【感想・ネタバレ】リクルートという幻想のレビュー

あらすじ

リクルートは「人材輩出企業」や「新規事業創造企業」等と賞賛され、「営業武勇伝」に事欠かない。「やんちゃ」な社風は賛否両論あるが、日本人の働き方に良くも悪しくも影響を及ぼした。論客として著名なOBが、自らの体験と新規取材の両面から、R社の実態に迫り、将来を展望する。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

リクルートを崇める内容の本、逆に外部からの批判の本は多い中、”内部にいた人が批判している”本がなかなかないと思い、興味を持った。

「まとめ」
・世間の多くが思っているリクルートのイメージと実態の差を、実際に内部にいた”元リク”の人が語っている。リクルートといえば営業が強い、新規事業がバンバン生まれるというイメージがそれぞれ実際には評価と評判に差がある(のではないか)という事、”江副モデル”や高収益モデルから外れたものは消される等新規事業としての広がりがない事という本質に迫っている。

・特に焦点を当てているのが”リクルートは優秀な社員が多い”の”優秀”とは何か?という事である。不を解決する、自分で意思決定するのが美徳と言われながら結局、世の中の評価基準からして社内に目が向いているだけなんじゃないかというのは納得感があった。

「感想」
・現リクルート、元リク及びそれらの人と付き合いのある人が世の中に少なくなく、それだけの批判を覚悟の上で書いてある事が伝わってきた。筆者個人の主観に基づくものも多分に含んでいるだろうが今のリクルートに対する危機感を正面から描いてあり背筋が伸びる思いだった。あえて主観的な色を強く書いたのかもしれないが、実際の数字で確認してみたいと思った。(例えば人材輩出会社かどうかって指標だと何が使えるんだろう…)

・実態がつかめないビジネスモデルである分、イメージで語られ内部の実情が見えにくいという面では電通と被る部分も感じる。例えば就活情報に関するビジネスを行なっている企業は多数あるにも関わらず、リクナビが批判の矢面になっているのはその表れと言えるのではないだろうか。

・新規事業へのジレンマは実際に社員と話していても感じる。従来のリボンモデルから、よりクライアントサイド、カスタマーサイド共に寄った施策を(利益追求はずらさずに)目指していく必要がある。

「学び」
・直球の批判が書かれた本を読んでも、「きっとこの人はリクルートのことが好きなんだろうな」と思ってしまうのはもはや病気なんだろうか。← 最近よく思うのだが、最近、リクルートにいれば会社が成長させてくれるという考えの新卒が多いのではないか。自分がリクルートを使ってやる、会社を通じて社会にこういう影響を与えるという気概を持つ。

・上記において、ロマンとソロバンをその定義も含めていつも頭にいれているのか社員はもう一度議論をすべきだと思う。会社を大きくすることが大きいことなのか、社員にとってのロマンは果たして生活者にとってのロマンなのか、考えるポイントは多く、根本的な部分だと思う。
自分ゴトに昇華するなら、地方の若者に情報を与えることが果たして彼らにとってハッピーなのか、就活中から考え続けていることを改めて思い出す。

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2016年11月16日

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