あらすじ
終わりを拒み、未来を繋げ。
殺戮因果連鎖憑依体――
古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきた、殺意の媒介者を狩る三つのゲート組織が、突如陥落した。月に鎮座する異星知性体によって、三体の地上端末が一斉に掌握されてしまったのだ。彼らのネットワーク攻撃によって、ローマの祓魔師たちと全世界の不死者が瞬時に制圧されてしまうという危機の中、同様に沈黙した《門部》本部の地下聖域では、阿黍宗佑が第二心臓を埋め込まれ、無敵の刺客として復活しようとしていた。
異星知性体の目的は、悠久の時と歴史を使い捨ててまでして求め続けた宝――白鬼の奪取。
超人と化した阿黍が復活し、朋之浦結の確保に動き出せば、すべてが終わる。白鬼である彼女が星の彼方に連れ去られてしまうことになれば、三つのワームホールゲートも地上から撤去され、残された人類は鬼への対抗手段を失い、滅亡が確定するのだ。
打開のために残されたタイムリミットは、わずか数十分。すべてを託された百刈圭と、彼が率いる狩人たちは、断ち切られた希望の糸を繋ぎ直すべく、伏魔殿と化した《門部》本部の攻略戦に、いかに挑むのか――。
人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩。終焉を拒絶する、反撃の第7弾。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
2年ぶりの第7巻。#日本SF読者クラブ 「鬼滅の刃」と同じ鬼退治の話なのだが、こちらの鬼は、「殺戮因果連鎖憑依体」。文字通り人間への憑依を繰り返す。そして、鬼を狩る組織は日本の「門部」とあと二つ。今作では、いづれも大変な事態に陥る。
前巻は「果てしなき流れの果てに」的な展開となり、世界的というか時空的、人類の歴史的な「どんでん返し」だった。続く今巻では、時間的には数時間、しかも局地戦となる。取り敢えずだが、人類の未来は継続される。しかし続く最終章が「絶望時空」とは。どういう気持ちで待てばよいやら。