【感想・ネタバレ】企業変革力のレビュー

あらすじ

米Amazon.comでロングセラーのリーダーシップ論決定版“Leading Change”。
企業変革を成功に導くリーダーシップには、強い意思とスキルが要求される。変革を推進する具体的な実証・実例に基づき、たどるべき8つのステップを提示、リーダーシップとリーダーの役割を論理的に明示する。
1.企業内に十分な危機意識を生みだす。
2.変革を推進する連帯チームを形成する。
3.ビジョンと戦略を立てる。
など、8段階の方法が、リーダーのいわば地図・ガイドとして、変革推進に役立つ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

上司に示唆されて読んだ本。大きな体制・慣習変更を伴う施策を自らリードする際にふと手に取ったら、先々落とし穴になりそうな点に気づけて大変参考になった。

印象に残った点
★企業を変革する際にわれわれの犯す最大の過ちは、十分な危機感を盛り上げないうちに変革に突入すること。この種の過ちは正に救いがたい。従業員の50%、管理職の75%、経営者の全員が危機認識を持つ必要あり。16、86、95
★ライン部門のリーダーからの強力な支援が得られない変革推進チームでは、組織内の非効率の原因となっている障害を克服するために必要なパワーは獲得できない。22、83
★★変革を推進するビジョンを5分以内で説明しきれない場合、あるいは従業員がそれを理解する際に混乱を示した場合は、問題は必ずそこにある。24
★★コミュニケーションは言語だけでなく行動によっても進められる。後者はきわめて強力なメッセージとなって伝わる。即ち、重要人物が言葉と矛盾した行動をすると、何にも増して変革の努力を破滅させる原因となる。26
・変革が企業文化に根付くには3~10年必要。31
★★単純で単線的で分析的なプロセスで大規模な変革を進めようとする人=この人物がプロセスをリードするのではなく、管理することだけを、過去に求められてきた。51
・P55の図、マネジメント過剰でリーダーシップ不足。過去の成功こそが、決定的な影響となっている。54 直属の部下に計画をぽんと手渡すのに終始する慣行。56 歴史ある大企業で変革のプロセスを開始するのは難しい。57
★★P70の図「現状満足の生まれる原因」狭い専門分野の目標・低すぎる目標の組織構造、外部からのフィードバック不足、多忙・ストレス不足、過剰リソース等P78の図「危機意識を高めるために有効な方法」
・変革チームのメンバー4つの要件:ポジションパワー、高い専門知識、信頼感、リーダーシップ99・チームに望ましくない資質:①大きなエゴ、②「蛇」(チームワークを殺す不信感を生み出す)→360度評価などで見抜ける。102
・信頼は多くの企業で不足している。自分たちの所属する組織への忠誠、長く在籍するほど。106
★★無視するか、協力するふりをして努力を妨害する。116短期的な成果がないと、牽引する管理職が傍観者にまわる、特い大規模な変革。210、219
★★ビジョンによって人々の抵抗・現状を守ろうとする力を克服する117合理的な人間は現状を守ろうとしてもしょうがない。119ビジョンはこうした人を極めて効率的に統合できる。120「すぐれたビジョンの特徴・効果的なコミュニケーション」簡明さ、実例・比喩、繰り返し伝える、言行一致への厳正な対応&率先垂範等122、138、150
・エンパワーメントを阻害する要因の図:知識不足(権限移譲だけしても、マネジメントやリーダーシップの教育がされていない)、組織構造が複雑等173、177、194
★短期的成果の特徴・時間枠202、204、207
・相互依存性の強いシステムの変革。228
・上層部のリーダーシップ、組織下部のマネジメント&リーダーシップ機能に権限移譲。236
・文化変容は最後に遂行される。文化自体は簡単に操作できず、行動様式の変化と定着が必要。258
・狭い範囲に限定された職務、リスクを避けようとする文化、事細かく管理する上司→特に大企業や政治機関に顕著に残存。274
・21世紀型企業の図284
★★P291の図「生涯学習」競争に挑む意思、謙虚な自己認識:成功・失敗を率直に評価する意思、リスクを負い快適ゾーンから離脱、他人からの意見を求める、オープンで柔軟、注意深く傾聴等297
・過去を大事に守る人よりも、将来を重視することに努めている人。

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2025年05月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「企業文化」という言葉は、大半の企業にとって悪い意味で使われることが多い印象を受けます。
トップの独裁的な経営判断、現状維持バイアスに汚染された社員と同調圧力に洗脳されたその他マジョリティ、会社・現場の課題と向き合わず無価値なことを創造・実行するリーダー職。
うちの会社もそんなクソみたいな人が多いので、本書を読んでとても「あ~確かに」と頷くことが多かったです。

変革には多少の血を流すことは当たり前ですが、それを如何に最小限に抑えるか、マイノリティの納得者を如何に増やし変革を達成・継続していくか。
段階的に進めることの重要性とそのノウハウが書かれています。

自分もまさしく会社の変革禍の中心に巻き込まれている(というか巻き込んでいる側かもしれません)最中なのでとても参考になりました。

推薦してくれてありがとう。ChatGPT。

★変革推進のプロセスの8つのステップとして…
1 危機意識の醸成
2 連帯チームの構築
3 ビジョンと戦略の立案
4 ビジョンの周知徹底
5 従業員の自発を促す
6 短期成果の実現と積み重ね
7 成果を活かしてさらなる変革を推進
8 新しい方法の企業文化を定着
上記ステップを厳守する。

・変革はリーダーシップによりもたらされる。方向(ビジョン)の設定とモチベーションと意欲昂揚(リーダーシップ7:マネジメント3)。リーダーシップは変化をもたらす機能。(計画立案と予算設定/組織化と人材配置/コントロールと問題解決)
・環境変化の著しい昨今では変革、転換を促すプレッシャーが外的に強まってきている。そのスピードの中で変革をするためには成果の出るものと出ないものは?順序は適切か?困難となるポイントは?を見極めていく必要がある。
変革は「管理」ではなく「推進」するもの
・変革の阻害要因は、現状に満足し、従業員の多くが危機意識を感じない。
例 経営幹部の曖昧なメッセージ、低すぎる目標設定、業績評価システム、組織構造の歪さ、人物を罰する、不誠実、対決を回避する文化←全部うちの会社
・危機意識を高めるための有効な方法は、大胆で時には危険なアクションが要求されるリーダーシップと推進力。このアクションが実行されてない=リーダーシップの欠如。組織内の理解と実現のために力を結集する労力を惜しまない。
・将来的な機会、危機の情報を伝え、変革の必要性を広めていく。仮に業績上は良好であっても現状打破が必要な時はより大胆で高い目標を設定して変革を推進。
・メンバー間に十分な相互信頼が存在し、多量の情報を迅速に処理できるチームワークを持つことが変化のための適切な意思決定を行えるチームである。この対応ができることで、リエンジニアリング・戦略再編成・ダウンサイジング・新規事業の開拓等への対応が可能となる。
★連帯チームに必要な要件
> ポジションパワー:アサインされたメンバーの適切性
> 高い専門知識
> 信頼感:客観的に優れた人物か
> リーダーシップ
* 中途採用の目安になるかも??
★チームワークにとって不可欠な要件=共通のゴールと達成意欲の保持(コミットメント(献身意欲)、目標達成への強い意志)*共通理解ができる言語化能力、モチベーション管理、コーチング、フォローシップ(過干渉はNG)
・ビジョン=将来のあるべき姿。各人が正しい方向を持って進むための道しるべ。無数の人材参加。プラン(施策)それぞれは常にビジョン達成にマッチしているか?優れたビジョン=人材に希望を与え、励ますことによって必要なことを遂行する。自己犠牲を避けがたい事実として人々に知らしめる。将来の可能性を明示する。人材を整理しやる気のある人材を選出し、連帯チームを組成できる。主体性の確立と領域を持った集中的な業務遂行。
★優れたビジョン=やることが明確。ビジョンを周知する際は…
> 大きな挑戦と日常業務からの脱却。いずれかの分野でbestになること=業界No1の分野を作る。
> これまでよりローコストでハイクオリティに。あらゆるステークホルダーに満足を与える=業績アップ
> 変化のトレンドへの対応力=企業の安定的な存続
> 特定の犠牲はなく、偏重的パワーを備える=心理的安全性・適度なストレス(常時ラーニングゾーン)
・ビジョンを明確にコミュニケートしていくための要件
> シンプルイズベスト(専門用語や横文字NG)
> 比喩(例示と見える化)
> 繰り返して伝える
> リーダーが規範を示す。
> 言行不一致への対応
> 双方向コミュニケーション
・ビジョンを伝える機会を持つために全社の利益にならない、ビジョンに関係ない、意義を見失っている、エゴなテーマは無駄、それをなくせばビジョンを伝える機会は十分に生み出せる(時間の捻出)成功例としてもビジョンを数千~数万回とコミュニケートすることでビジョンを果たしている。*ビジョンを伝える仕組みを作る。
例 全ての会議資料にしつこいくらい掲載する 等
・変革を拒む人間⇒誠意を持った対話。対話を拒むことで、周囲の意欲も低下する恐れがある。(排除に対する恐怖心)
⇒会社の人材の結集のために…
> 組織構造、人事/情報システムをビジョンに適合させる(最適解への転換)
> 阻害する者との対決(ただし相手の見極めは必要?)
> 従業員が必要なトレーニングは何か?
★短期的成果の積み上げのための特徴
> はっきりと眼に見える(ごまかしが効かない)
> 具体的である(成果達成へのラインに疑いの余地なし)
> 全体的な変革への方向性に関連している。達成のために必要な意義。
> 自己犠牲が価値を生むことの証明
> 変革推進者の功績を称え、報酬を与える
> ビジョンと戦略の微調整
> 経営幹部を味方につける
> 変革の勢いを維持
・短期的成果を阻害する要因
> 危機意識が低く、忙しくて時間をかけていられない。ビジョンが不透明。
> 長期的成果を並行した取り組みができないと最初から諦めてしまう。
> マネージャーの不在、コミットメント不足(参加意欲の欠如)
★変革にあたっては、システムや組織の1つだけを変えればいい、見直せばいいわけではない。相互的な関係にあることを前提とする。部分的にそれぞれが勝手に進めるのではなく、ペースに配慮した言動を保つ。プロジェクトは連続性を持ち、適切な順序で進めていくことが勝ちパターンとなる。(ノイズで軸をブラさない。)
・変革にあたっては、当初の計画から大幅な労力や時間を要することはよくある。短期的なプロジェクトのマネジメントと責任は個別プロジェクトのリーダーに任せる。詳細に満遍なく首を突っ込むことはNG。(関与比率を考えてジョインする)
★短期的成果を収めたのち…今まで以上に多くの変革、人材支援が加わり、主体性の発揮、不必要な相互依存性の現象が起きる。*新しい企業文化が定着したか否かを振り返ることも重要。「優れたリーダーシップの発揮なしには変革が停滞し、激しく変化を続ける環境から抜きんでること(=業界のTOP)は極めて困難である」
・文化=行動規範と価値観の共有。従来の行動規範と価値観は地中深くに根ざしておりそれを変えるのは容易ではない。表面上だけ変わって変革後に元通りということもよくある。
★変革の最大の障壁となるもの=文化。行動様式の変化からスタートし、それを業績向上と結びつけることで変革がスタートする。ただし、事前の準備(1~7段階目)は手を抜かない。
★リーダーシップ機能がある=変革と企業熟達が起きる。ただし過度なコントロールが行使されていると、リーダーシップの発揮が著しく阻害される。成功する21世紀の企業とリーダーの養成場はマネジメントではなくリーダーシップの発揮ができていること⇒全スタッフがエンパワー(自立・自信の保持)されている状態。
★エフォートレスとエッセンシャルな成功体験を積み重ねる。心楽しい体験、スピードへの適応、仕事への興奮、貢献による満足感を高めていく。
*倦怠を感じる暇もなくなる/リスクの需要と許容/信頼関係を損ねないレベルを見極めてコミットする。
・変化のスピードが速まるにつれて、学習を続ける能力と意思が個人のキャリアと企業の業績向上には不可欠リーダーになるための学習/変化への対応力を磨こう。
★成功しても失敗しても常に内省する姿勢を持ち、両面の学習を行う。他人の意見にも注意深く耳を傾けるように努力し、ラーニングゾーンに継続的かつ意図的に居続けることが必要。(周囲もそうなるようにコントロールする)
・生涯学習を促す習慣的な行動
> リスクを追う
> 謙虚な自己認識
> 他人から意見を求める
> 傾聴
> 柔軟性
> 新しいアイデアをオープンに受け止める(ぶっ飛んだ意見も一旦は受け止める)

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2025年04月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コッター教授による原題名Leading Changeという著書であり、大規模な企業変革における8つのステップについて述べている。

1.危機意識を高める
2.変革推進のための連帯チームを築く
3.ビジョンと戦略を生み出す
4.変革のためのビジョンを周知徹底する
5.従業員の自発を促す
6.短期的成果を実現する
7.成果をいかして、さらなる変革を推進する
8.新しい方法を企業文化に定着させる

「言うは易し行うは難し」という感が残った。実は今の自分の勤める会社でも最近変革のプロジェクトが進められており、大手戦略コンサル会社によるもので、本書に書いてあることが表面的に実践されているようなところがあり、なかなか盛り上がらない。急いで変革を進めようとマネジメントが焦ったために、著者が言うところの危機意識を高めるというところに失敗しているのではないかという気がする。
 著者は8つのステップはショートカットできない、常に油断すると反対勢力により変革が進まなくなることを警告している。またリーダシップとマネジメントの両方が大切で、改革の途中には短期的成果の達成の重要性を説いている。
 この8つのステップを成功させる企業は本当に素晴らしい企業ではないかと思う。ジムコリンズがGood to Greatで書いていた「時計」「弾み車」にも通じるものがあり、8つのステップは当たり前に見えるが成功にはかなりのエネルギーが必要だ。

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2015年01月19日

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