あらすじ
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名投手、稲尾和久を擁した西鉄ライオンズは、3連敗のあと、奇跡の4連勝で宿敵巨人を倒し、3年連続日本一に輝いた。しかし、指揮官三原は、日本一の座に慢心するフロントに不振を抱き始めていた。三原の欲したもの、それは野球の本質を理解し、野球を愛し、真にファンに望まれる球団経営だった…。
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Posted by ブクログ
三原脩の一生とプロ野球の歴史を表したノンフィクション・ライティングの後編。下巻は,1955(昭和30)年から始まる。前年に西鉄ライオンズはパリーグ初優勝を遂げたものの,絶対的なエースに不足していた。そこに登場したのが,鉄腕・稲尾和久投手である。稲尾の活躍によって三原の「野武士野球」は完成し,日本シリーズ3連覇という偉業を達成した。宿敵・巨人を,水原を倒すという当初の夢は叶えられたものの,三原の球界に対する挑戦は,これで幕を下ろしたわけではない。彼が西鉄を退団し,大洋・近鉄・ヤクルトと相次いで監督を引き受けては退任し,新生球団・日本ハムファイターズにおいて球界出身者として初めて球団代表に就任するに至った背景には,一体何があったのか…。1978(昭和53)年の「江川事件」を扱ったクライマックスまで,目を離さずにはいられない。
私のサブゼミ「西鉄ライオンズの経営史研究会」では,2011年度に本書の輪読を行った。奇しくも同年は三原脩生誕100周年にあたり,また埼玉西武ライオンズが主催するライオンズ・クラシックのテーマに三原が取り上げられた。球界再編が叫ばれて久しいが,野球ファンには是非とも読んでもらいたい一冊である。