あらすじ
むき出しの暴力、軍閥ボスのエゴ、戦争が日常の子どもたち……。泥沼の紛争地でいかに銃を捨てさせるか? 東チモールからアフガンまで現場を指揮した男が明かす真実。真の平和論はこの一冊から。(講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
紛争、戦争等暴力が存在するということに関して、あまりに理想論に傾いた非暴力の論理を振りかざしがちな日本のマスコミ、教育(の一部)への違和感を、実体験に基づきすっきりと表現してくれる作品。
一方で、そのカウンターパートとしての政治のあり方、説明についても、あまりにその場しのぎの状況についても、苦言を呈している。
この状況にあっては「憲法を現実に近づける作業にどこまで意味があるのか」と筆者は考える。
「現在の政治状況、日本の外交能力、大本営化したジャーナリズムをはじめ日本全体としての『軍の平和利用能力』を観た場合、憲法特に第九条には、愚かな政治判断へのブレーキの機能を期待するしかないのではないか。
日本の浮遊世論が改憲に向いている時だから、敢えて言う。
現在の日本国憲法の前文と第九条は、一句一文たりとも変えてはならない。」
と結論付けている。
今の能力ではそう、としても、その能力を高めるための議論を深め、より適切な状況を作り出すことは、私は、根っこから暴力を締め出すために重要なことだとも思う。