あらすじ
総合出版社で文芸部門を志望していたのに少女向けファッション誌に配属された南吉くんこと新見佳孝、26歳。女の子の憧れが詰まった誌面は勝手が異なり失敗の連続だが、先輩編集者にカメラマン、スタイリスト、十代の少女モデルたちのプロ精神に触れながら次第に新見は変わっていく――。舞台裏のドラマを描くお仕事成長物語!
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Posted by ブクログ
【Pretty】【Pop】【Pure】【Pipin】
【女の子はP】が好き!
予想外の配置転換により、全く興味の無い中学生女子向けのファッション雑誌の編集者になってしまった男性主人公。
大学時代は、マスコミについて調査するサークルに所属し、語学留学や体力作りにも励んだ。
その成果が実を結び、サークル内では快挙と呼べる名門と言われる老舗出版社「千石社」に入社する。
文芸部門の編集者を志ざしながら、入社後二年間は時事ネタ満載の週刊誌の雑用係として働いた。
裏方ながらも、誰もが知る週刊誌の現場で働けることに誇らしさもあった。
そんなさなかでの配置転換!!!
文芸部門からは程遠い、ローティーンの女の子向け雑誌の編集者だった。
担当する雑誌も編集部室も、自分の興味とはかけ離れた世界。見ただけで胸焼け、胃もたれがしそうなする小物やフリフリのついた洋服達を目の前にし、戦意喪失..。
全く前向きにはなれないが、文芸部門への移動を夢見て、それなりに仕事をこなそうとする。
人当たりも良く、物事をそつなくこなすことが得意だと自負していた主人公だが、慣れない仕事にミスの連発!!!
どうなってしまうのか、、、⁉︎
一冊の小説を通して、色んな人の仕事に対する本気さや光と影を見れた気がする。
主人公と同じように、今までは興味が低かったファッション雑誌に対しても興味を持てた。華々しい世界にも沢山の努力と涙があることを再確認し、敬意を払いたくなった。目の前に与えられた仕事に真正面から向き合うことは、人生をも変えるのかもしれない。
Posted by ブクログ
「ピピン」を出し続けていくために、編集者ができることは限られている。今まで通り細部に至るまで作り込み、女の子たちの趣味嗜好を置いてきぼりにせず、ピュアでポップなローティーン誌をめざす。ミスを真摯に謝罪したのちは、きちんと顔を上げ、現場を引っ張る。噂話は尾ひれが付いておもしろおかしく回るものだが、離れてしまっては惜しい雑誌であることが最も有効な鎮静剤になりうる。平の編集者はそうなのだろう。けれど管理職の人間はもっと具体的な責任の取り方が求められる。
次に会った時、彼女にもうもう少しきちんと話をしよう。今いるところで精一杯、頑張ってみようと。
Posted by ブクログ
文芸誌を夢みて出版社に入った主人公が、何の因果かローティーンファッション誌に配属されて悲喜交々、なストーリー。
コメディタッチの表紙やタイトルから、もう飛び抜けてドタバタコメディかと思いきや、かなりがっつりお仕事小説。
大崎さんの書店+ミステリーも好きだけど、ミステリーのないこういうお話も良かったなぁ。
じわりと胸に迫る部分もあったりして。
あと、昔そんなティーン雑誌を読んでいた自分を思い出したりして。
同じ出版社が舞台のクローバー・レインも積んでいたので、次はそれを読もう。
Posted by ブクログ
文芸部希望だったのに、配属されたのはローティーン向けのファッション雑誌。
小中学生の女の子のキラキラふわふわしたファッションに全く興味がなかった主人公の新見は始め、興味が無いことを隠しきれず、適当に仕事をしていたが、雑誌に向ける情熱と、ピピモと呼ばれる専属モデルの女の子達と、モデルを支えるスタッフ達のプロ意識。そして10代そこそこで向き合わされる残酷な光と影をまざまざと見せつけられ、次第に真剣に取り組んでいく。
モデルだけじゃないけど、スポーツや芸能とか、勝負事にはやはり明確な勝ち負けがあり、努力はもちろん、自分の努力ではどうにもできない才能や骨格、周りの思惑や運など、いろんな要素がそこに立ち向かう人たちには求められる。
どんなことでも真剣に取り組んで、諦めが着くまで一度描いた栄光と快感を追い求めるパワーが彼女達にはある。
だけど、真剣に取り組んでやりがいを得るという意味では、私たち一般も変わらないのかもしれない。職業を選択したら努力するのが最低限の義務だと、さよならドビュッシーの岬が言っていた。
それってこういうことなのかなとぼんやり思う。
満足できる仕事がしたいよね。
Posted by ブクログ
大崎梢さんのお仕事小説。やっぱり面白い。
私も多分、本屋さんで近付けないわ~という感じのローティーン向け雑誌の編集に配置換えになった、編集者の青年。
彼の心の声に突っ込みを入れつつ、女子中学生モデルも含めたプロの仕事にうなる。
Posted by ブクログ
憧れの出版社に入社した若手社員が
中学生向け雑誌ピピン編集部に異動になって…!?というストーリー。
タイトルと実写の千葉くんが
とてもマッチしていて思わず読んでみたくなった。
(実写の他のキャストや内容は知らないんだけど、知らないままでもいいかな。知らない方が気がする。。。)
千葉くんをイメージしながら読むのが楽しかった。
スクープの卵を先に読んでいたので
同じ出版社内でのお話というのも楽しめたポイント。
若干先が読める展開にも感じるが、
読後感は悪くない。
最後の方に出てくるこの一文がすごく響いたので個人的にメモ。
「光と影は必ずついてまわる。喜びとプレッシャー、誇りと挫折。」
Posted by ブクログ
文芸でバリバリやりたい編集社若手が、まさかの中学生女子向け、究極キャピキャピの雑誌に異動になって、腐りながらもいろいろな出会いと気づきを得て成長していく話。
根本ストーリー的には、かなりよくある話でそんなに面白くなかったけど、雑誌の専属モデルのあり方とか、専属の場合は正に事務所だけでなく、雑誌も彼らを育てるのに一役も二役も買うんだなぁ、と、なんとなく腑に落ちて見識が広がったらしいのはよかったかな。
Posted by ブクログ
不本意な人事で少女向け雑誌担当となった新見佳孝、通称南吉君の奮闘。いつもならスイスイ読める大崎梢小説なのに今回はあまり引き込まれず・・・、南吉の自社雑誌への態度がね・・・。いくら嫌でも担当になったからにはもっと真剣に向き合え、と何度思ったことか。中高生モデルの子たちのほうがよっぽど大人でプロだ。