【感想・ネタバレ】花晒しのレビュー

あらすじ

元芸者の右京は、亡き夫の後を継いで広小路を仕切る元締となった。ある日、美人で評判の娘が行方知れずになり、数日後に家に戻っても引きこもってしまう、という出来事が続いていることを知り、調べを始めたが……(「花晒し」)。急逝した著者の最後の連作短編のほか、新人賞を受賞した幻のデビュー作を特別収録。

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Posted by ブクログ

巻末の池上冬樹さんの解説に、藤沢周平の後継者は一般的に葉室麟と思われているが、その葉室さん自身は北重人だと考えている、と言った事が書かれています。
51歳でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、5年後に時代小説作家としてデビュー、61歳で亡くなった北さんの、これが本当に最後の短編集です。時代小説が5編と新人賞受賞作の『超高層に懸かる月と、骨と』。
遺稿集という位置付けで、これまでの未収録作品を集めたものですから、質的に言えばやや低めなのでしょう。確かにグッとくるような感動はありませんでした。やや軽めの作品集。それでも端正な文章や、江戸の町で生きる人々の姿の見事さは読みごたえがあります。
つくづく、惜しい人を亡くしたと思います。

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2016年05月29日

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