あらすじ
数学は論理的な学問である、と私たちは感じている。然るに、岡潔は、大切なのは情緒であると言う。人の中心は情緒だから、それを健全に育てなければ数学もわからないのだ、と。さらに、情操を深めるために、人の成熟は遅ければ遅いほどよい、とも。幼児からの受験勉強、学級崩壊など昨今の教育問題にも本質的に応える普遍性。大数学者の人間論。
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Posted by ブクログ
数学者岡潔のエッセイ。
子どもを育てるものとして参考になることがたくさん書いてあった。
1901年生まれなのでかなり昔の方なのだけど、教育にとって大事なのは情緒的な感情や心の成長だと終始書かれていて、今まさに非認知能力が注目されているのを見ると間違っていないなと思う。
そしてこの方、数学者でありながら芸術的なもの、文学や絵画、音楽なども楽しむ心を持っており、目的に通じるわかりやすい何か一つを突き詰めるだけでは物事への理解を深めるには限界があって、いろんなことを楽しむ心を育てることでそれが深まっていくということがよくわかった。
わたしも兼ねてから、人生のいわゆる成功(学歴や職種)に直接関係のない芸術やら何やら好きなものを深めることで人生を豊かにする一助になると思っていて無駄はないはず!といろんなことをやっていたので、この方の人生や考え方を通してそれは間違っていなさそうだと確信できた。
今子どもにできていることできていないことたくさんあるけど
・学校の成績のようなわかりやすいゴールだけを目的に勉強を詰め込ませない
・たくさん遊ばせる(特に自然に触れて綺麗なものをたくさん見せる)
・興味のあるものをどんどんやらせる
・否定しない
・裏切らない
・一つだけ教えてあとはそっとしとく
これは守っていきたいな。