あらすじ
刑事イクオが追うある少女が起こした殺人事件でタツヤは犯人にされ、身内(ヤクザ)に追われる身となる。少年時代を過ごした養護施設まほろばで、最愛の先生を殺され、証言を警察にもみ消された二人は、事件の真相を握る「金時計の男」を探して警察とヤクザの秘密の協力関係を結んでいた。秘密と相棒を守りつつ、事件と少女の闇を暴くことはできるのか――? 二匹の龍(ウロボロス)が絡み合う事件、タツヤ篇。
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Posted by ブクログ
この小説はちょっと独特でして、もう一冊「タツヤ篇」というのがあります。
2冊とも同じ事件の話なのですが、この小説の主人公であるイクオと、もう一冊の主人公であるタツヤのそれぞれの視点で話が進むという仕組みです。
こういう形の小説は初めてだったので、どう読もうかと悩んだのですが、どちらからでも先に一冊読んでしまったら、大体のあらすじがわかってしまうので、残りの一冊を読むのがしんどくなるかも、と思い同時に少しづつ読み進めることにしました。
というわけなので、イクオ篇にもこの感想と同じ内容を書かせていただきます。
それぞれの視点から描かれていますので、警察の捜査状況の進行具合、事件に絡むヤクザの事情が別々に詳しく書かれています。
単なる事件と思っていたのが、実は裏にはそんな事情が!みたいな真相(?)を見つけるような感覚が面白かったです。
人を撃ち殺したあとに「ドーナツが食べたい」って言い出すイクオもイクオだし、夜中にドーナツがある店を探し回るたっちゃんもたっちゃんだよ・・・。
このシーンとても好きです(笑)
だけど登場人物の中で一番危ないな~というのはヒトミです。
イクオが同じだと思ったのは境遇だけではなく、何人もの人を殺してきたし、そしてこれからも自分の目的を邪魔する者は躊躇なく殺す、という彼女のスタンスに共鳴したのかもしれないですね。