【感想・ネタバレ】悪霊列伝のレビュー

あらすじ

直木賞作家・永井路子氏の作品が遂に電子化!
菅原道真をはじめ、祟道天皇、伴大納言など、古代の貴族社会において、不運にも権力争いに敗れ去っていった者たち。彼らの生きた時代背景とともに、怨念の系譜をたどり、日本人の精神構造を浮かび上がらせる人物評伝。

大正14年東京生まれ。東京女子大学国文科卒業後小学館に入社し、『女学生の友』『マドモアゼル』の編集者を務める。
小学館時代から歴史小説を執筆し始め、昭和39年『炎環』で直木賞を受賞。その他にも吉川英治文学賞を受賞した『雲と風と』等多くの素晴らしい作品を世に送り出している。
男性的目線になりがちな歴史人物や歴史事件を解きほぐし、その陰になりがちな女性にも焦点をあて、歴史上の人物、出来事を鮮やかに浮かび上がらせる作風は、歴史小説に新風を巻き込んだものと評価されている。
また、直木賞受賞作品である『炎環』、『北条政子』などは、NHK大河ドラマ『草燃ゆる』(1979年)の原作として、また『山霧 毛利元就の妻』『元就、そして女たち』などは、同じくNHK大河ドラマ『毛利元就』(1997年)の原作としても知られている。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

購入済み

透徹した視線

「悪霊列伝」という題名から海音寺潮五郎の「悪人列伝」を連想したが、作者永井路子の透徹した視線を感じる作品であった。怨霊 言霊を信仰する畏怖する という点では、井沢元彦の「逆転の日本史」の古代 中世版を思わせるところがあるが、作者永井路子は更に深読みして、生者が利害関係者が操る悪霊 という視点で、推理小説的な面白みをさらに加えている。

1
2023年06月04日

「歴史・時代」ランキング