【感想・ネタバレ】パンドラ’S ボックスのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

これまで文庫になっていない作品を集め,おまけとしてエッセイを追加した作品。北森鴻ファンとしては十分楽しめるが,ファンでない方はスルーでいいだろう。エッセイが楽しめたので,北森鴻ファンとして,おまけで★3かな。

○ 仮面の遺書
 暗号の謎を解く作品。暗号を解かれてしまうが,解かれることで,自分の犯罪がバレてしまい,暗号を解いた人物を殺害するというオチ。やや意外性のある短篇。北森鴻の幻のデビュー作

○ 踊る警官
 Y塚山御陵に死体を埋めたという話を出し,一度捜索させた上で,妻の死体を埋めたというトリック。一度探した場所は,もう一度探さないという心理だけで,一本の短篇を作ったというもので,北森鴻のウデのよさは分かるが出来としては及第点程度か。

○ 無残絵の男
 江戸から東京に変わった頃の話。直助が元次を殺そうとし,市松に自分の身代わりを頼む。元次が直助を殺害しようとし,市松を殺してしまうという話。ダイイングメッセージとして月岡芳年という変態絵描きが描いた作品がダイイングメッセージとして利用される。探偵の助手役が月岡芳年だったというオチ。

○ ちあき電脳探てい社
 「小学三年生」に掲載された作品という異色作。幽霊騒ぎの真相が,逃げたペンギンを世話をしていた同級生だったというもの。宝の地図も出てくるが,これは校長先生が子どものときに作った地図だったというオチ。資料的価値はあるかもしれないが,大人が読んで楽しめるレベルの作品ではない。

○ 鬼子母神の選択肢
 有馬次郎と折原けいが登場する大悲閣千光寺を舞台とするミステリ。裏京都シリーズの原型作品とのこと。Nという会社の「爆弾」を盗み出し自殺した河北という男の話。「爆弾」とさせる情報は,ソノシート状になったフロッピーとして,電動茶筒に入っていたというオチ

○ ランチタイムの小悪魔
 「女性自身」に掲載された作品。恋愛を絡めたミステリーになっている。占いを気にしすぎる男と付き合っている女が,新聞の占いを読ませないようにするという話を膨らませたもの。たわいもない話である。

○ 幇間二人羽織
 久生十蘭の「顎十郎捕物帳シリーズ」のパスティーシュとのこと。こういう作風の作品はあまり好みではない。アリバイもの。本当は双子のふたりが別のトリックを使ったと思わせて,本当の犯罪に挑むというもの。北森鴻としては及第点以下の作品かな。

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2015年12月05日

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