【感想・ネタバレ】女生徒のレビュー

あらすじ

「言えば、言うほど人は私を信じて呉れません」(燈籠)。「おわかれ致します」(きりぎりす)。「女は、やっぱり、駄目なものなのね」(千代女)。こういう書き出しで始まる女性の独白形式による作品を集めてみた。昭和12年から23年まで作者の作家活動のほぼ全盛期にわたるいろいろな時期の心の投影色濃き女の物語集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

幸福は一生、来ない。
待って、待って、待ちきれなくて家を飛び出した次の夜にやってくる。一夜遅れて。
そんなことわかっているけれど、眠りに就く前に、明日の幸福を願わずにはいられない。
そういったいじらしさ、愚かさを、少女の成長の葛藤を交えて描いている。

心の成長というと、スポーツや青春ものが多くヒットするような気がするけれど、これも成長の一種だと私は思う。
むしろ、スポーツとも青春とも縁遠い中学高校時代を送った私からすれば、
こういった、誰も答えを教えてくれない、正しい道も、抜け出す術も教えてくれない、
ただ「大人になれば笑い話として懐かしむことができる、今はそういう時期なんだ」とだけしか助言を得られない壁を
よじ登ろうと躍起になって足をかける話こそ、思春期の成長を表現できているんじゃないか、と思ったりも。

少女の、正しくありたい、世間さまから「いいお嬢さん」と思われたい、という願望と、
それに伴わない自分の狡猾さへの嫌悪、女であるから知っている女の醜さへの嫌悪、
本能によって、自分だけを一生は愛せないこと、感情やら理性やらを貪りながら自分を見失ってしまうこと、の哀しさ、
子どもであった時の自分の純粋さと恥じるべきわがまま、
大人になっていく自分の、いろいろな知識を得て、思春期に振り回される感情。
それらをぜんぶごちゃごちゃにかき混ぜて、どろどろな少女の世界、思考を描いている。
それなのに文体はとても美しく感じてしまう。たとえるなら千代紙みたいな。

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2011年09月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

女生徒、やばい。

最初から最後まで共感しまくりだった。
太宰は私の事知ってるの?太宰はなんでそんなに私の事がわかるの?
でもこれはきっと、この年代の人が読めばみんな共感するお話なんだろう。
てことは、みんなみんな同じようなことで悩んでるんだってこと。
私が悩んで悩んで落ち込んで、何で私ばかり、何で誰もわかってくれないんだ、とか言っても、
それはみんなおなじ。皆悩んでるんだろう。
これに気づいて、なんだか笑えた。


太宰は偉大だなぁ。

文章も綺麗で率直で、すてき。

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2011年07月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【引用メモ】

・いまに大人になってしまえば、私たちの苦しさ侘びしさは、可笑しなものだった、となんでもなく追憶できるようになるかも知れないのだけれど、けれども、その大人になりきるまでの、この長い厭な期間を、どうして暮していったらいいのだろう。誰も教えて呉れないのだ。

・ぽかんと花を眺めながら、人間も、本当によいところがある、と思った。花の美しさを見つけたのは、人間だし、花を愛するのも人間だもの。

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2015年08月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

情緒に訴えかける作品が多かった。

太宰といえば「文学」「絶望」「暗い」「取りあえず暗い」というイメージを抱きがち(?)だけど、それがガラリと変わる。
表題の「女生徒」は「私」が平凡な一日をこれでもかというくらいに説明していく内容だが、朝に目を覚ますときの気分から、夜眠るときの気分まで、それがもう半端なくリアル。つかみどころがないというか、感性で語るあの年頃の女子の本質をよく捉えているというか。思考の混乱具合や、とりとめのないような文章が本当に女性的。

「おさん」と「雪の夜の話」も良かった。「女生徒」とはまた違った年の女性が主人公の話でどちらもやっぱり女の書き方は跳び抜けている。

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2012年06月23日

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