あらすじ
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私は、風景の写真をとるのが好きですが、人の写真をとるのも大好きです。けれど、人の写真をとる時はとても緊張します。知っている人でも知らない人でも、カメラを通して見ると、やけに神々しく感じられ、畏敬の念にうたれてしまうからです。人という不思議な、それぞれにすごいものを、写真の中で形として一瞬だけ写しとってしまうことに申しわけなさのようなものを感じているのかもしれません。けれどやはり自分なりの見方で、あるものの魅力的な側面をとらえるというのは、うきうきする作業です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
銀色さんの本の中でも、一番ぐらいに大好きな本。
目に映るすべてにドキドキしていた頃から、
少しずつ日常が生まれ、少しずつ何かが薄れていく。
季節が夏から秋へと変わるように、
見えるものが変わっていったあの頃の時間が
閉じ込められたような、深くて不思議な光の世界。
頭に描いた夢のような自由な世界。
突然やってくる失敗や恐怖に素直に泣いて、すぐに忘れた。
心の中の深くて遠い大切な部分に足を踏み入れる感覚がして、
最後はページを繰る手がもどかしいような、
まだ進みたくないような。
モノクロでも元気に溢れる光と点在する子どもたち。
道に咲く草たちにも驚きと楽しみを見ていた
小さな頃の視点に帰って、てくてくと歩く散歩道。
道々の花、まんまるお月様、飴玉の干し草、
背中に地面、目の前には空。
当たり前なんて存在しなかったあの頃の
キラキラした記憶と再会できる眩しい光たち。