【感想・ネタバレ】満つる月の如し 仏師・定朝のレビュー

あらすじ

藤原氏一族が権勢を誇る平安時代。内供奉(ないぐぶ)に任じられた僧侶隆範(りゅうはん)は、才気溢れた年若き仏師定朝(じょうちょう)の修繕した仏に深く感動し、その後見人となる。道長をはじめとする貴族のみならず、一般庶民も定朝の仏像を心の拠り所としていた。しかし、定朝は煩悶していた。貧困、疫病に苦しむ人々の前で、己の作った仏像にどんな意味があるのか、と。やがて二人は権謀術数の渦中に飲み込まれ……。(第32回新田次郎文学賞受賞作)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

平等院の阿弥陀如来像へと至る仏師定朝の軌跡を藤原道長全盛の時代の中で描く.延暦寺の僧侶隆範との関係,関わってくる貴族の横暴,国母彰子の苦悩,貧しい人々の救いなどたくさんの登場人物のそれぞれがそれぞれの苦しみに喘いでいる末法の世が現れている.読みながらとても息苦しく感じた.
敦明親王の苦悩にみんなが同情しているが,この甘ったれの大人子供に腹が立って仕方なかった.みんなお前のせいだ!と言ってやりたい.

0
2021年10月21日

「歴史・時代」ランキング