あらすじ
幼子の母亜矢子の最近の苛立ちの原因は、ママ友仲間の中心人物麻由による理不尽な嫌がらせ。コミュニティ唯一の独身女性時恵や旧友志穂を心の支えとしつつも、無関心な夫、育児疲れもあいまって、亜矢子は追い詰められ、幸せな日常から転落していく。その破滅の裏側には、思いも寄らない「悪意」が存在していた……。不世出のストーリーテラーが新境地を拓いた、傑作心理ミステリー!
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Posted by ブクログ
昼ドラのドロドロみたいな、とんでもない話だったけど、続きが気になって、一気に読めてしまう。
読んでいて重たい気持ちになってしまうけど、この著者さんの他の作品も、ぜひ読んでみたいと思わされた。
Posted by ブクログ
痛快無比のお話しでした。
読んでしばらくたってるんで、登場人物の名前とか忘れちゃってるんですが。
嫌ミスを好んで読んできたんですが、コレは凄かったっす。
ここまでやっちゃいますか、っていうくらいでした。
悪意の標的となるヒロインが、まぁ、そうなっても仕方ないよね、っていうくらいワキがあまあまで、鈍感で、世間知らずで、一応高学歴、バリキャリっていう設定なんですが、ママ友の世界では何の役にも立たない、むしろハンデになるっていうね。
このヒロインにね、むちゃくちゃ移入しちゃうんですよ。
十数年前の自分を見ているようで。もう、いたたまれない。
目を覆った指の隙間から覗き見してしまうようで。
以下、ネタバレです。
意に染まぬママ友つきあいの中の、唯一の理解者で協力者であるA、
クイーンだった女学校時代からの友人B、
ヒロインが属するママ友サークルのボスC(名前忘れた)。
最初、Cから有形無形の嫌がらせをされつつも、集団に属していないと
不安なヒロインはAの助力だけを頼りに、鬱屈した子育ての日々を送ります。
ときおり、旦那に子ども預けてBと外で会ったりするのが唯一の息抜き。
ところがAはヒロインが女学校時代に無意識に傷つけ、学校にいられなくした
元同級生で、AはCをつかってヒロインを徐々に追い詰めていくんです。
凄いのは、ヒロインの子どもにまで手をかけるところ。
子育てに行き詰るヒロインを助ける体で子どもを預かり、毒を盛っちゃう。
即効性のものでなく、子どもは徐々に弱っていくんですが、
追い詰められて余裕を無くしているヒロインにとって、子どもは二の次で、
結局、子どもは死んでしまう。
子どもが死んだのに、いっしょにいる意味ないね、と言われ
旦那にも去られてしまう。
とどめにAは自分の企てをヒロインに全部ぶちまけるんです。んでヒロインの
無防備さを「赤子の手をひねるようだったわ」と嘲るんですよ。
赤子であるヒロインの子どもを殺しておきながら。この悪意のすさまじさ。
けどAの復讐は、これで終わりではなかったんです。
しかも、Aさえも操る本当の悪意の主は別にいるんです。
強力リコメンドです。
Posted by ブクログ
導入までは割と穏やかに日常が描かれていて、入り込むのに時間がかかりますが、それが終わると一気に惹き込まれました。キャラが多いのがちょっと読みにくいですが、それ以外は割と読みやすい。井上剛さんは女の悪意とか、エゴ?とかそういうのを書くのが本当に上手。鯉沼さんが亜矢子だというのは割と早い段階から確信していて、香月が時恵だというのは中盤辺りくらいから気づき始めましたが、黒幕があの人だなんてのは思いも寄りませんでした。
Posted by ブクログ
読み始めたらよくあるママ友のいざこざかと思ったら章立てが交互に異なる物語りになっていてこれはラストに向けて何かあるなと予想。そして終盤は怒涛の展開で何ともそれまでの日常の話しから一転した深刻なものとなっていく。それにしても恵まれた環境で育ち頭も良く苦労なしのヒロインがなぜそんなママ友達と付き合いを続けるのか、実際はもっと早い段階で自分で防げたはずと思ってしまうけど。。。フィクションだからこのくらい現実離れした展開が必要だったかとも思える。実際に終盤は一気読みだったから。
Posted by ブクログ
大人と子供、女性グループ内のドロドロをメインに、いろんな立場の人間の心理を描いてあり、誰に感情移入するかで読後の気持ちも変わってきそう。とりあえず我が家の女性陣に薦めてみよう。もっと話題になっていい作品だから、出版社なり書店なり売り出し方がんばって!
Posted by ブクログ
元キャリアウーマンの亜矢子は、ママ友コミュニティで理不尽な嫌がらせを受けている。初めての育児、夫の無関心と追いつめられていく。
途中から「悪意」も読めるけど、それでもママ友コミュニティの様子が面白く、一気に読んだ。
Posted by ブクログ
よくあるママ友の人間関係の話と思ったら、
一人一人の悪意をここまで、絞り出すかと。
それにしても、悪意ってとめどなく、凄い。
凄惨ではないだけに余計に怖いです。
Posted by ブクログ
書店でプッシュしていたので、つい手に取り購入。そして一気読み。帯や背表紙の紹介文により、なんとなく展開が読めるのだけれども、「悪意」の描き方はうまいと思った。
Posted by ブクログ
読み進めるうちになんとなくネタバレ感はあったけど、長い年月をかけての復讐劇の後ろにはそれを煽る悪意が存在していた事にやっぱりなと思いながらも嫉妬心やエゴの持つエネルギーの凄さに怖くなった。なんか主人公の亜矢子に同情してしまった。人より優れているというだけなのに。って言っても私が志穂の立場なら同じ事したかも…
Posted by ブクログ
【2024年196冊目】
子どもはいらない、そう夫婦で同意して結婚を決めた亜矢子だったが、結局は結婚後妊娠してしまい、今は仕事を辞めて専業主婦として過ごしている。そんな亜矢子を悩ませているのは近所のママ友である麻由を筆頭にしたママ友の集いだった。亜矢子の発言ですぐに気を悪くする麻由に辟易しつつも、仲間の一人である時恵が何かと気をかけてくれることで、亜矢子はなんとか均衡を保とうとしていたが…。
面白かったのですが途中で結末が読めてしまったのが残念でした。だよね、だと思っていたんですよというのが素直な感想です。いわゆるゆでガエル理論のようなお話でした。気づきたくなかったなぁ、気づかなかったら真相を知った時もっとぞくりとできたと思うのですが。
恨みは直接買うとは限らない、というのが一番怖い事実かもしれません。
Posted by ブクログ
うーん。 予想はついたのに わざと関西弁にして逃げたおかげで余計にすごいどんでん返しを期待さしてそれですか、って感じになっちゃったかな。 主人公にいまいちのめりこめなかったのも要因の一つか、残り3/1でやっと次々読む気になれたかな。
Posted by ブクログ
ママ友のコミュニティと誰かの日記の回想が交互に書かれていて最初の方は「誰の日記なのかな?」って思いながら読んでいたんだけど後半にかけての畳み掛けが凄い!!
前半ソコソコ、後半夢中で読んでた(笑)
てかさ、ママ友って必要?
我慢してストレス溜めてまで必要?
幸いガチガチのママ友コミュニティを経験してないし、必要ともしてなかったから主人公の気持ちは理解出来なかった。
幼い子供は母親の意思が強く働くからママ同士が上手くいってないと子供がいじめられるって話はあるみたいだけどね。。
だから我慢してママ友と付き合うってのは分からなくはないけど、、、
やっぱり分からないな。
女独特のイイ顔して裏では悪口言ってるってあるよね〜。
「私達親友だよ‼︎」って言っといて裏切る奴いるよね〜。
女の妬みや嫉みは深いからね〜。
Posted by ブクログ
キャリアウーマンとして働いていた亜矢子は、妊娠を機に不本意ながらも家庭に入る。そこで付き合うことになったのは、毎日低レベルな会話を飽きもせずに続けるママ友達。他のママ友とは少し違い、なぜか独身でありながら輪の中にいる時恵になんとか諫めてもらいながらママ友達との付き合いを続ける亜矢子だったが、ストレスはどんどん積み重なっていく。
亜矢子目線と、どうやら亜矢子が卒業したのと同じ学校で学生生活を送っている謎の人物の目線で交互に話は進んでいく。学生時代から容姿端麗で勉強もトップの人間が与えられる“クイーン”として君臨していた亜矢子は、成人してからも相変わらずの自信とプライドでママ友達と対峙するが、それがことごとく裏目に出る。確かにこの主人公、間違ったことをやっているとは思わないのに、残念ながら味方してあげたくなるような気持ちにならない。自分は誰かに羨ましがられることはあっても、疎まれることがあるとは考えもしないで生きてきたんだろうなぁ。全部を読むと、少なくとも3人から悪意を向けられていることがわかり、あぁ、やっぱり女って怖いと思い知る。
Posted by ブクログ
後味悪すぎる…主人公がなぜママ友コミュニティに固執するのか分からない。感情移入できなかった。主人公にはキャリアもあり戻る場所もある。経済的に自立してるんだから離婚もさほどハードルの高いものでもないはず。なのに低レベルなママ友コミュニティにからめとられる。でも、社会から隔絶されると小さなコミュニティが世界の全てになってしまいがちなのも分からなくはない。育児ノイローゼ気味で夫婦間もギクシャクして…の色んな悪条件が重なったから正常な判断ができなくなっていたのかも?
Posted by ブクログ
伏線も犯人も予想は容易でミステリーとしてのパンチは弱いが、女同士の怖くてイヤな部分は濃いめ。子のためとはいえ、そんなストレスになるママ友会行き続けるかね…。
犯人の始めからの狙いといい、そのジワジワ苦しめていくやり方といい、そこまでやる恨みの深さに戦慄。その一方でこんな絵に書いたような転落が叶ったら天晴れ、ある種の達成感のような妙な満足も感じてしまって後ろめたい。その復讐の元とも云うべき情報に何の正確性もなかったことが一番後味が悪くイヤミス特有の空しさが募った。
天辺でも底辺でもない程々が生きやすいや。
Posted by ブクログ
日常に隠れている悪意の数々。2つのストーリーが関連しながら進んで行きます。
一つ目は上品な家庭で赤ちゃんを育てながらも不満や孤独に悩む主婦の話。
二つ目は何やらお嬢様校の女子高生のいじめや家庭の話を日記形式で書かれています。
ラスト付近では驚きの連続ですが、登場人物がそれぞれすごく自分勝手な考えを持っていて、うんざりする部分も多かった。
ちょっと頭悪いんじゃないか?とかそれはおかしい、ということがたくさんあって、防げる不幸はあったと思う。
でもそれは小説だし、逆に教訓なんだな、と。
共感できない
読み始めからぐいぐい引き込まれ前半は面白く読み進めることが出来ました。ただ女性の嫌なブラックな内面を描いてあるにしては全く共感出来ませんでした。もやもやとした不快感しか残りませんでした。