【感想・ネタバレ】信念に生きる ― ネルソン・マンデラの行動哲学のレビュー

あらすじ

『結果を出すリーダーはみな非情である』著者
冨山和彦氏 推薦!
「〈情理と合理の矛盾〉に折り合いをつける
マンデラに現代リーダーの理想像を見た。」
何に人生を賭すか――。
大統領就任の歴史的瞬間に立ち会い、人生と勇気について語り合い、
寝食を共にした2年間。書き綴った12万語の日記から生まれた、
タイム誌編集長によるマンデラ珠玉の人生論。
マンデラ15の行動哲学
勇敢に見える行動をとれ
常に冷静沈着であれ
先陣を切れ
背後から指揮をとれ
役になりきれ
原理原則と戦術を区別せよ
相手の良い面を見出せ
己の敵を知れ
敵から目を離すな
しかるべきときにしかるべく「ノー」と言え
長期的な視野を持て
愛ですべてを包め
「負けて勝つ」勇気を持て
すべての角度からものを見よ
自分だけの畑を耕せ

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Posted by ブクログ

ネタバレ

グロービス経営大学院の企業家リーダーシップの授業の課題図書のうちの一冊。
ネルソン・マンデラという人のプリンシプルを知ることができた。
ささったフレーズ集↓
<勇敢に見える行動をとれ>
・勇気とは、恐れを知らないということではなく、抱いた恐れを克服していく意思を持つことだ。
<背後から指揮をとる>
・学びながら、権限を委譲しながら徐々に味方をつけていく。助けを求められると人間は自分が尊重されていると嬉しく感じるもの。お返しに、尊重してくれた相手への忠誠心が増していく。
・王たるものは、相談役の意見を聞き、コミュニティのメンバーの意見を十分に聞いた後で、ようやく自分の意見を口にする
・人を説得して、あたかもそれはその人自身の考えであったかのように思わせるのが一番賢いやり方
・集団的リーダーシップの意義:個人の知恵<集団の知恵、合意形成を得た結論には尊さがある
<己の敵を知れ>
・敵の心をつかんだと得意になってはいけない。自分が勝っているときこそ、最大の慈悲の心をもって相手に接しなくてはいけない。いかなる状況においても相手を侮辱してはならず、相手の誇りを大切にしなさい。
<敵から目を離すな>
・予期せぬ攻撃に対して、絶対確実な策はない。しかし敵を常に自分の視野に取り込んでおくことで、見張られている状態にある敵に考えを改める余地を与えることができる。少なくとも不意打ちをくらうことはない。
<長期的な視野を持て>
・忍耐強く慎重でありながら、急進的で大胆に行動することは両立可能
・物事が進んでいくスピード<物事がどこに向かっているのかという方向性が大切
・歴史こそが壮大な力をもたらし、優れたリーダーを形成する。時代の要求があって、その要求にこたえるべく、人が尽力し、本物のリーダーになっていく
<マンデラからの贈り物>
厳しい決断を下すことと原則を守り抜くことは両立できる。あるげき姿にふさわしい方法でその目標を目指せ。

感化するリーダーであったマンデラ。
自分自身が「感化する」力が備わっていないと感じているので特に「背後からとるリーダーシップ」が学びになった。

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2017年02月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ネルソンマンデラの行動哲学をしるした名著。
人間らしいネルソンマンデラのリーダーシップを学ぶことができる良著。
<メモ>
・勇敢に見える行動をする-勇敢に物事に立ち向かってみることで、真の勇気を見出すことがある。そして、その行動こそが勇気の証となる。
・冷静さを欠くという事は、物事に対するコントロールを失う事。すなわち事態収束から遠のいてしまうことを意味する。
・リーダーには一人で意思決定し、行動しなければならないことがある。行動した後に、組織に対しての説明責任を果たすべきときがある。その結果、組織と対峙しなければならないときに問うべき問いは、リーダーのとった行動が真に活動のためだったかどうか。
「先陣を切るリーダーシップ」とは説明責任を伴うことを意味する。
・牛の群れををある一定方向に向かわせたいとき、まず小枝をもって後ろに立ち、頭のいい牛を数匹選んで群れの先頭につかせて、行きたい方向に誘導させる。すると群れ全体が同じ方向に動き出す。あとの牛たちは自然と前の元気な牛の後をついていく。実際のところ群れを誘導しているのは一番後ろにいる自分となる。これこそがリーダーの仕事。リーダーの要旨はあるゴールに向かって人を動かすこと。具体的には人々の考え方や行動の方向性を変えること。
その方法は必ずしも先頭にたって叫ぶだけではない。他人々に権限を持たせるあるいは自ら背後に立ち、前にいる人々が一歩を踏み出せるように背中を押す方法もある。つまり、フォロワーに対して権限を与え行動を促すことでリーダーの考えや方向性をフォロワー自らに理解してもらうという方法だ。
・人を説得して、あたかもそれはその人自身の考えだったかのように思わせることが一番賢いやり方
・集団的リーダーシップには二つの意義がある。一つは個人の知恵より集団の知恵が勝ること。もう一つはメンバー全員の合意形成のプロセスを経た結論には尊さがあること。
・現実とは物事がなんであるかよりも、どのように見えているか。
・マンデラが敵を知るというとき、それは単に戦術について語っているのではなく、敵でさえもどこか共感できる部分があること。敵の心を掴んだと得意になってはいけない。自分が勝っているときこそ、最大の慈悲の心を持って相手に接しなくてはならない。いかなる状況においても相手を侮辱してはならない。相手誇りを大切にしなさい。そうすればやがて敵はあなたの友となる。

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2015年08月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

マンデラがどのような人物だったか。どのような思いで行動をしたのか。マンデラの行動を15章に分けてまとめた本。ここに描かれたのは、非常に忍耐強く、長期的な視野を持った人物であり、優れたリーダーであろうと示した人物だった。マンデラのようなリーダーになる事は難しいが、これらは優れたリーダーへ近づくための重要な示唆になると感じた。

特に牛の群れの話は興味深い。チームのリーダーとは違う。

<メモ>
〇勇敢に見える行動をとれ
・勇敢とは恐れを知らないのではなく、恐れを克服する意識を持つこと
・勇敢なふりをすること
・息子の死に直面しても悲嘆にくれず、他の受刑者同様採掘場に現われた。行動で勇敢さを示す
・勇敢に示すため、主導権を握るため。何度もどう振る舞うかを描いた
・マンデラが贈る賛辞「よく成し遂げた」は不安を抱えながらも確固たる自己を失わないことへの賞賛
〇常に冷静沈着であれ
「何事もよく考えなくてはならない。そして即座に反応しなくてはならない」
「急いではならない。物事を深く考えて分析しなさい。行動するのは、そのあとだ」
〇先陣を切れ
マンデラが歩くだけで他の受刑者の気持ちを高揚させた。それこそがマンデラの真骨頂だ。歩き方一つでリーダーシップを発揮した
・マンデラは無罪を主張する事も出来た。だが、理想社会を求める発言をおこなった。自分の最後の言葉を覚悟した。
・説明責任を伴う。意思決定に対して結果責任をもつ
・自分たちが望む結果でないとしても、避けられないものならば先延ばしにすべきではない
・過ちは認める
〇背後から指揮を取れ
・自分たちがマンデラの意思決定に関わってる当事者意識を持たせる
・個人の知恵より集団の知恵が勝る
〇役になりきれ
・外見が人を物語る
・印象操作
・映像の持続性
・笑顔が持つ力
・舞台裏の自分を見せない。人は本当の気持ちをすべて出すべきでない
〇原理原則と戦術を区別せよ
・現実主義者
・戦略をもちながらも表に出さない
・状況が変わればとるべき戦略、思考も変わる。それは信念のブレではなく現実主義的思考だ
〇相手の良い面を見出せ
・この世に完全な人間はいない
・自分の利益だけを考える人間もいる
・リーダーには守るべき道徳がある
・感情のリスク。だが人の誠実さは誠実な人間にこそ引き出せる
〇己の敵を知れ
・相手の言葉、文化、歴史を知る
・相手の言語を丁寧にしゃべることで敬意を示す
〇敵から目を離すな
・想定できる物事に対してすら十分な準備をしているというのか
〇しかるべきときにしかるべく「ノー」といえ
・耳当たりの良い適当な答えをしない
・選択。いつ行動するか、ノーというか、前進するか
〇長期的な視野を持て
・歴史は短期間で変えることはできない
・進むスピードよりも方向が大切
・すべての物事は人間の血と汗のにじむ努力から成し遂げられたものであり、軌跡や神業ではない
・短期的な視点と長期的な視点が同じ方向を目指しているかに心を砕く
・特定の出来事で評価するのではなく、人生の中で何を成し遂げてきたかで評価する
〇愛ですべてを包め
〇「負けて勝つ」勇気を持て
・進むべき道筋を示すことで船を操縦する事ではない
〇すべての角度から物を見よ
・人間は複雑な生き物で行動の裏には無数の動機と理由がある
〇自分だけの畑を耕せ
〇その他
・人間は他の人々の存在を通して人となる
・信頼されるリーダーとは公的な場でも私的な場でも一貫性のある人物
・マンデラの偉大さは自らの欠点を克服したことにある
・あるべき姿にふさわしい方法でその目標を目指せ

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2013年01月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

チェック項目9箇所。「成熟する」とは、若いときにむき出しにしていた感情を胸の内に秘める術を得ることだ、「成熟する」とは、決して、不公平や不正に対する怒りや反発を感じなくなってしまうことではない、何をすっべきで、どのように行うべきかを知っていることだけが、「成熟している」ということではない、一時の感情を抑え、様々な思考を冷静に判断し、物事をありのままに見ることができる、これこそが、「成熟している」ということなのだ。勇気とは、恐れを知らないということではない、抱いた恐れを克服していく意志を持つ、これが勇気なのだ。日々続く困難な状況下において、恐怖心に負けることなく不安に苛まれながらも確固たる自己を失わない
、そのような勇敢さこそ、私たちが行動で示していくべき勇敢さであり、私たちにはそれができるのだ。マンダラにとって、「先陣を切るリーダーシップ」とは、説明責任を伴うことを意味する。「人間の邪悪な面だけを見てはいけない。この世には、完全な悪人も完全な善人も存在しない。」。「敵の心を掴んだ、
と得意になってはいけない。自分が勝っているときこそ、最大の慈悲の心を持って相手に接しなくてはならない。いかなる状況においても、相手を侮辱してはならない。相手の誇りを大切にしなさい。そうすれば、敵はやがてあなたの友となるのだから。」。起こりそうもないことに対する準備よりも、起こりうる確率が高いものに対して十分な準備をする必要があるのだ、例えば、見えている敵に対する準備がその一つだ。「決断力がある人物」というのは、意思決定のスピードが速い人という意味ではない、
なぜなら、本当の意味の決断力とは、十分な時間をかけて幅広い角度から分析し、ひつようとあらば自分の温めていた考えを曲げてでも、最善の判断をする力を指すものだからだ。過去の優れたリーダーたちは、時代の要求によって、リーダーになっていったのである、つまり、時代の要求があってこそ、リーダーにが育まれる、その時代の要求に応えるべく、彼ら自身が尽力し、本物のリーダーになっていくのだ、決して、リーダーが歴史を創るのではないのである。

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2012年12月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

マンデラの行動(哲学)を通して、リーダーシップを紹介する著書です。

国や歴史を変えた人物と自分のような企業の中間管理職では、背景や思い、リーダーシップの範囲・影響力が大きく異なり、シンクラナイズさせることが難しい場面もありましたが、気づきも多くありました。

以下に、印象に残っている部分を紹介します。

・アフリカのウブントゥの概念
 →私たちは他者を通してのみ人間として存在する
・清濁併せ呑む力を持つ、多面的な人物
・いつでも冷静沈着
・フォロワーに対して、権限を与え行動を促すことで、リーダーの考えや方向性をフォロワー自らに理解してもらう
・原理原則と戦術を区別せよ
・人は「良い人間だ」と信じて期待をかければかけるほど、本当に良い人間になっていく。
 →相手の良い面を見出す、
 →敵でさえも共感できる部分がある
・自分が問題に向き合いたくないがために、意思決定を先延ばしにすることはやめる
・人々の内面に隠された蜘蛛の巣のように複雑に絡まる動機を理解する
・あなたが求めているものに、あなた自身がなりなさい

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2013年02月24日

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