あらすじ
相撲界で半世紀生きてきた著者が、見聞きした「ちょっといい」感じの、あんな話、こんな話をご紹介。裏方に徹している行事さんの実際のお仕事や、力士たちの生活、さらには横綱との交流まで……。これを読めば、相撲の見方が変わるかも!? 大相撲ファンならずとも必読の話題のネタ本!
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Posted by ブクログ
書店の相撲コーナーを時折りチェックするワタシだが、その中で見つけた本書は著者名で即買い。
この36代木村庄之助は1964年3月の初土俵以来、2013年5月の定年退職までほぼ半世紀一度も休まなかった名行司なのだ。言ってみれば、相撲界の鉄人。しかも、この鉄人、相撲字の達人でもあり、番付も書いていた。相撲ファンにとって、このような鉄人かつ達人が書いた話が面白くないはずがない。雲竜型と不知火型では、横綱の綱の結び方が違うという基本的なところから、相撲字のコツや書く人の特徴まで、唸る内容が満載。
もちろん、庄之助が近くで見てきた現役力士や後輩行司の話も秀逸。ワタシは現役行司では木村玉次郎が好きなのだが、庄之助が行司にとって重要なこととして挙げている「土俵上の裁き」「所作の美しさ」「事務能力」を兼ね備えている有望株として木村恵之助、木村秋治郎の名を挙げている。ふむ、これからは彼らの裁きや所作にも注目だ。また相撲を見る楽しみが増えてしまった。秋場所は国技館に観に行こう。
Posted by ブクログ
引退された行司さんが語る、行司の仕事や相撲界の裏話など。
私は大相撲はミーハーなだけで大した知識もないですが、そんな初心者でも分かりやすく、興味が持てるような内容でした。
18歳で行司として相撲界に入り、様々な力士や変遷を見て、多くの取組を裁いてきたからこそ語れるエピソードがあって、ちょくちょく泣けました。(私が涙もろいだけかも)
今まで力士や勝敗くらいしか見てなかったけど、行司の動きやアナウンスなんかも気にして見てみようかなと思います。
Posted by ブクログ
枕崎の模様の装束で軍配を持っていたあの、、、といえば
思い出した方も。
それこそ、力士以外の行事や呼び出しの仕事
テレビで見るだけじゃなかなか判りませんよね。
そんな話題から、実際の仕事。
行司さんは番付表も書くんですって。
あの字体、独特ですよね~。
著者は鶴竜の井筒部屋所属。
今の親方が子どもの頃から知ってるだけに
面白い話も多いです。
錣山部屋の親方『寺尾』と言ったら判りますか?
寺尾は三兄弟の三番目。
三人とも関取になったのはすごいですね。
今の井筒親方は、相撲オタクとも言えるほど、
若い頃から相撲についての文献も読みあさるほど
研究熱心な方だったようです。
ですから、みっちり仕込まれた鶴竜は
人格的にもとても礼儀正しく
ファンからも評判の良い好青年です。
なかなか耳にしない詳しい話題が豊富で
相撲ファンのわたしには非常に楽しい一冊でした。
Posted by ブクログ
知らない職業の苦労話を知るのが好きです。大相撲にとって行司さんは裏方です。しかし考えてみればメインイベントの中心に欠かせない存在であって、テレビ中継でも必ず映っているはずなのに、意識して見たことが無かった。しかしこの本を読んでからは、相撲中継を見ると行司さんに自然と眼が行くようになってしまいました。
Posted by ブクログ
その正確な裁きと美しい所作から名行司と称され、行司の最高位「木村庄之助」を襲名した著者がコッソリ明かす、土俵のウラ話。
大相撲の独特の世界がより一層わかっ、非常に面白かったです。この感動を誰かと分かち合いたい……。
常々、行司さんのお仕事ぶりと、そのプロ精神には感服しておりました。
あれやこれやを知って、さらに尊敬。
観戦しに行く時は、行司さんもよく注目してきたいと思います。