あらすじ
まっすぐ家に帰って何が悪い!入部した野球部に馴染めない直樹。喧嘩早くクラスで浮いた存在のカナブン。いじめられっ子のテツガク。学校にも家にも居場所のない3人が、共に過ごしたかけがえのない時間。喧嘩、初恋、友情、そして別れ......。帰宅部にだって汗と涙の青春はあるのだ。「10年に一冊の傑作青春小説」と評された、はみだし者達の物語。
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Posted by ブクログ
主人公はなんで中学時代に帰宅部だったのに大人になったらまっすぐ帰宅しないのよ。
仕事終わって疲れて帰る前に一人になる時間をつくるのはいいことだけど、家族と向き合ってないように見えてしまう。
見えるだけだけど。
実家での息子とのやり取りを見るに数年後は息子から見向きもされない父親になってそう。
という余計なお世話意見を言いたくなる、中学時代の友人の今の姿を見てるような気分になる主人公だった。
スケボーのラストは悲しかった。
『帰宅部だって青春できる』んだから完成させてほしかった。
色々とモヤモヤを感じる展開はあったけど、憧れの女の子が実は今の妻だったのと最後の一文にぐっと来たので吹き飛びました。
大人になってから思い出すさわやか切ない青春のきらめきです。
帰宅部でも青春できる
Posted by ブクログ
子どもでも大人でもない中学生男子の、どうしようもないイラつきや不安、ワクワク、友情などがたっぷり詰め込まれている。
後半切ない展開も…でも終わり方はどこか明るい未来を期待させる。
こういう話、好きだ。面白かった。
基本主人公の中学時代の話だけれど、ところどころ現在の、父親となった主人公の話が差し挟まれる。それがまた効いていていいのだが、切り替えが少々分かりづらいところもあった。
Posted by ブクログ
青春小説の醍醐味は自分の少年時代にあった出来事と物語の出来事が一致した時に、「ああ、あったなあ」と思わせるところにあると思う。
名前や見た目でからかわれた経験がある人は多いと思うが、その時に助けてくれたのは、直樹にとってのカナブンであり、テツガクにとっての直樹であり、自分の少年時代の友人なのだろう。
少年時代の友人が、今となっては疎遠になり、連絡も取れないかもしれないが、その時々の思い出は色濃く自分の中にあるもんだ。だから、青春小説を読むと思い出す、あいつは今何してるんだろうなあ。といった、自分の過去を思い出しながら、若き直樹の物語に自分の物語を重ね、今の直樹にまさに今の自分を重ね、気がつけば集中して読んでみました。青春ってのは良いですなあ。
Posted by ブクログ
ただの爽やかな青春小説じゃ、全くありません。
最初は、まっすぐ家に帰って何が悪い!っていう帯の言葉に惹かれて購入しました。もっと面白おかしい、中学生男子の青春小説かなと思っていました。いい意味で裏切られました。
中学時代の、狭い世界での部活やクラスメイトとの衝突、家庭の問題、原因の分からない焦り、そして受験などなど…
あーこんなことあったなあ、とか初恋っていいなあ、っていう感想だけではない、やり切れない思いとかどうしようもない気持ちとかが物語に染み込んでいて、胸が熱くなりました。
青春、爽やかになるとはちょっと異なる、ノスタルジックな気持ちになりました。夏っぽい表紙ですが、秋に読むのがぴったりです。
Posted by ブクログ
そのときは辛く苦しくて何のために頑張っているのかわからないときがあるかもしれないけど、いつか振り返ったとき、必要な経験だったと思えるように、その瞬間に向き合っていきたいと感じた。
その人の人生にとって、必要のなかった経験などというものはひとつも存在しない。過ぎたことだけが、自分のなかに残る。
by小島哲人
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部活に馴染めず、帰宅部となった3人の中学生男子のお話。
3人のうちの1人が、学校に馴染めない小4の息子を見ながら自分の中学時代を思い出すという構成なのですが、作者のはらだみずきさんとは、ほぼ年代が同じ、出身地もほぼ同じなので読んでいて「分かる分かる!」のオンパレード!でも、やっぱり分からないのは思春期の男子の気持ち、行動原理ですね(。-_-。)
これが女子のお話ならば、また違ったのかもしれません。
部活を辞めるのには、それなりに自分なりの理由がある。周りがいちいちムカつくのにも自分なりの理由がある。でも、それをうまく言葉にできないし、自分自身ですら納得させることができない。それに部活を辞めたからといって、他にもやりたいことがあるわけでもない。そんな感じでダラダラと放課後を過ごす。
とはいっても3人のうちの1人は多趣味で様々な知識もあり、将来の夢も決まっているのです。そんな友だちを眩しく思ったり、俺って普通だなぁと思ったり、いや普通ってなんだ?と思ったり‥‥まぁ、思春期真っ盛りなわけですね。
恋愛も経験したり受験で将来のことを考えさせられたりして、大人に足を踏み入れたばかりの彼らの頭は爆発寸前です。(いや、爆発しちゃってる)
そんなことを思い出しながら、我が子が学校に馴染めなくても大丈夫、自分なりにどうにかするさ、と思って見守る父となった主人公。でも今日もまっすぐ家に帰らずに奥さんにネチネチ言われている。大人になったって昔とあんまり変わらない。大人だって子どもだってなんか足掻いている。
一方、なんとかなるさ、とはとても思えない母の気持ちもよく分かる!子どもの時は親や教師が鬱陶しかったけど、我が子のことには口を出したくなっちゃうよね。鬱陶しがられるだけなんだけどね(^^;)
Posted by ブクログ
もう一度読みたい本
中学生の頃に読んだ本。
ちょうど読書にはまりかけていた頃に読んだ本。
内容はほとんど忘れてしまったが、
懐かしさと、不思議と、さみしい気持ちがよみがえってくる本。
Posted by ブクログ
一番多感な中学時代、部活にのめり込むも良し、帰宅部同士仲間とつるむも良し。どちらにしろ自分が生きてきた歴史だ。
3人にはちょっとほろ苦い歴史だけど、初恋の相手との行く末は・・・
Posted by ブクログ
ライトノベルかと思ったが違った.童心に戻り,懐かしさが蘇る大人のための物語.それと同時にふと我が子のことを思う.親の願いはいつの時代も同じなのだと.
以下あらすじ(巻末より)
まっすぐ家に帰って何が悪い!入部した野球部に馴染めない直樹。喧嘩早くクラスで浮いた存在のカナブン。いじめられっ子のテツガク。学校にも家にも居場所のない3人が、共に過ごしたかけがえのない時間。喧嘩、初恋、友情、そして別れ…。帰宅部にだって汗と涙の青春はあるのだ。「10年に一冊の傑作青春小説」と評された、はみだし者達の物語。
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篤人
小学四年生の給食の時間に同じ班の佐藤に殴りかかり、佐藤の反撃に加勢した鈴木と田中によってカレーウドンを頭からかけられた。
金崎文彦
直樹と同じ小学校で同じ市立中学に入学。同じクラスになった。小柄。あだ名はカナブン。サッカー部に入るも退部。
梅木弘
直樹と同じ小学校で同じ市立中学に入学。背が高い。
矢木直樹
窪塚中学。入学式後の帰りに矢木を山羊としつこくバカにしてくるため、梅木の顔面を殴った。バレーボール部に入るが、野球部に転部。入部した野球部に馴染めず退部。
松本昌子
一年D組の担任。英語教師。三十代前半で独身。
国重
バレーボール部顧問。
菊島
野球部の鬼監督。部員に高圧的な態度をとり、何かあれば連帯責任を口にし、ケツバットなどの鉄拳制裁で事を締めくくる。
桐原瞳
一年で評判の美系。
小島哲人
桐原瞳のあとをつけていた。太った男にからまれているところを直樹たちに助けられた。写真部だったが退部。テツガク。
増田睦美
小島がかわいいと思ってる。
今関
野球帽のサイズが六十センチ。次期四番候補。
清宮
補欠組のリーダー格。
鵜沢
レギュラーと補欠のあいだを彷徨っているキツネ顔。
飯岡
同じ学年の写真部。
松尾
野球部。睦の写真を撮るように飯岡に依頼。
村瀬晶子
二年生になって直樹と同じクラス。直樹が気になる女の子。
小田嶋
生徒会長。
Posted by ブクログ
70年代に中学時代を過ごした少年たちのノスタルジー青春小説
物語の設定として部活動が描かれがちだけど、帰宅部にも青春要素や仲間とのつながりやいざこざがあって何ら変わることがないというのを感じる
帰宅部も決して地味ではないし、そうなった理由も存在するということ
部活の理不尽さや非論理的な面に関しては、今は昔よりずっと改善されているけどまだまだ残っているし
ましてや「水を飲むな」とかって今や危険とされる事が根性とかって意味不明な根拠によりまかり通っていた時代だものねぇ
監督だけでなく周囲も同じ雰囲気だったら、そりゃぁ部活を辞めてしまうのも仕方がないと思う
主人公のナオキ
事情を抱えた家庭のカナブン、おじいちゃんと暮らしている勉強のできるテツガク
ウメは帰宅部ではないかな?
なので、主に3人による青春模様
恋もあったり、楽しい事を見つけたり、こんな青春もありだよな
ってか、将来の夢ってそんなに大事かね?
まぁ、あの年頃は自分の将来なんて漠然としていて何も決めようがないと思うけど、大人はそういったものがある事を素晴らしいものとしてとらえるよね
実際に自分がどうだったかとか考えずに……
あまりよくない点を挙げるとすれば、暴力的なところはいただけないな
それとも、昔はこれがスタンダードだったのかしら?
荒れて暴れる若者なんて、今や絶滅したようなものだしね
あと、終盤のボウリング坂の撮影のあれこれ
なんかちょっとケチがついた感じだよね
他の作家さんならこんな展開にはしないだろうなぁとちょっと残念に思うところもあるわけだけれども
その後のラストの展開も含めるとこんな展開もありなのかとも思う
奥さんねぇ……
バーのマスター?
Posted by ブクログ
初めましての作家さん。
実は女性だと思ってました…(汗)
息子を通して、自分の中学時代を振り返る直樹。
同じ中学に通う、直樹、カナブン、テツガクの三人。
帰宅部の三人には真剣に打ち込める何かがなく…
それでも、もがいて、苦しんで、時々、思い切り笑って…
「夢」がなければダメなのか…
中学時代を懐かしく思い出しながら読みました。
Posted by ブクログ
帰宅部にだって青春はあるし楽しいんだ!そんな中学生男子たちの物語。
なのですが、うーん、イマイチその楽しさが私には伝わってきませんでした。
物語の中にも描かれているけど、何かしら部活をしている人(特に運動部)は
帰宅部を軽蔑する傾向にあるよね。正直私もそうだった。
だからこそ、この一冊で帰宅部を謳歌した人達のその頃の気持ちが分かる
かもしれないと、できるだけ先入観を無くして読み始めたんだけどなぁ。
小学生の子を持つ父が自分の中学時代を回想して語るかたちとなっていて
時代が古いのもあまり楽しめなかった理由のひとつかも。
あとは、喧嘩ね。特別に美化も正当化もされてはいないけれど、
「物語が動く」部分が全部喧嘩絡みというのも共感できない理由だな。
帰宅部だけど、自分の好きなことをまっすぐ思い切り楽しんでいる姿が
描かれている小説があったらぜひ読んでみたい。