【感想・ネタバレ】日本企業の生きる道。 ユーロ崩壊と中国内戦に備えよ!のレビュー

あらすじ

第2次安倍政権の誕生を機に株高&円安が進み、輸出依存度の高い大手メーカーが、収益的にホッとひと息つけたのは事実である。だが、「アベノミクス」はまだ何ら具体的に実行されておらず、それらが真の経済成長につながるかどうかについては、判断は早計だ。一方で海外を見渡すと、すでに中国市場からの撤退を計画している日系企業もあるし、今後も邦人を狙ったテロ事件が頻発するとの見方もある。こうした内外の厳しい経済環境のなか、果たして日本企業は“次なる成長”をどこに求めればよいのか――。著者は以前から、「21世紀は“デフレの世紀”となる」と言い続けてきた。だが、「デフレだから不況なのだ」とする見解には賛同しない。やはり日本の場合、景気回復の原動力は“モノづくり”であるべきだ。近年ますます炯眼を誇る国際エコノミストが描く、日本の大戦略。“モノづくり国家”日本は、まだまだ自信を失う必要などない。

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Posted by ブクログ

中国は、瀋陽軍区に80%分の陸軍を置いている。実に国防費の16%をここに投資。金正思は瀋陽軍の操り人形との話

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2013年10月01日

Posted by ブクログ

現在の日本はアベノミクスの真っ最中で、いまにもデフレから脱却しそうな勢いだと思っているのは私の思い過ごしでしょうか。日本がデフレ状態になったのは、バブルがはじけた平成元年頃ですから、私が社会人になってからずっとこの状態が続いていることになります。

確かそのころに長谷川氏が書かれた本に、「このデフレはあと30年続く」と書かれていて、私はインフレを知らないで社会人を過ごすのかを思った遠い記憶があります。この本で長谷川氏は、デフレ経済はさらに30年続くと言っています、デフレではない国が世界中で多くある現代において、日本は進んでいるのかどうかわかりませんが、特別な環境にいるようです。

シェルガス革命によりアメリカは新たな未来があるようですが、ユーロ地域や中国はどうなるのでしょうか。激動が起きる中で、外資系とはいえ日本で勤めている私も、影響を多く受けることは確実なので、多くの意見を咀嚼しながら、社会人生活を続けていきたいと思いました。

以下は気になったポイントです。

・フランス企業が業績を低下させているのは、欧州危機の影響だけではなく、1)労使関係の硬直化、2)経営者が新しいことに取り組もうとしないことにある(p22)

・東ドイツを統合したい西ドイツのコール首相は、フランスのミッテラン大統領に、ドイツがマルクを放棄して、フランスとの共同通貨を用いることを条件に、統合を認めてくれることを提案したので、ドイツのユーロ離脱はありえない(p27)

・ギリシアでは民間企業が破綻するとその企業を国有企業にした、それにより破綻した企業の従業員は国家公務員になった、その結果、ユーロ加盟により彼らの賃金はドイツの8割程度まで上昇した(p33)

・アメリカの石油生産は、シェールオイルを含めると 2017年にサウジアラビアを抜く予定(p42)

・中国にはアメリカを超える世界最大のシェールガス埋蔵量があるとされるが内部の砂漠地帯にあり、取り出すときの水の入手が難しい(p48)

・世界の貿易額は年間約15兆ドル、その決済は90日として3.75兆ドルが必要となるが、それを賄えるのはNYのドル市場のみ(p53)

・日本では、CNG(圧縮天然ガス)車ではないが、タクシーがLPG(液化石油ガス)を使っている。製造しているのは日本の自動車会社のみ、シェールガスは船舶にも利用できるので、船舶用天然ガスエンジンの開発も進められている(p57)

・国有化されたGMでは、従前の労使協約がすべてキャンセルされて、機械工が電気工の仕事ができるようになった、日本では当たり前だが、GMにとっては画期的(p63)

・アメリカ人の生活は自動車なしには考えられない、全米を走行する乗用車は2.3億台、20年間使用するとして、年間1100-1200万台の更新需要が発生する、販売が低迷した期間が4年も続いたので、繰り越し需要が少なくとも2000万台はあるだろう(p66)

・2013年以降、世界経済を牽引するのは、シェールガス革命と自動車市場に支えられたアメリカ経済(p67)

・高速鉄道料金は普通路線の3倍程度で高すぎる、LCCの登場により高速鉄道の優位性も薄れてきた(p87)

・天安門事件は、学生と知識人の運動であったが、今日のデモは「失業者の運動」(p91)

・2012.9.19以降のデモが一気に抑え込まれることになったのは、デモ隊が文化大革命を始めた毛沢東の肖像画を掲げるようになったため(p93)

・中国政府が恐れているのは、デモの勢力と中国人民解放軍が合流して巨大な勢力になること(p94)

・北朝鮮のミサイル発射は、北朝鮮の意向というより、瀋陽軍区の意向(中国政府への恫喝)(p103,104)

・日本には、横須賀第6と佐世保第4の大型ドックがあり、アメリカの原子力空母が修理できる、それがないとアメリカまで帰る必要あり(p114)

・オスプレイは、滑走路が不要、ヘリの状態で庭に着陸、アメリカ人を救出したうえで、高速の飛行機モードにかえて沖縄に戻ってくる(p120)

・サムスンの最大工場(亀尾)は、7兆円の設備のうち4兆円以上が日本からの製造機械の輸入(p127)

・サムスンは重電部門をつくろうとしたが諦めた、1)人材なし、2)クレーンがつくれない、3)体系的な技術力がない(p130)

・日本の綿糸が発展したのは、大阪紡績が世界に先駆けて電灯照明を導入し、それを他産業にも広がったため(p139)

・2011年の技術輸出による受取額は 2.38兆円、支払額は 0.41兆円、差額の約2.0兆円は特許で稼いでいることになる(p144)

・グーグルはモトローラの事業が欲しいわけではなく、アンドロイドを守るための武器として、モトローラが持っている 2.4万件の特許が欲しかった(p146)

・新幹線に乗って揺れを感じないのは、世界最高水準のレール(1メートル80kg)、を使っているから(p152)
2013年4月7日作成

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2013年04月07日

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