あらすじ
天正八年初冬。遠州武田方の高天神城では、徐々に包囲を狭めつつある徳川方を狙う野伏りが跋扈していた。頭領は、家康が濡衣を着せて殺害した嫡子信康に似ているという。一方、近くの沢木村では、多くの百姓が神隠しに遭っていた……。長篇戦国巨編!
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Posted by ブクログ
この作品は、短い周期で、語り手が入れ替わり、いろんな立場から、同じ場面が語られるのだけれど、それで、尚更、謎が深まる、ような、焦れったい感じで、話が進むのだけれど、謎が解け始めたとたんに、いきなり、目まぐるしい勢いで、話が展開して行く。なんか、凄い作品だった。
Posted by ブクログ
全1巻。
伝奇もの。
家康が嫡男の信康を切腹させた事件の真相と、
それを巡って絡み合った忍者の戦いな感じ。
2作目でこの著者の文章に慣れたのもあるかもだけど、
デビュー作で賞取った前作「義元謀殺」より面白かった。
群像劇な感じは相変わらずだけど、
キャラ造形が良くなったのか前より感情移入できた。
ワクワクな展開で結構読ませる。
ただ、設定としてはどっかで読んだことあったり、
伏線活かしきれてなかったり、
謎とか理由がそんなたいしたこと無かったり、
サスペンスとか推理とか
トリックな感じを売りにする割には
やっぱりちょっと弱い。
そこを味にしてるっぽいだけに残念。
前作の気になった部分がそのまんま引き継がれた感じ。
ちなみに、巻末に著者の著作が年号と備考つきで載ってて、
前作と今作以降、ハードカバー出版してもらってない。
文庫のみの書き下ろし作家になってる。
やっぱシビアな世界だなあと勝手に想像した。