あらすじ
お座敷芸人“手の目”の行くところ妖怪奇怪、鬼界を破壊、ワンダーホラーの花も咲く! 高橋葉介が贈る、傑作作品!
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はい
おそろしいまでに画力が高いです。圧倒的に上手いです。初期の高橋留美子作品と感じが似てます。全てに置いて、ひじょうに水準の高い作品でした。25・11・02記
Posted by ブクログ
あの蓮っ葉で可愛い“手の目"が一冊の中で見る見るうちに妖艶で強い女性に変貌していくのに目を見張りました。夢幻紳士に比べて手の目はぶっきらぼうさの中に弱いモノへの優しさ、同情を捨てきれません。漂泊の少女の明るさと共にそれがいつも哀しい。しかし最後には可愛い弟子が出来てみたいで良かった良かった。
匿名
掌に彫られた目玉の刺青の力で未来を視ることができる摩可不思議な女「手の目」を主人公とした怪奇ホラー漫画。
豪華客船の沈没事故をきっかけに、入れ子構造のような夢の世界に迷い込む「幻の航海」が幻想小説めいていて特に面白かった。
Posted by ブクログ
はじめこれじゃまるで『夢幻紳士』じゃないかと思ったけれど、読み進めるうちに「手の目」にしかできない独特の味が出てきて合点がいった次第。まあこの作者の場合、単にその場の思いつきで作風が変化している気がとてもあるのだけど。
後半の哀切のあるムードはとても美しく、作者のこの手の作品としても珍しい雰囲気だ。たいていは友達なり相棒なり師匠なりがいたり、夢幻魔実也のように超越的で人間的な苦悩とは別のレベルにいたりするので、正面から「孤独」を描いたのは案外珍しいんじゃないかしらん?
学校怪談の九段先生がそういう立場にはいたけど、彼女の場合おおむねギャグキャラだしなあ。
「女性版夢幻魔実也」という点で今作の「手の目」と九段九鬼子は対の関係にある。陽の位置にいる九鬼子に対して、手の目は陰の位置付けだ。魔実也の(思い出の)庇護を受けて生きる糧にした点でも2人はよく似ている。九鬼子が教え守るべき生徒を持ったように、手の目も今巻末の少年(?)という弟子を持つのだろうか。
この少年のキャラクターデザインが魔実也──いわゆる「少年探偵版」の──を思わせるのも偶然なのか必然なのか。「小悪魔」と呼ばれるなんて手の込んだセルフ・パロディのような気もするじゃありませんか。
評価できない不思議な作品
凄いけど悲しかったり怖かったり寂しかったり、夢幻紳士とは違うなんとも言えない作品。夢幻紳士はグロさや悲しさを幻にしてくれる力があるので惹かれたけど、こちらは戦時中の悲惨さと西洋?の化物なのか宇宙人のようなイメージの物の怪の印象が強すぎて正直苦手でした。手の目が代替わりした辺りから、完全に彼の面影も消えてしまって、夢幻紳士から来た私にはもう無理…。
でもこの先生にしか書けない作品だし、手の目が良い娘で泣けてくる。こんなに評価の星がわからないと思ったのは初めてかも。手の目の妖艶な微笑みのシーンや弟子を大切にするとこ等は好きだったので、そこは星5だけど、何度も繰り返される戦時中のグロくて怖いシーン等は先が読めるしもともと苦手なので星1です。なので間を取って星3にしました。読むコマによって星1〜5が激しく変動する不思議な作品です。戦争物は忘れちゃいけない事が書かれていると思うけどやっぱり怖い。(怖くないのも問題かな?)夢に出ないといいな。