あらすじ
40件超のプロジェクトを、いずれも納期通りに予算以内で品質も良好にカットオーバーさせた、リクルート出身の凄腕プロジェクトマネジャーが、独自のメソッド「PROKAN(プロカン)」を初公開!
「人に着目し、プロジェクトマネジャーやメンバーなど関係するすべての人が動くようになる」ことを最大の特徴とするPROKANメソッドで、あなたの悩みを解決します。
同時刊行の「準備編」で取り上げたスコープ管理やチーム編成、コスト管理などのメソッドとともにお読みいただくとより高い効果が得られると思いますが、本書だけでもご理解いただけるよう配慮しています。
著者について
1986年、リクルート入社。情報システム部門にて情報系営業支援システムを開発(プロジェクトリーダー)。その後、システム再構築プロジェクトにテスト統括・C/O統括として参画。巨大規模プロジェクトの準備から実施完了までのマネジメントを担当。
1995年、(株)リクルートマネジメントソリューションズの情報システム部門立ち上げのため出向し、1997年、同社に転籍、全システムプロジェクトを手がける。両社において、基幹系システム、勘定系システム、業務系システム、事業系システム、Webサービス系システムなどの構築プロジェクトをマネジメント。いずれも「納期」「コスト」「品質」目標を満たして「成功」させる。
2004年、プロシンクワークを設立し、現在に至る。
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Posted by ブクログ
ゼッタイ失敗しない! 驚異のプロジェクト実行術 実践編
いつも小脇に携えよう
著:大場 京子
プロジェクト管理の指南書である。
1つだって同じ顔のプロジェクトはない。あるプロジェクトは些少問題はあるも、無事におわり、また別のプロジェクトは問題を抱えて途中で終了する。
プロジェクト管理者が自殺したこともあった。そうしたことを見て来たからこそ、プロジェクトは、ゼッタイに失敗してはだめだ。
科学的に裏付けられた手法とともに、現場で鍛え上げられた経験を合わせて行うことで、確実に作業をすすめていくことが、プロジェクトに関わる全ての人々が幸せになることにつながると思う。
本書の紹介するメソッドは、著者がみずから名付けた、PROKANという技法である
技術に特化している内容ではなく、だれにでも実行できる方法です。
気になったのは、以下です
・PROKANの特長
①徹底して、人に着目したメソッド
②セオリを基軸に体系化したメソッド
③オープンナレッジスパイラルによる陳腐化しないメソッド
・プロジェクト成功の指標
①納期
②品質
③コスト にくわえて
④満足度:プロジェクトメンバーが楽しかったと思えたか
⑤狙いの達成度:狙いが達成できるシステムとなったか
・勤怠不良を未然に防ぐ、勤怠管理ルールを決める
①計画休は積極的にとろう
②事前に予定休を共有
③体調不良での当日休は9時までに連絡を
④予定がある場合は個別に連絡を
メンバーが互いに連携してフォローできるように共助の環境をつくる
・自身のタスクに責任をもつ、オーナーシップを持つ
①計画書の内容を共有することで、自分の内容を明確化する
②条件と方針を先に伝え、自分のやることを明確化する
③放任ではなく、メンバーの情報を到達し、到達レベルを下げないようにフォロー
④課題解決に関するアドバイスは、本人が立てた案を軸に行う
・メンバーが不信感を持たないように、きちんと実行して信頼に結びつく行動をとる
①質問、問いかけには早く回答する
②約束は必ず守る
③決めたことは実行する
④きめたことを変更する場合は、「すまない、変わった」と言葉にだす
⑤素直に謝る
・要件は、業務+サービス 密接している
・ユーザは本業をもっている
・ユーザが主体となるように勧める
①テスト
②データ移行
③サービスと業務の準備
④社内広報と勉強会
・コミュニケーションマネジメント
①ピラミッド型で意思決定を行う
②主要会議体の議事録は、その場にいない人でもわかるように書く
③議事録はメンバー全員に、フルオープン、フルフラットに通知する
④リーダ、メンバの役割に応じた意思決定をさせる
⑤意思決定のピラミッド構造が壊れないようにマネジメントラインを守る
・伝達のコツ
①情報は発生源から、途中経由なしで、全メンバーに伝える
②ドキュメントは、誰かにきかなくてもわかるように、直接参照できる形をとる
③プロジェクトのコミュニケーションは、耳と目で当たり前のようにはかれるようにする
・ルール作り:規約
①とにかく早めにルールをつくる
②メーリングリストと、体制図を完全に一致させる
③サーバー利用のルールをつくる
④フォルダー利用のルールをつくる
⑤ドキュメントルールをつくる
⑥会議ルールをつくる
・問題課題の揺り戻しがないようにする
①記憶があいまい⇒再議論
②関係者が後で、結論をくつがえす
③判断がかわる
解決するには
①発生した課題を分かりやすく、起票できるように、メンバーに指導する
②課題の検討プロセスと議論のポイントも、課題管理表に起票する
③解決内容は明確に書き、解決策の判断軸も明記する
④課題をクローズする場を運営に盛り込む
⑤深い検討が必要な課題は、要件分析メモを併用する
・課題の可視化
①毎週、課題を集計し、担当未設定と、納期超過を発見する
②納期の再三の変更、担当者の再三の交代が発生したら、マネジャーやリーダがテコ入れする
③フェーズの完了時に、課題がゼロとなるように対応する。次工程に持ち越さない
・アウトプットは、口頭ではなく、ドキュメントで
・リスク管理
①コストバッファを見込んでおく
②期間バッファを見込んでおく
③情報を、正規・非正規ルートで定常的に収集する
④案を箇条書きに整理して、優先度をつける
⑤上位のマネジメント、他者を巻き込んで、客観的に判断を行う
⑥ミッションを果たすためには、権利が必要、他者の必要や変更が必要であれば、遠慮なく要求する
⇒孤軍奮闘とならないように、甘え上手で対応をする
目次
第1章 メンバーマネジメント―メンバーの力を最大限に引き出す六つのセオリー
第2章 パートナーマネジメント―パートナーとWin‐Winの関係を築く六つのセオリー
第3章 ユーザーマネジメント―自然な形でユーザーの主体性を引き出す五つのセオリー
第4章 情報・コミュニケーションマネジメント―円滑な情報共有とコミュニケーションを実現する六つのセオリー
第5章 課題マネジメント―課題の解決漏れや対策遅れ、積み残しを防ぐための五つのセオリー
第6章 アウトプットマネジメント―アウトプットの品質を上げてプロジェクトの成功確率を高める五つのセオリー
第7章 リスクマネジメント―プロジェクトの不測の事態に備え回避する四つのセオリー
ISBN:9784822262952
出版社:日経BP
判型:B5変
ページ数:208ページ
定価:1800円(本体)
2014年11月04日第1版第1刷発行