【感想・ネタバレ】風来忍法帖 山田風太郎ベストコレクションのレビュー

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ネタバレ

読んだのは富士見書房版だがこちらで登録。主人公の香具師達が好き勝手に戦場を駆ける前半から一転して、何故か忍者修行をする羽目になってからの忍城での麻也姫護衛の死闘となる後半と様相を変える本作。おちゃらけながらもやるときはやるという香具師達の生き様・死に様が熱い。

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2020年03月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

のぼう様のいない『のぼうの城』です。

金のあるところ上方も北条も関係なく、香具師稼業のかたわらいい女を見つけるとさらって犯して売り飛ばし、その金で博奕に明け暮れる7人のならず者。
そろいもそろって人間のクズ。

豊臣軍に包囲され、情勢の不利を悟った北条方の武将が城からそっと逃がした妻子を、かどわかし売り飛ばしたことを、太田道灌の子孫・麻也姫に咎められ、顔を踏みつけにされたことを恨み、彼女を辱めることを誓い、動向を探る7人。
麻也姫が忍城城主の成田左馬助と結婚することを知り、何とか忍城に潜り込もうとする。

麻也姫には風魔組の中でも優れた忍法使いの3人が護衛についているが、風魔組を取りまとめている風魔小太郎は、なぜか悪源太助平をはじめとする香具師の7人に忍びの資質を感じ取り、忍術修行を施すのだった。

水面下での豊臣と北条の駆け引きの結果、ろくな忍術修行もしないうちに彼らは忍城に派遣されるのだが、いろいろあれこれあって風魔組の女忍者7人を味方に、麻也姫の護衛をしていた3人と死闘を繰り広げることになる。

当初は本当にろくでもない7人の男たちに不快感を禁じ得なかったのだけど、悪源太が麻也姫への復讐を口にするたびに、麻也姫への思いが伝わってきて、他の6人はもう今さら麻也姫の件はどうでもいいのに悪源太に付き合ってやる人の良さもあったりして、勝ち目のない戦いに挑む彼らから目が離せなくなってしまう。

麻也姫も、最初は吉田麻也の顔が浮かぶたびに読書の集中が切れて困ったが、読み進めると天真爛漫で気丈な姫が榮倉奈々の顔になったのには我ながら苦笑。

歴史を振り返っても実力的にも7人に勝ち目はないのだけれど、それはわかっていても、結末に胸は熱くなる。

しかし、まさか解説で新井素子の文章が使われるとは。
確かに風閂のシーン、ありましたな。

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2018年08月24日

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