あらすじ
生まれ変わりたい、自分を取り巻く家庭や社会から解放されて、自由に生きたい――幼い頃からそう望み続けてきた十六歳の少年・我利馬は、自作のヨットでこの国を離れる決意をした。貧しい生活の中で何とかヨットを完成させた我利馬は、家族の誰にも告げずにたったひとりで航海へと出発する。さまざまな苦難の末、我利馬がたどりついた場所とは? 自立への道を模索する少年の姿を描いた長編。
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Posted by ブクログ
我利馬は25年前の私だった。
自分が嫌いで、生まれ変わりたい私にそっくりだった。
だから、この本の内容に凄く共感した。
我利馬は、生まれ変わるために、ヨットで航海に出かけ、
私は、生まれ変わるために、アメリカへと渡った。
我利馬は、自分の居場所を見つけた。
50歳の私も、結婚して居場所を見つけたような気がしている。
居場所を見つけるまでの、時間と空間の旅、
苦しみと悲しみを乗り越える旅、
嵐の中、彷徨い、何度、雨の中立ち尽くしたのか?
自分を受け入れてくれる人と場所、
自分が苦しみと共に成長することで勝ち取った
現在。
でも、今でも、25年前と少しも変わってないな、と自分に対して感じることがある。
三つ子の魂百まで、と言うか。
結局、生まれ変わることは出来なかった。
でも、少しはマシになれた。
人生とは旅だろう。
昨日の自分より少しマシになるくらいの旅だ。
生まれ変わることは出来なかったが、我利馬と共に、
居場所を見つけ、お互い良かったね、と思いながら、
僕は、これからも、この本を読んでいくのかもしれない。
Posted by ブクログ
灰谷健次郎作品の中でも、とても気に入っている一冊です。
読んだ時期も関係していたのでしょうけれど
とても心に響いた本です。
とても思い合っている2人がいたとして、どちらかが幸せでなければ別れを決断しなければならない。
ズシンときましたねー。
Posted by ブクログ
これはホントにおススメ!「生きててもいいことなんかない‥。」とか思ってる人、これ読んで考え直してください。
そして強くなってください。自分がとても小さな世界にいたことに気付きますよ。
ってか誰が読んでもどこか自分に当てはまるようなところが出てくるはずです。まじで超おススメ。
Posted by ブクログ
意外な結末である。題名の意図するところは何であるのかを考えた。スウィフトの「ガリバー」のことも考えたが、著者は(他の作品を読んで感じたのだが)非現実的なことを書くのだろうかか?また、「ガリバー}同様に、物語が進むにつれて、漂流し大人の国へ行き着き、最後には夢であったと落ち着くのかと思った。しかし、それは裏切られた。面白いように。
第1章、だれでものおじさん。人生のつらい面を見ていて現在がある。第4章クチェ老人、多くのことを悟っている。ガリバー少年が、これから、だれでものおっさんのように苦労を超えていくということが予想された。他方、時代背景とは何らかの関連があるのだろうか?だれでものおっさんに感動はあったものの、その他のところは他の小説の受け売りのような感じがした。
Posted by ブクログ
小学校低学年の時に読んだ本。
現実からファンタジーへの飛びっぷりに混乱して、
何読んでたのかわからなくなって最初に戻った本って印象が強い。
同じくらい面白かったって記憶も強い。
そのうちまた読み直したい。
Posted by ブクログ
前半、とても良かった。
船の作り方のリアルさや我利馬の境遇や心境など、読んで泣いたが、後半のパラレルな話の展開に唖然とした。できれば前半のみの話で涙して終わらせてほしかった。