【感想・ネタバレ】ステノグラフィカのレビュー

あらすじ

国会で働く碧は、その「声」に耳をそばだててしまう。滑舌よく明瞭な声の主は新聞社政治部記者の西口。食堂の定位置――碧の隣のテーブルで忙しなく騒がしく食事して去る彼は、日々をひっそり重ねる碧とはまるで正反対だった。しかしある出来事を境に、西口は碧を何彼と構うようになる。彼の素顔に触れるにつれ、次第に惹かれていく碧だが……?

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匿名

ネタバレ 購入済み

西口さんの印象って薄いよなぁと思ったのは、静や佐伯の話があまりに濃かったからなのかな(笑)
同期の二人に比べると、軽い印象(ノリと勢いで生きてるような?w)だけど。
けっこう鋭い洞察力があったり、周囲への気配りなんかも出来て、やれば出来るんだね~なんて。
一穂ミチさんの作品は読み始めるとすごくハマってきて、今作も個人的にはすごく丁寧に読み進めた作品だった。
日常生活のことや仕事のこと、おざなりではなく、丁寧な描写もあったし、登場人物の生活の中でいろいろあって・・・という、ごく自然な流れがすっと入り込みやすいのかなと感じた。
良くない方wは相変わらず。通常運転で何より(笑)

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2025年05月05日

ネタバレ 購入済み

なんか知的なBLだったわぁ

速記者、政治記者、国会、スクープ、普段BLを読んでいてほとんど聞かないワードが満載だった。政治家と一般人とかいうCPもいるにはいるけど、速記者は無かったなぁ〜。とても興味深くて斬新で面白かった。ガッツリ女性が絡んでいるのも私は嫌ではなかった。稀有な上質なお話だった。

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2022年10月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

少しずつ気持ちに気づいていき、初めから好きだったと思う。この話の流れがとても好きです。
2人とも仕事を大事にしている所も、いいな。
相変わらずの佐伯の鋭さと意地悪さも健在で、、、
いずれ、佐伯と静、西口と碧のお互いの関係が知れて4人で飲んだりするのかなと、思ってみたり。

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2023年10月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

▼あらすじ
国会でひっそりと働く碧。がさつで忙しない新聞記者・西口とふとしたことから言葉を交わすようになり、少しずつその素顔に触れて…?

***

★4.5
国会議事堂を舞台にした新聞記者と速記者のお話で、ガチめなお仕事BLです。
私、この作品がシリーズものだという事を作品を読むまで知らなくてですね…。
勿論、他のシリーズ未読でも全く問題無かったのですが、表紙を見て勝手に攻めは紳士系のおじさんだとばかり思っていたので、中身をチラッと確認した時に紳士とは程遠いキャラクターで少し落胆してしまい…。
元々、政治関係の話にまるで興味が無い人間な事もあり、買ったはいいものの何となく読むのを後回しにしてしまっていました。

でも、一穂ミチ先生の作品なのできっと面白いだろうとは思っていたんです。
そしてその予想はやっぱり裏切られませんでした。

政治の小難しい話が苦手なので、最初は詳し過ぎるお仕事描写が却って仇になり、少し読み辛さを感じたりもしたのですが、中盤からグッと引き込まれ、そこからは一気に読んでしまいました。
人物の心理描写、センスのある言葉選び、テンポ良く繰り広げられる言葉の応酬やちょっとした仕草の描写など、ほんのりと文学的要素を含んだ一穂先生の文章は読者の心を引きつける凄まじい力を持っていると言いますか、とにかく一穂先生の語彙力と表現力の高さに改めて驚かされる内容でした。

そして出て来るキャラクターは皆、きちんと個性を持っていて素晴らしいな、と。
(佐伯は露悪的過ぎて個人的にはちょっと苦手な部類でしたが…。)
特に私はすみれちゃんと松田さんがお気に入りで、この二人の印象が強く残りました。
すみれちゃんは受けと同様に攻めに恋する女性であり、攻めの同僚なんですが、BL小説に出て来る女性キャラにしては珍しく、かなり好感の持てる女性でですね…。
同じ女として共感出来る部分もあったりして、魅力的なキャラクターだと思いました。

松田さんは受けが唯一心を開いているとある隠居老人なんですが、最終的に明かされるこの人の秘密があまりにもインパクト強過ぎて、何だか作品の美味しいところを全てこの人に持って行かれているような気がしなくもないんですよね…。
ただの老人だと思っていたら実は伝説の人物でした、なんて格好良過ぎるでしょ!
しかも凄く悲しい過去を抱えていて、これがまたほんのりとBLの香りがするもんだから余計印象深くて。受けとの別れのシーンは何だか無性に悲しくて少しヘコんだぐらいなんですが、そういった部分を含めても、松田さんの下りは意外性があって凄く良かったと思います。
まぁ、おかげで自分の中では攻めよりも松田老人の方が格好良いキャラという評価になってしまったのですが…(笑)

因みにエロの方は最後の方にちょろっとある程度なんですが、エロが無くてもこのお話なら十分楽しめただろうな、って思います。
それくらい読み応えのある作品でした。きっと、西口みたいな子供っぽさを残したオッサンが好きな方には堪らない作品なんじゃないでしょうか。
私はもう少し落ち着いたオッサンが好きなので、西口が自分の好みど真ん中のキャラだったらきっと文句無しの神評価を付けていたに違いないです。
ついでに言うと受けは割と好みでした。他の人が同じキャラを扱えばただの地味キャラで終わってしまいそうな碧ですが、一穂先生が書くと“地味”という名の個性がしっかりと輝くから凄い。この作品が高評価なのも頷けます。

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2020年03月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ここまで一穂さんの作品読み続けてきて、漸くビビっと感発動。
相変わらずの特殊職業設定に辟易したものの、もうこの蘊蓄は
読み流してしまおう、と思ったら内容に集中できました。

40過ぎのバツイチ草臥れたオッサンと地味青年の淡い恋

という感じです。青石さんの温度感低めなイラストが絶妙に
マッチしており、何より私の好みの『一重受け』
美形や美人の象徴である二重設定よりも、この涼しげな一重が
大好物の私としましては、それだけで高ポイント。

内容としましても淡々とした中に暖かさがあって、なによりも
受の祖父母のエピソードに涙腺刺激される……。
恋愛面は相変わらず唐突ななだれ込み桃色で、その辺について
だけはガッカリ感が半端無いですが、あのシーンは桃色じゃなくて
ちゃんとごはんを食べて欲しかったです。萎えました。
正直一穂さんの桃色ってBL小説の中ではちょっと……という
感じなので、いっそ朝チュンでいいのに、と思ってしまいます。

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2013年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

政治部新聞記者×国会速記者
特殊な文字を用いて、十分間に4000字というスピードで、ほとんど正確に国会の答弁を表記する。何より速記者という職業に萌えました。
速記、あるいはそれを仕事にする人がいることは知っていたけど、恥ずかしながらその速記者の手法までは知らなかったので、国会で黒子に徹する碧がとにかくかっこよく見えた。そしてそんな速記者の碧が書き留めたいと思う声がある。最序盤だけどこのあたりの、ただ耳を澄まして西口の声を聴く碧の描写にときめきました。たとえその西口の話す内容がAVのことであれ。
一穂さんは初めて読んだけど、文章が上手かったので他の作品も読んでみようかなという気になった。西口と碧が距離を縮めていくさまも丁寧でとても良かったと思う。ただ、最後の最後でエロシーンがどうしても唐突な感じがしてちょっと笑ってしまった。枚数上限に無理矢理エロぶっこみました感が。これだったらエロないほうがいいなって思うくらい。もしくはもうちょっとページ数増やして、無理のない展開でエロにもっていくとかしてほしかったなあ。ていうか最近BLにエロ無くてもいいやって思ってるので個人的にそう思うだけかもしれません。
これだけ文章の巧みな作家さんなので、国会を舞台にした比較的特殊な職業モノではなく、学生とか普通のリーマンとかもっとド直球のものが読んでみたい。

あ、それからサブカプと呼んでいいのかわからないけど城崎誠士郎と杣友弘之の二人が気になった。「……その時から人生は狂った」だの、一人で行かせたことを後悔している、だの。当時の二人のことが知りたくなったし杣友さんのその後も気になってしまった。
オースターの『ムーン・パレス』は是非読みたい。

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2013年04月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

★3.5。国会で働く二人。新聞政治部記者×速記者。BLよりも仕事に懸ける人々の交錯や人生観など、よく調べて書き上げてあるなぁと今回もそちらのほうが感想一番。受けが地味なわりにはズバッとはっきり言うタイプ(短気?)なのに、既婚者という誤解はそのままにしておくのか…?受けがちょい苦手なんで、お仕事小説としては良かった。

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2018年09月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

国会速記者の碧(へき)の仕事は、耳をそばだて議員の発言を一字一句逃さずに書き留めること。自分の気配を消し、耳と目と手と頭だけを働かせる。
そんな碧が書き留めたいと思う声の持ち主がいる。
明光新聞社政治部記者の西口だ。
美声ではないけど、滑舌がよく、センテンスの区切りが明瞭。がさつな印象だが、不思議と下品ではない。後輩にも慕われ、よく下世話な話に興じている。最初に気になったのは声だけだけれど、次第にその人となりに興味を持つようになる。
ちょっとしたきっかけで言葉を交わすようになったふたり。
碧と同様に、西口の方でも
物静かで地味だけど、楚々とした碧に好奇心を抱いていた。
そのまっとう過ぎるほどまっとうで、何事もスルーしない性格。聞き上手で、情が深く、知らぬ間にスルッと入ってしまうような懐の深さ。
いつしか惹かれあうようになる。
このふたり、静と動というか、われ鍋にとじ蓋というか、お互いにないものを補えるようないい関係だと思う。18才もの年齢差を全然感じさせない。碧が老成してて…ww
西口は、碧が最初に思っていたよりも、ずっとナイーブでプライドが高くて、でも少し臆病で、ズルくて、大人って面倒くさいなって思う。
プライドとか矜持とかしがらみとか未練とか。色々あるんだなって。
大人だから、愛とか恋とかばっかり言ってられない。
でも、大人だって、やっぱり恋をするんだ。ただネズミ花火みたいにクルクル跳ね回れないだけで。
キラキラした高校生カップルみたいな、目がつぶれそうな眩しさはないけど、静かに胸をキュッと捕まれるような、そんな恋もいいかも。
一穂さん作品の中でも、これが大好きとは言わないけど、『Off you go』の空気を踏襲するような大人の難しさみたいのは悪くなかった。
でも、萌えとかトキメキとかキュンはなかった気もする。
ところどころ、小技はきかせていたのだと思うけど、攻も受も個人的にいまいちストライクゾーンじゃないので、心に響かなかったのかな。

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2012年08月02日

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