【感想・ネタバレ】生命誌とは何かのレビュー

あらすじ

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私とはなにか、私たちはどこからきてどこへ行くのか――。この根源的な問いにたいし、分析と還元を旗印とする科学、とりわけ「生命科学」は、有効に答えてきただろうか。「生命誌」は、科学によって得られる知識を大切にしながら、生き物すべての歴史と関係を知り、生命の歴史物語を読み取る作業である。博物学や進化論、DNA、ゲノム、クローン技術など、人類の「生命への関心」を歴史的に整理し、科学を文化としてとらえる。(講談社学術文庫)

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Posted by ブクログ

「アリとフクロウとサクラを一列に並べてどちらが進歩しているか、優れているかと順位をつけようとしても無理です。それぞれに特徴がある『多様さ』こそ生きものの神髄です。」(30-31頁)

著者が発したこの言葉をネットで見かけて、興味を持った為、本書を手に取りました。

科学的視点から生き物全ての関係と歴史を読み取ることを「生命誌」と呼び、その内容を説明しています。生物について、このレベルでしっかり勉強するのは高校の授業以来(しかも、その時は真面目に聞いていなかった)ので、とても興味深かったです。

•多様だが共通、共通だが多様
•安定だが変化し、変化するが安定
•巧妙、精密だが遊びがある
•偶然が必然となり、必然の中に偶然がある
•合理的だがムダがある
•精巧なプランが積み上げ方式でつくられる
•正常と異常に明確な境はない

一見、禅問答の様にも見える、これらの生物の特徴は、そのまま、組織づくりや人生の指針に使えそうな程、奥深いです。生命の構造や歴史を知ることは、単に実用的な技術の発展に貢献することのみならず、価値観の形成に大きく役立つのだと知り、目が覚める思いでした。

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2024年05月11日

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