【感想・ネタバレ】螻蛄―シリーズ疫病神―のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月24日

快調の疫病神シリーズ第4作。巨大寺院の宗宝をめぐるシノギに、金の亡者たちが乱戦を繰り広げる。
タイトルの「螻蛄」は、無一文を意味する「おけら」と、人を蔑んで呼ぶ「虫けら」のWミーニングでしょうか。

信者五百万人を擁する伝法宗慧教寺。その宗宝『懐海聖人絵伝』を巡るスキャンダルに金の匂いを嗅ぎ付けた、...続きを読む相性最悪の"疫病神"コンビ、建設コンサルタント・二宮啓之と二蝶会幹部のイケイケ経済ヤクザ・桑原保彦。巨大宗派の蜜に「虫けら」のごとく群がるのは、大阪府警の腐敗刑事・美濃、新宿系極道・勢羽組、怪しい画廊の美人経営者・稗田涼子ら有象無象の金の亡者たち。金満坊主から金を分捕るのは誰か。東京に出張った最凶コンビの命運は?

今作から二宮が飼い始めたオカメインコの「マキ」。その調子っぱずれ鳴き声がノワールなこのシリーズに異様な"癒し"をもたらしています。
さて、今回のシノギは巨大寺院の宗宝と、寺の勢力争いに絡んだ裏金の分捕り合戦。
「坊主丸儲け」を地で行くような腐れ坊主ばかりが登場。そしてその利権に吸い寄せられるように湧いてくる強欲な者ども。
いやぁ、今作も欲の皮が突っ張った連中のオンパレード。そのあくどさは、疫病神コンビがかわいく見えるほど。
大阪府警の腐れ刑事・中川はほとんど出てこないものの、美しい画商・稗田涼子が裏金争奪戦の背後で怪しく糸を引き、不気味な存在感を示すのが印象的でした。

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