あらすじ
21世紀を迎えた今日、戦争やテロの恐怖はますます増大している。人類発生以来、絶えることのなかった「争い」の歴史。数多の経験則を積み上げながら、人間はなぜ「戦争」を放棄する英知を持ち得ないのか。本書は、古今東西の歴史に“臨床例”を求め、戦争の根源的要因に解明のメスをふるった文明評論。ローマ帝国、スパルタ、カルタゴから始皇帝、モンゴル、インカ帝国まで、20の具体例をもとに戦争発生のメカニズムを読み解いていく。とりわけ本書の特徴は、各項ごとの論旨を明確に掲げたことにある。スパルタの巻では<教育>、十字軍の巻は<文化衝突>、ヒトラーの巻は<宣伝>……のように、戦争という“怪物”の様々な性格や要素が見事に因数分解されて提示されるのである。長年にわたり世界各地を旅し、実際に古戦場や帝国の遺跡にたたずみ、「戦争と人間」の問題を考察し続けてきた著者ならではの力作。著者撮影の貴重な写真も満載した好著である。
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Posted by ブクログ
ギリシャ時代、中国、モンゴル、インカなど古今東西の戦争跡を旅しながら、なぜ人間は争うのかについて考察する。争いは人間の本能であり、各文明が拡大していく過程での避けられない衝突だったりする。
だが、闘争心はパワーでもある。そのエネルギーを他に注ぐことで、争いを避けつつ、平和的な価値を生み出すこと、すなわち心理学でいう昇華がひとつの解決策か。ならば現代に相応しい昇華の形とは?ビジネス?スポーツ?考えさせられる好著。