あらすじ
2003年3月、突然、肺ガンを宣告された吉田拓郎。告知から摘出手術。その後、彼は念願のフルオーケストラを率いた全国ツアーを大成功させた。奇跡の復活の完全ドキュメント!
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Posted by ブクログ
2003年5月28日から7月13日までの間、全国8ケ所で吉田拓郎は11回のコンサートツアーを行う予定であった。ツアーを控え身体のチェックを行う中で、肺にガンが見つかる。4月5日にガンであるとの診断をうけ、4月9日にガンの手術を行った。幸いなことに、ガンは超早期の発見であり、肺の患部の切除箇所もすごく大きいという訳ではなかった。が、それでも、歌手にとっての肺は喉と同じく致命的に重要な場所だ。肺の機能が十分でないと、歌っている間に息が切れてしまい、歌にならない。
予定されていたコンサートツアーは、いったんキャンセルとなったが、手術から約1ケ月後の5月6日に、新しいスケジュールが発表になった。同じく、全国8ケ所で11回のコンサートを行う。皮切りは10月19日の東京国際フォーラムでと発表された。手術後、吉田拓郎は肺の機能を回復させるための運動トレーニングを始めていたが、実際には歌える状態ではなかった。
その後、吉田拓郎は、念願のフルオーケストラを率いた全国ツアーを大成功させる。何とか肺のリハビリが間に合ったのだ。本書は、その復活の軌跡を描いたノンフィクション。密着取材と吉田拓郎へのインタビューによって、迫力のあるノンフィクションになっている。特にツアーが始まって以降の拓郎の姿や、コンサートの様子の描写は感動的だった。
私が吉田拓郎を最も聞いていたのは、中学校・高校時代。最近また吉田拓郎をよく聞くようになったが、聞くアルバムは、この2003年頃のものではなく、中学校・高校の頃によく聞いていたもの。「その後の吉田拓郎」は、あまり聞かなかった。また、吉田拓郎がガンの手術をしたことは知っていたが、それに関連してこのようなドラマがあったことはほとんど何も知らなかった。
中学・高校時代以降のものを含めて、もう一度、吉田拓郎を聴き直してみようと思わせる本だった。