あらすじ
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は、長年にわたり「政府の保護による衰退」を続けてきた日本の農業を覚醒させるきっかけとなった。「本書の執筆動機はきわめてシンプルです。経済学の考え方を使って、『農家の経営』ひいては『日本の農業』の今を正しく分析し、もっと“よくする”ための新たな議論を提起することです」(「まえがき」より)。しかし、既得権益にまみれる農林水産省の政策は、それとは反対に「どのようにして農家を“弱くする”か」に力を注いできたのだ。本書は気鋭のエコノミストと農業の最前線で取材するジャーナリストが、農業をめぐるタブーをことごとく論破する一冊。TPP危機説や「日本は土地がないから農業に適さない」「高齢化は深刻な問題」という説は全部ウソだということが、この本を読めば十分に理解できるはずだ。東日本の農家が放射能と風評被害に苦しむ今こそ、私たちが真正面から「産業としての農業」を考える時である。
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Posted by ブクログ
私自身、農家の孫でありながら、農業について知っていることが少なすぎた。そう実感させられた一冊でした。
例えば、稲作が意外と手のかからないということ。
「ハウス栽培のように一年中作物を生産できる農家と違い、コメづくりに要する労働時間は10アールで年間15〜20時間程度。」(p.31)
うちのじいちゃん、もっと働いてたように思えたのですが、そうでも無かったのか〜。
そんなに田んぼ大きくないはずなのに…。
他にも色々と発見はあったのですが、読んでて思ったことは、知らないこと、世間一般に知られていないことが多いのではないか?ということです。
農業には誤解があり過ぎる。
それは農林水産省や農協によるものが多い。
そんな印象を持ちました。
もっともっと、著者たちには、農業を明るみに出す活動をして欲しいです。
Posted by ブクログ
「農業」と「製造業」は似ている。聖域とされていることが農業の実態を消費者にわかりづらくさせられている-というのが主な趣旨。農業をビジネスとして考えろ、という本をここ半年ほどたくさん読んだけれど、分析の手法や視点の持ち方は一番納得がいった。