門脇以上に巧や豪に影響を受けたのかもしれない。

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2012年11月25日

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ネタバレ

じっくりと読んでみたら、とても面白かった。

瑞垣が野球やめちゃったのがすごく悔しい。それで、やっぱりやめたことを後悔している自分に気づいていないのが可愛い。

青波の「空との約束」、豪が巧と出会うまでの物語「炎陽の彼方から」もよかった。青波カワイイ。

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2011年09月14日

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ネタバレ

バッテリーの続編。巧と豪のコンビが再登場。今回は、巧に完全に魅せられてしまうライバル校の秀吾、俊二が主人公。
彼らは高校一年生になり、野球との関わり方もそれぞれ変わっていく。
スポーツ青春小説。結構好き。音楽青春小説も好きだけど。
彼らの今後が読みたくなる。

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2019年05月06日

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ネタバレ

内容的にはバッテリーの続編なんですが、視点が少し違っていてよい。門脇や水垣など、バッテリーでは脇役、敵チームとして登場するキャラクターに焦点を当てているため、本編を読むときに、奥深く感じる。

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2012年04月30日

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ネタバレ

「今日みたいな空の色を天藍って言うんや」

※※
「バッテリー」のサイドストーリー、というのか。

作中でライバルと描かれる横田二中の天才打者、門脇秀吾。
その幼馴染で、ひねくれ技巧遊撃手、瑞垣俊二。

本作の主人公ではなく、瑞垣にスポットを当て、
天才打者と自分の比較をしながら、自己の中での葛藤を描いていく。

「お前が負ける姿が見たかったんや」

あの試合のあとの、その後のお話。


個人的には、「バッテリー」の終わり方で良かったので、こういうその後の話の展開はなくてもいいんですが、、

あさのあつこの描く、こどもからおとなになる思春期の人物が抱える葛藤の表現が、爽やかさを超えて、凶暴で艶めかしくて、読んでると「今の自分」に向かってくる。

中学生とかって、自分の関係している世界が狭いけどそれがそのときのリアルで、その中で足掻くから今ならなんでもないようなことが、深刻に自分自身に迫ってくるんだな。

※※
なぜ人はこうもぺたぺたと他者にレッテルを貼りたがるのか。

…思いも感情も精神も性格も雑多に混ざり合い、溶け合い、万華鏡のように刻々と変化する生命体にたった一枚のラベルを貼り付けて、色分けし、囲い込む。

お前はこの枠、お前はこの色。

※※(本文より一部抜粋)

大人になるって、逃げ道を見つけることなのかもしれない。

己の欲するものを己の手で取捨選択する、
そんなおとなに早くなりたいですね。

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2012年03月17日

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