【感想・ネタバレ】人は死なない ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索のレビュー

あらすじ

神は在るか、魂魄は在るか。生命の不思議、宇宙の神秘、宗教の起源、非日常的現象。生と死が行き交う日々の中で、臨床医が自らの体験を通して思索した「力」と「永遠」、そして人の一生。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

数年前ちょっとした話題書だった気が。今更ながら手に取り。
オカルトよりなのかと思っていたけれども思っていたより科学的というか、やはり著者は医師なのだなという納得感。最初の方の章は著者が医師として日々過ごす中で感じたり思ったりしたことを科学や宗教といった知識で探求するというか裏付けしていくような話が進みます。
医師として瀕死の患者さんやそのまま亡くなってしまう患者さんと対応していると不思議に感じる出来事に出会うという人は著者の他にも結構いると何かで読んだこともあり、自分は「そういうこともあるんだろうな」という感じで読み進みました。

著者自身が山で経験したこと、ご両親の看取りの話など、不思議でありながら感情にも訴える綴りでとてものめり込んで読みました。特に山の話は自分は山登りやトレッキングなど全く関心のない人間なので大変興味深く読みました。
お母さんが亡くなられてご両親を二人共見送った後「これでもう心配しなければならない人はいなくなった」という安堵感や幸福感のようなものに満たされた、という箇所がありました。自分も少しその気持がわかる気がしました。自分もずっと「父が亡くなる」ということが若い頃から恐怖でした。そして実際に亡くなってしまい見送ってしまったら「一番怖いと思っていたことはもう過ぎた」と思ったことを思い出しました。これは経験しないとわからないことだなと思います。
母が亡くなった後あの世を信じない父がよく「どうしてあの世を信じていないのに線香上げたりお参りしたり自分はするんだろうか」「手を合わせる意味はあるのか」というようなことをさんざんぼやいていました。
本書のp199に「霊魂や死後の世界はその存在を証明できないから認めないと科学的に考える自分と、亡くなった人の霊魂がどこかにいて自分を見守ってくれているのではないかと直感的に感じる自分がいないでしょうか。」とあります。多分父も、そんな風に感じていたのではないかなぁと今は思います。父があの世に行って「本当にあの世あったよ!」と驚いて知らせてくれたら嬉しいのになーと思います。

母のこと、父のことを思い出しながら読みました。矢作先生の本作は「きっとあの世から大事な人が見守ってくれている」と思える支えになりますね。

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2024年10月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

科学では説明できないことは信じない。これは再現性に重きをおく科学を極めること。すなわち学術研究等ではあたりまえ。一方これを世の中の営み全ての現象の理解や実践とすることは合理的ではない。そういうことを考えされられる。
量子力学の世界。この中では我々が目にする科学的な現象とはことなる現象が多く発見されている。つまるところ。我々が科学と呼んでいるものは特定の条件下の一部のみ。世界を全て記述するに至っていない。そう考えるべきだろう。
本書で記載された不思議な出来事。極端な低確率なだけかもしれない。事実ではないこと、説明しにくいこと。これらを都合よく説明できるスピリチュアル。たんに当てはめて解釈しているだけなのかもしれない。
事実と憶測。これらを分別。そして起こったことを受け入れる。それが大事だと思った。

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2023年05月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

東大の賢いお医者様が書いているのだから、きっと素晴らしいことに違いないと信じてます。(←権威に弱いのかな。)
スピリチュアルや風水は、部屋を掃除しろとか親を大事にしろとか、信じても間違ってないので安心。この本はスピリチュアルの部類かわかりませんが信じて大丈夫な本でした。
(逆に安心じゃないのは高額な壺や数珠を買わないといけないとかお金を浄化するから預けろとか。信じちゃいけない危険なものかな。)

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2014年11月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

医師が書いた科学(医学)の限界、宇宙の摂理(神)と霊性についての本。
科学とは観測・再現が可能なものに対象が限定されるので、万能ではありえないのはそのとおりだと同意するし、科学では証明できない不思議が否定できないというよりも、この宇宙や世界がこのように存在すること自体にサムシング・グレートを感じるということにも賛同する。
もちろん、スウェーデンボルグやシルバー・バーチといったスピリチュアリズムも否定はしないが、そうした事例(死後の存在とされるもの)だけで人の霊魂が不滅といえるのかどうかは疑問だし、人生二度なし=良心は不要という捉え方には同意しかねる。
この本で摂理や霊性を認めるのは、東大付属病院の医師が書いたという権威を鵜呑みにしているように感じられる。科学的に証明されていなくても、世間の常識とは違っていても、霊性やあの世とこの世の仕組みなどの本はあるので、そうした説明が腑に落ちるのなら、あえて説明は不要とすることもないと感じられた。
この生をいかに生きるのか、よりよく生きるための方便になるのなら、それもOKではある。
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2014年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現代の自然科学では説明しえない現象や世界をどう捉えるか。

「有る」と思えば有る、「無い」と思えば無い、
宇宙の端と同じようなものなのかもしれない。

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2018年08月05日

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