あらすじ
若くして父となったかれは生活のため配電工となった。都市生活者の現実に直面するうち3人の子供の父となり、妻はすでに子供たちのものになってしまった。今日も短絡事故(ショート・サーキット)が起こり、現場にかけつける――。野間文芸新人賞受賞の表題作に、海燕新人文学賞受賞のデビュー作「木を接ぐ」をはじめ、働くということ、生きるということをつきつめた瑞々しい初期作品5篇を収録。
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Posted by ブクログ
本作は初期の短編集が収録されたもので、いずれも私小説。著者は高校中退後、複数の仕事を転々として、その後電気工事士として働き、また20代前半のうちに結婚して子どもをもうける。その為、どの作品も都市部で肉体労働に従事した、また一家の大黒柱としての若者が感じた日常風景を克明に描写されている。
Posted by ブクログ
作者の電気工時代の、裕福とは言えない時期を丁寧に描写した私小説短編集。家族の経過が時系列に並び、一本の作品のよう。
妻との諍いやすれ違いが多く、内容は暗いが、話の中でふと顔をみせる救いのようなものがとても暖かい。
内向チックな表現も好みで、良い作家だった。