あらすじ
僕の名は有馬次郎。京都でも指折りの貧乏寺、大悲閣千光寺の寺男だ。怪盗と呼ばれた過去もあったが、縁あって慈悲深い住職に拾われ、表の世界の住人となった。厄介なのは、寺に奇妙な事件ばかりが持ち込まれること。持ち前の身軽さと裏の人脈を駆使、住職の智恵をお借りして、解決にひた走る毎日だ。京の風情と垂涎の料理の数々も楽しい、本格推理の傑作登場!
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Posted by ブクログ
京都一の貧乏寺・嵐山の古刹大悲閣の寺男、有馬次郎に奇妙な事件が持ち込まれる。
元広域窃盗犯の有馬の直感は鋭く、新聞の記者の折原けいや住職の助言も得、時には裏社会の情報を利用しながら事件を解決していく。
ミステリーですが、かなりコミカルでユーモアたっぷりの連作短編集。
どの話も京都ならではの文化や料理がキーになっているので興味深いです。
非現実なトリックやロジックを使った脱力してしまいそうになるバカミスの話もあるので、物足りなく思う人もいるかも。
「異教徒の晩餐」や「支那そば館の謎」のトリックはどうなんだろう…私はあまり納得できないな~。
大悲閣は実在するそうなので、いつか行ってみたいです。
素材を生かした季節感のある京料理の描写もおいしそうで、読んでいて唾液が出まくりました。