あらすじ
その瞬間、少女の中の「魔女」が目を覚ます――。『本屋の森のあかり』の磯谷友紀が新境地を拓いたオムニバス集! 高校の文化祭に向けて準備が進む演劇部の舞台、「魔女リリト」。脚本担当の明日実(あすみ)は、ふとした瞬間、自分の中に眠っていた「魔女」の存在に気づく――。大人になる直前、不安定に交錯する恋と揺れ動く心模様を鮮やかに、そして残酷に描き出すオムニバス・ストーリー。
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青春は自分の気持ちを探る時間
高校生活を謳歌している男女の恋心をギリシャ神話のリリド、アダム、イブ、パンドラなどになぞらえながら、文化祭の演劇部の演目として展開していくのが面白い。
バード部の野鳥観察会でイユンクスという珍しい鳥を絡め、魔術が本当に備わったかのように心を動かしていくのも神秘的。
自分でも分からない心が、人と関わることで自覚しながら少しずつ大人になっていくそれぞれの登場人物たち。
とても落ち着いた学園もので、青春の痛みを感じる秀逸な作品です。
登場人物の名前に「実」を入れてアダムとイブが食べた林檎の果実を思わせるところや、ギリシャ神話の三美神を表す重要な数字の「三」が入った名前や万葉集から取った名前、三を持つ子や慧の名前の子が皆を繋ぐ役割を持ち、細部のこだわりが感じられる。
Posted by ブクログ
高校生の恋愛関係を描いたオムニバス集。
それぞれのお話が少しずつ繋がっていって、一つの大きなお話になっていく様がすごくいい。
全体的に柔らかい雰囲気の中でお話が進んでいくので
そういう雰囲気が好きな方はいいんじゃないかなあ。
個人的には本当に大好きです。
Posted by ブクログ
なんだかほろ苦い恋愛オムニバス集だった。毎話各キャラクターの視点が入れ替わっていってそれがどこかで少しずつ繋がっているのが面白い。どの登場人物も恋愛に対してアクティブなのが個人的に好感持てますね。モジモジしていないというか。
一冊読み終わったところでもう一度初めから読み直してみたい。
Posted by ブクログ
甘くなく、下手すれば少女漫画らしさはないからこそ良いと思える作品。オムニバス形式で進んでゆく物語ですが、どの話も成就がメインじゃないから好き。
登場人物同士につながりがある、恋愛にまつわる短編集。恋愛ものですが、甘さを前面に押し出している訳ではなく、人間そのものを描いている感じが好きです。
Posted by ブクログ
変に観念的でなくて読みやすいと感じた。
魔女っていうのは魔性の女の略なのだろうと。といっても字面ほどたいそうなものではなく、移ろいがちな心もようの女の子たちのお話だけど。
Posted by ブクログ
女の子達それぞれの恋愛事情。
好きなのに別れたり、好きだけど言えなかったり。
好きだから傍に居たくて、好きなんだと自覚して。
さらっと読める割にちょっぴりダーク。神話のキャラになぞらえての配役は面白いと思います。