あらすじ
時代小説とは何か? 司馬遼太郎、藤沢周平ら多くの作家が活躍し、名作が書かれた昭和。作品が舞台とする江戸時代。高度経済成長期の「会社」生活に一喜一憂した昭和のサラリーマン達が自らを仮託した下級武士達と、経済成長なきユートピアとしての「藩」。それぞれの時代と社会を詳細に読み解き、日本人にとって時代小説が持つ意味をわかりやすく語る。おじさんも歴女も目からウロコが落ちる必読書。
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Posted by ブクログ
『なんで歳を重ねると時代小説を読むんだろうね?』という、友人とのふとした会話の流れから読むことにした1冊。
未来は過去の繰り返しで、時代小説も言わば“現代小説”であること。進歩しない人間の苦さは今も過去も変わらず、それを描くことで共感性が高まる。藤沢周平なんかはサラリーマンとの親和性が確かに高そう。苦手意識がある分野だけど、ちゃんと読んでみたくなった。これも年齢・経験を重ねてきた証拠なのかも。
また、内容的には文学的な側面からものだったが、科学的な側面からみるとどうなのかなあとは疑問に思った─ 例えば共感性が高まるであろう中高校生にこの魅力を伝えるにはどうしたらいいんだろう?仁義であったりは経験則からしか学べないものなのか。