あらすじ
土地の人々が「奥山」と呼ぶ普賢岳に続き、寛政四年三月一日、島原の「前山」が火を噴いた。大噴火は地震と津波を誘発し、肥前島原藩七万石の城下町は一夜にして土砂に埋まった――。大自然の猛威を目の当たりにし、恐怖におののく藩主、武士、医師、町民の姿を活写する表題作の他、歴史短篇小説の傑作三篇を収録。
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Posted by ブクログ
「凡将譚」の感想を。
義統、主人公なのに良い所がひとつもないよ・・・義統・・・。
読み進めるごとに増す「なぜこのひとを武将にした・・・」という絶望感・・・。
戦に意欲たっぷりなのに空回るわ肝心なところで決められないわ・・・駄目なんじゃあないか。
大友家のひとたちは義統をもう少し大事にしてあげるべきじゃないかな!特に宗麟!
何が辛いって宗麟と奈多の間にはさまれて右往左往する義統をふたりがまったく気づいてないことです。一生懸命、両親の希望に答えようとしてるんだよこの人は・・・!気づいてあげてよ!愛してあげて!
お酒で虚しさを慰める義統とか切な過ぎて見ていられない。
家義統が自らに罰を与えるように背を鞭で叩く描写があるのですが、読んでてそこが一番辛かった。
家も地位も何もかも失った彼には責めるものが自分しか残っていなかったのかな・・・。
心優しい従者に看取られて死んでいったことが義統とってわずかでも救いになっていればいいと思わずにはいられません。