あらすじ
稀有の語り手でもあった米原万里、最初で最後の爆笑講演集。世の中に男と女は半々。相手はたくさんいるはずなのに、なぜ「この人」でなくてはダメなのか――〈愛の法則〉では、生物学、遺伝学をふまえ、「女が本流、男はサンプル」という衝撃の学説!?を縦横無尽に分析・考察する。また〈国際化とグローバリゼーション〉では、この二つの言葉はけっして同義語ではなく、後者は強国の基準を押しつける、むしろ対義語である実態を鋭く指摘する。4つの講演は、「人はコミュニケーションを求めてやまない生き物である」という信念に貫かれている。【目次】本書に寄せて――池田清彦/第一章 愛の法則/第二章 国際化とグローバリゼーションのあいだ/第三章 理解と誤解のあいだ――通訳の限界と可能性/第四章 通訳と翻訳の違い
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Posted by ブクログ
・日本人が英語一辺倒になって、英語を重要視する最大の理由は、別に英語で蓄えられた文化に対して惹かれているというよりも、その経済力と軍事力に頼って生きていこうとしているからであって、ある意味では非常に打算的で下品なわけです。
・コミュニケーションというものは、不完全なもので、完璧なもlのにするのは永遠に不可能です。しかし同時に、人間というのは、常にコミュニケーションを求めてやまない動物であるという確信が、私にはあります。
みんなが同時に笑えて、一緒に感動できる。いつもそれを目指しています。
Posted by ブクログ
まだ3冊(「必笑 小噺テクニック」「不実な美女か、貞淑な醜女か」「他諺の空似」)しか読んでいないが、米原万里には人間としてのスケールの大きさを感じる。
惜しくも56歳という若さで亡くなったが、卵巣がんが見つかった53歳(2003年)から始まった闘病生活中に行われた高校生向けの講演会から二本(「愛の法則」「国際化とグローバリゼーションのあいだ」)と1998年と2002年の計4本の講演が収録されている。
特に、2002年「通訳と翻訳の違い」は中学校の教科書に掲載すべき名文(読み物)です。
また、高校生への講演「愛の法則」ではセックスについての考察(男女の性役割)が大胆に展開されますが、おそらく講演に招いた先生たちはハラハラ・ドキドキの連続だったでしょうね。
さらに、「国際化とグローバリゼーションのあいだ」では現在直面している日本における共生社会の問題点を既に鋭く指摘しています。
曰く、《日本以外の国のいうグローバリゼーションは、自分たちの基準を世界に普及させることだが、日本では国際的基準に自分たちが合わせていくことを意味する》
今ヨーロッパ諸国での移民政策の問題が明らかになりながら、自公政権の野放図な移民受け入れにより、日本各地で住民との間で混乱や軋轢が高まっています。それは、彼らが勝手に日本に来ながら、彼らの生活習慣や文化を日本人に押し付けようとするためです。頼みの野党党首でさえ、それを嫌がる日本人を【外国人差別】だと一方的に批難する状況は看過できません。日本で【日本人ファースト】は当たり前なのに、何故か日本国民の税金で養われる議員たちが外国人の便益ための政治を行うという倒錯がまかり通っています。
愛国心なき国会議員は日本に必要ありません。今日は投票日。みんな、選挙に行こう!