あらすじ
「考えるとは曖昧な事実を掘り下げて具体的な対応策をつくりだすことである」「考えるとはあらゆる角度から多数の解決策を発想することである」「物の見方は権威や伝統というフィルターに遮られている」「優秀な者ほど自分の意見が正しいと思いがちである」「予想外の事態に備えるためには二重三重の手を打つことである」「物事には予兆がある。だから氷山の一角から全体像が読める」――。キャリア豊富な国際派弁護士が現場で鍛え上げた「物の考え方」を、七つのコンセプトに集約して説き明かす。本書ではとくに、「法的思考」(リーガル・マインド)の類ではなく、ビジネスや私生活に直結する「考え方の基本」を取り扱う。法律解釈だけの弁護士は非力である。経験に裏打ちされた思考だけが実生活の役に立つ。だから同じ弁護士でもベテランと若手とでは、考える力に将棋のアマとプロほどの差が出てくるのだ。
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Posted by ブクログ
弁護士になりたい人だけでなく、この社会に生きるすべての人が読み、これらの考え方を取り入れていくべきだと思う。「正しい事実を認識する」「予想外のことを予想内にする」「相手の考えを受け入れる」「全体を見渡す」などが挙げられる。中には当たり前だと思っていたことが、実はできていなかったなどと気づかされることも多くあり、とても多くの学びを得た。こういったことをできるようにしていけば、社会で感じるストレスを回避し、円滑に社会の中で活躍することができると思ったので、学生の今のうちからこれらのことを意識して生活していきたいと思う。
Posted by ブクログ
タイトルはアレだけれども
中身は本物。
SNSの時代だからこそ読んでおいて
損はない1冊でしょう。
物事を考えることの大事さを
説いた本です。
大事なのは自分の考えをきちんと持つとともに
広い視点で物事を捉えることです。
ほらほら、狭い視点でい続けると
本当に何も見えてこないのよ。
下手をするとそれを見落としたがために
致命的な事態になりかねないからね。
それと僻みっぽくなるのよね。
身近にいるでしょ?そういう人。
いろいろ応用の聞く本だと思います。
タイトル損だけどね。
Posted by ブクログ
もっと早く出会いたかった本。と言ってもその頃読んで共感出来ただろうか疑問でもある。40代になると共感出来る事が多くあった。何度も読み返してみたい。
Posted by ブクログ
われわれの人生は、われわれの思考によってつくり出される。われわれの思考が現在をもたらし、未来を決める。
哲学者パスカルの言うように、人間の尊厳のいっさいは、考えることの中にある。
われわれは、自分では考えているつもりだが、実は目の前の出来事にとらわれたり、ただバタバタと一日を過ごしている。
目の前の些事を過大視し、将来の大事を軽視して、誤った処理をする。
重視すべきことを軽視し、軽視すべきことを重視するのが人の習い性である。
企業の役員は一般的に行動することは好きである。だが、行動しないことの大切さには目が行かない。
欧米系企業は、複数の選択肢を提案するよう要求してくる。
経営者自身、『ビジネスに正解はなく、選択肢があるだけ』と知っている。
深刻な問題に直面したとき、複数のオプションがあれば心理的に楽になる。オプションがないと袋小路に追いつめられる。
2つでも、3つでも選択肢があれば、余裕が出てくる。弁護士の役目は、オプションを提示し、効果を予測し、比較検討する
判断材料を提示することにある。オプションが多ければ多いほど、ビジネス交渉では強い立場に立つことができる。
二分法は人間の本性に強烈に訴えるので、俗受けがし易い。大衆にアピールし易いため、あらゆる世界において、あらゆる人間が
陥る病理現象。ヒトラーは『言葉の魔力』を駆使し、一兵卒から独裁者に駆け上がった。複雑な現実を単純化し二分法で示す。
中間も検討する。やるやらないだけではなく内容も検討する。
目標やスローガンは一種の精神論にすぎない。それを具体化する手順論を伴わないと、規格は必ず失敗するものである。
『目標』と『手順』は車の両輪のようなもので、どちらかが欠けても、そのつけは経営者自身に跳ね返ってくる。
人は困難に直面すると、他人を責めるか、自分を責めるか、運命を呪うかのいずれかである。圧倒的に多いのは人のせいにするタイプ。
しかし、他人を責めても問題の解決にはならない。世界は私のために存在しているのではないし、他人は私に奉仕するために存在して
いるのではない。他人と過去は変えられないものである。かといっって、自分を責めるのも生産的ではない。自分の失敗の原因を分析し
将来に生かすのは大切だが、実際には『ああすればよかった、こうすればよかった』と単なる後悔に終始しがちである。運命を呪えば
幸運はますます遠のいていく。大切なことは、他人を責めることでも、自分を責めることでもない。多数のオプションを発想することに
意識を集中することである。人間は深刻な問題に直面すると、感情的に反応するようにできている。周章狼狽していまい、有効な対策を
考える心の余裕もなくなる。だから漫然と悩むことをやめ、現状でとり得るオプションを考えることに精神を集中することが決定的に
大切である。問題をあれこれ蒸し返して悩むのではなく、ただ解決策を考えることのみに集中する。どんなに不快であっても、現実は
現実として受容する。つぎに『不快な現実を変えるためのオプションは何か』を考える習慣を身につけることである。
この考えに至るまで、実は私も大変苦労した。オプション発想に意識を集中すると、不安、悩み、怒りなどの消極的な感情は薄らいでいく。
オプションを考えるとは、受け身から能動への転換をするということである。『不満を言うな。オプションを考えよ』
これが、私が仕事から学んだ貴重なノウハウであり、心の持ち方である。
オプションを考える際に最も大切なのは、組織的、体系的に発想することである。
1.極端なオプションから現実的なオプションまで、網羅的に多くのオプションを考えだす。
2.常識も価値観も一度は捨てて、極端なオプションも発想する。(極論を考えないオプションは取るに足らない。)
3.自然に頭に浮かんだ対応策だけではなく、上下前後左右のあらゆる角度から考える。
問題を成功裏に対処するには、この手順を踏んだ上で、優先順位をつけ、対策を実行することが必要である。
大切なのは、たまたま思いついた、はじめの案に惚れ込まないことである。あらゆるオプションを考えると自分のできることと、できないことの
限界が明らかとなる。すなわち、現実的シナリオと非現実的シナリオを区別するためにも、オプションを網羅的に考えることが有効な手段である。
オプションを考えるとき決定打を狙ってはならない。奇手、妙手、鬼手を狙うのは邪道である。決定的なオプションは予想外のリスクがつきまとう。
日本では横並び意識が強いから、異端は嫌われる。権力者にとって、反対者は目障りである。多数派にとって、少数派は疎ましい。
会社のトップにとって、反対する役員は煙たい存在である。これらの例でもわかるように、われわれは、反対意見に学ぶことが下手である。
善し悪しの判断基準は、その人の性格、育ち、教育、家族環境その他もろもろの要素からなっており、また、不断に変化している。
自分の考えや好みさえも不断に変わるのである。他人はその考えを正しいと認めていないのに。それなのに、自分の考えが正しいと
どうして言えるのか。裁判では、原告、被告いずれも正しいと主張する。弁護士は、自分の意見に真っ向から反対するものに鍛えられる。
ちなみに、裁判所の判断も『正しい』ということではない。法制度として『正しいものとして取り扱う』ということにすぎない。
物事には必ずしも『唯一の正解』はない。言い換えれば、物事には多数の『正しい見解』がある。意見とはある問題に対する個人の考えを言う。
だから、事実と意見を峻別しない人には学問もビジネスも向かない。
優秀な法律家ほどマイナス情報、異質な情報を集め、凡庸な法律家ほどプラス情報を集めるものである。
世の中の多くは好みの問題に過ぎず、正しいか間違いかの問題ではない。酒やサウナを好きな人も居るし、嫌いな人も居る。正解はない。
とくに人間関係に絡む問題には正解はない。男女の分かれ方と同じで、対応の仕方は千差万別である。人それぞれのやり方がある。
正しいか否かではなく、事態にうまく適応できるか否かがポイントである。
他人が自分と反対の意見を抱くことを禁止することはできない。強制的に意見を変えさせることもできない。つまりは少数意見や反対意見と
共存していく他はない。過去と他人は支配できないものと相場は決まっている。とるに足らない反対意見であっても、何らかの形で共存
していくほかはない。じっと我慢し、聞く耳を持つ、そして、ときには自分の意見をも変える心構えを持つことが肝要である。
どんな相手であれ、われわれは紛争を通じて相手とコミュニケーションしているのである。
要求をぶつけるときには、相手がどう反応するかを見通すことが大切である。
感情は脇に置き、こちらの目的を達するために、最も有効で、時間と費用のかからない手段をとるべきである。
ありていにいえば、この世の紛争が理屈で決まることはほとんどない。『反対の理屈を持たない理屈は存在しない』(ピュロン)
最近は人間関係が希薄となり、損得が優先する。競争が重視され、他人を見下す『エリートもどき』が増えた。『エリートもどき』は
他人を自分の欲求を達成するための手段としてしか見ず、血の通った人間と見ることができない。つぎのような特徴がある。
1.自分が常に正しいと考える。
2.高慢で人を見下す。思いやりが皆無。
3.他人の批判には弱い。批判されると逆切れする。
4.批判は上手だが、提案は下手。
5.上司にへつらう。保身に巧みで、利害のために人を裏切る。
丹羽宇一郎の若き日
ある日課長に『君は一つ勘違いをしている。人間は自分で自分を評価するものではない。他人が君を評価するのだ。君自身がいくら自分は
よくやっていると自負しても、他人が、あいつはだめだといえばそれが君の評価だ。逆に自分ではだめだと思っても、他人が
よくやっていると言えば、それが君の評価になる』といわれ、とても大きな衝撃を受けました。051204朝日新聞
若いときには『私の考える自分』と『他人の目に映る自分』とのギャップに気がつかない。
共感力の有無
1.他人におよそ共感できないタイプ
物事を安易に確信するタイプや、他人の意見を頭から否定するタイプである。他人に対する共感性がほとんどないタイプ。
2.他人に共感できるが、自分の方が正しいと思うタイプ。
相手を一応は認めるが、相手の考えは間違っていると考える。利害打算を計算できるから、相手としては不感症より好ましい。
3.他人に共感でき、相手を理解しようとするタイプ
一歩踏み込んで相手の立場を理解しようとする。このタイプは、交渉や紛争をまとめ上げることが巧みである。
共感性がないと、他人を理解することも、他人の行動や反応を予測することもできない。エリートが社会になじめない例。
他人の立場に共感できる人が、長期的には物事をよく処理できる。自分のことにのみ関心があり他人のことに関心を持たない人も、
短期的には成功することもある。だが、遅かれ早かれ苦難の道を歩むことになる。
人を動かすことのできる人は、他人の気持ちになることができる人である。
社会心理学者の山岸俊男氏によれば、共感性には、『情緒的共感性』と『認知的共感性』の二種類がある。
ビジネスでは、すくなくとも他人の視点からものをみる認知的共感性を有することが必要である。
黒田官兵衛『部下を使うことは、夏に火鉢を抱くようなものだ』と息子の長政に語ったという。無駄とも思える堪忍が必要。
バタフライ効果、蝶の羽ばたきがいつかの竜巻を発生させる。日々のわれわれの行動も、一つ一つが積み重なり、思いがけない
大差となるだろう。日々の小さな行動が、やがて一生の大きな違いをもたらすだろう。
そうじて太刀にても手にても、いつくとゆふ事をきらふ。いつくは、しぬる手也。いつかざるは、いきる手也。能々心得べきもの也。
太刀の持ち方も固定してはならない。固定観念にとらわれず、臨機応変に状況に対応しないと勝てない。
目的は敵を切ることだけにあり、太刀の構えは、そのための手段に過ぎない。本来の目的を忘れて形式主義に堕落しない。
自然と対峙すると、互換は研ぎ澄まされるが、思考はゆったりとしたものになる。自分は小さな存在である。
日本陸軍は戦争を終結する具体的計画をもっていなかったという。連合艦隊司令長官山本五十六は『連合艦隊は一年ほど戦えるが、
それ以降は戦えるとは思わない』と語っていた。日本は勝利の見通しもなく戦争終結のシナリオももたず、太平洋戦争に突入した。
『何とかなるだろう』という根拠なき楽観は、われわれの体質にしみ込んでいる。状況に流され、遠くを見ることをしない日本的
思考の欠点を深く自覚することが、遠くを見る第一歩である。訴訟もビジネスも落としどころ(結果)を考えながらやる必要がある。
憂鬱な人に言いたいことはただ一つ。『遠くをご覧らなさい』憂鬱な人は殆どみんな、読み過ぎなのだ。人間の目はこんな近距離を
長く見られるようにはできていないのだ。広々とした空間に目を向けてこそ人間の目は安らぐのである。
将来を洞察するためには、研ぎ澄まされた五感が必要である。多数意見とか常識とかはまったくあてにならない。
経営と運転は同じ遠くを見る心構えが必要。また、高所から自分を含む全体を見通す必要がある。
ときには人のこだわりにつき合ってみるのも、自分の幅を広げるためには大切である。『こだわりのなさ』は、生きる上できわめて
重要である。私たちはどうでもいいいことにこだわり、それが結局不運を招く。我を張るとき張らないときの見極めが大切である。
Posted by ブクログ
今回で3回目の読破。自分のバイブルの一つ。彼の経験だけでなく、古典や一流人からの引用も上手に用いながら課題や問題に取り組む際の姿勢が語られている。
自分で考え、物事の本質をとらえることや問題解決にあたって数多くのオプションを用意する重要性が説かれている。問題解決に行き詰った時、再び手に取りたい。
Posted by ブクログ
ビジネス法務、および国際交渉の経験を豊富にもつ敏腕弁護士の思考術を公開。
事象や他人の発言などを、固定観念を排して理解し判断するために、日頃からつけておくべき思考の癖を具体例を交えて紹介されています。ただ事例が弁護士ならではのものが多いので、その点を差し引いて4点。
複数人を巻き込んで物事を進めていく場合、曖昧な合意形成による失敗が大きなコストになります。今後、社内外で多数の人々と交渉して回らなければならない自分としては、特に以下の点を念頭に置いておきたいと思います。
・「同じ人間同士」を前提にしない-日本人の「誠意」は欧米人には通用しない。
・相手の印象や言葉だけで判断せず、情報(会社の登記簿等)を手間暇かけて集めるべき。
・物事を具体的に考えるには、常日頃「手順」を考える癖をつける。
・「飲むか飲まないか」などの2分法に陥らず、複数のオプションを考える。
→日常の隅々までオプション思考徹底する。
・部下は人格的に上司に隷属してはいけない(発想を阻害するから)。
・人は自分の見たいようにものを見る。
・「正しい意見」と「多数の意見」の区別。
・自分の判断の根拠を吟味する癖をつける。
・「誰が言ったか」ではなく「何を言ったか」。
・我々が偶然手にしたシグナルは、氷山の一角にすぎない。
・ときには他人のこだわりに付き合うことも、自分の幅を広げるために必要。
特に「同じ人間同士を前提としない」「2分法を避ける」「人は自分の見たいようにものを見る」というスタンスを持っておくことは、日常生活や人間関係におけるストレスも軽減するものだと思いました。他人の発言に苛立ったりしたときは、これらのフレーズを思い出し、冷静に考える癖をつけたい。
Posted by ブクログ
Associe のおまけでついてた「今、読むべき300冊」リストよりチョイスしてみました。思考・発想部門の必読2 の本。
国際派の弁護士さんが書かれている本で、まさに「物の考え方」について具体的に書かれている本。考え方も7つの思考法について章を分けて解説してあり、物事の本質を捕えるためのヒントや予想外の事態への考え方、状況変化への対応についてわかりやすく書いてある。弁護士、というタイトルから法律に基づくものかしら?と思いがちだけれど、そうではなく著者も最初に述べているとおり「考え方の基本」についてかかれているので、どの職種の人でも読んで損はないと思う私もおすすめの本になりました。
内容が端的にまとまっているところあたりはさすが弁護士!
新書なので持ち歩きもしやすく間違いなく再読すると思う一冊でした。
Posted by ブクログ
構成は、紹介文にあるとおり、7つのコンセプトにしたがって章立てになっています。
よかった点は、次の3つです。
物事について、うわべだけみないで、もっと、疑いをもって深いところまで考えよ。
白黒を区別せずに、他人も自分も認めること、だれもが正しい。
全体を俯瞰して、状況をよく考えよ。
Posted by ブクログ
物事を見る時、密着型、半身型、俯瞰型。
ただ俯瞰ばかりしていると、足元が見えず取られる。
何事も中庸が大切である、と。
何がしかの問題解決に際し、常日頃から、細かいことに気を配り、常にあらゆる選択肢を用意すると、失敗や事故を最小限に抑えられる。
分かっちゃいるけど、これが中々に難しいね。
まさか、思考術からバタフライ効果や自然界の話になるとは思わなかったが、そこは弁護士。
理論体系がしっかりしているので、飛躍とは感じずに、すんなり頭に入ってくる。
ただ、これを恋人や夫婦に適用するとえらいことになりそうだな。
Posted by ブクログ
これは役に立つな。新書だから薄いのだけど、よく判る。判るが、実例に乏しい。もう一段詳しい厚みでも良かったと思う。
ベテラン弁護士ということもあって、内容も文章も説得力がある。
Posted by ブクログ
読み始めてまず、年の功主義ってところが微妙かな、って思った。でもそれは、分かりやすくするための例えって意味合いが強く、実際には論理的考え方が分かりやすく綴られていて安心。白黒一辺倒の世界かと思ったら、意外にグレーの部分もあるみたいで、その部分の駆け引きがキーになるってのもなるほど。
Posted by ブクログ
一番印象に残ったのは,‘不快な現実を変えるためのオプションを考えること’というところでした。
不快なことがあったとき,ついあれこれ考えても仕方のないことを思い悩んでしまうのが人間ですが,折に触れて,上記の点を思い出し,「じゃあ,この現実を変えるためにはどうしたらいい?」と発想しようと肝に銘じました。
よく言われることですが,再確認させてもらいました。
Posted by ブクログ
著者が自身の経験を元に、弁護士の考え方を論じる。
その内容は、弁護士や弁護士を目指す人にだけ向けたものではなく、
全ビジネスパーソンにお奨めできる論理的思考と言える。
「具体的に考える」、「オプションを発想する」、「直視する」、「共感する」、
「マサカを取り込む」、「主体的に考える」、「遠くを見る」
上記7章立てで整理されており、実に分かりやすい。
・人間は自分というフィルターを通して物事を見ている
・世の中には正しい意見はない(多数の意見はある)
・物事を俯瞰的に見る際には、自分の位置を含めて見る
・イエス・ノー思考を頭に根付かせない
・思いこみから類型化が始まる
等々、肝に銘じておきたい文言や人間が考える時の癖などが、
多数収録されており、読者は多くの示唆が得られると思う。
人に安心して薦められる良書。
Posted by ブクログ
事例は弁護士での出来事が多かったが、考え方や仕事の進め方などは共通でためになると感じた。
若いうちからこの本で書いてあることを意識すれば仕事を通じて成長できると思う。
Posted by ブクログ
「思考術」とまでいえるかどうか分からないが、弁護士としての心構えを説いた本。
特にロースクール生や司法修習生にとって参考になる本だと思う。また読み直したい。
ちなみに、「プロ弁護士」とあるけど、アマチュアの弁護士っているんだろうか…(笑)
以下引用
「直視や即物的思考は、裸の事実を直截に見るから、ときとして社会の既成の価値観に匕首を突きつけることになる。直視思考は、しばしば社会から危険視され、誤解されるから、懐深く隠しもち、時と場所に応じて用いることが大切である。その心構えがないと、直視思考は、ときに災害をあなたにもたらす。」(114頁)
Posted by ブクログ
論理的な思考法を学びたくこの本を読みました。
この本で学んだことは、
・考えるポイントは、誰が言ったかではなく、何を言ったかである。話している内容とその根拠の有無のみに注目する。話し手の肩書きや権威ははずして考える。受け売り思考は削り、自分の頭で考える。
・答えは一つではない。問題を解決するオプションは多いのだから、様々な選択肢を用意し、その中から最適なものを考え、選ぶようにする。二者択一、白と黒だけで考えない。
・何も考えず権威のいいなりになってはいけない、よく考えずに伝統や規範にしたがうべきでない。自分の頭で論理的に考えねばならない。
という点です。
そして、学んだことを生かすために、
・誰が言ったかに影響されず、根拠を確かめる。
・常識をまず疑う。
・選択肢を増やし、正解よりも最適解を求める癖をつける。
ことを実践します。
根拠を確かにする、常識を疑う、たくさんの選択肢から考えることで、論理的な思考力を鍛えたいと思いました。
Posted by ブクログ
実社会で『戦う』為の思考術。
役に立ちそうと思った事
・『目標』と『手順』の両方を示す事
・不快な現実を変える為のオプションを考える習慣付け
・30%の『マサカ』を見込む事
Posted by ブクログ
思考に関する奇抜というかプロには当たり前だけど忘れがちなことがかかれています。
私のようなあほには、ちょっと難解でしたが、
所々にあるエッセンスはとても共感できます。
はじめに、に書いてあることがすべて
何度も読み返してみます。
Posted by ブクログ
物事を考える姿勢が役立った。
・不満を言うな、オプションを考えよ
・自分の自由になるものとならないものを区別せよ(エピクテトス)
・予測できない偶然事は必ず起こる
・この世の紛争が理屈で解決することはほとんどない。反対の理屈を持たない理屈は存在しない(ピュロン)
・自分のことなど考えるな、遠くを見るがいい(アラン)
・人生を永遠の目を通して眺めよ(スピノザ)
Posted by ブクログ
これから弁護士を目指す人や新米弁護士には読んでほしい本だな、と思う。
けれど、弁護士以外の仕事に直接役立つか、というと疑問がわくものも多かった。
裁判をおこされた、おこす、という人も読んでみると良いかもしれない。
Posted by ブクログ
1.この本をひと言でまとめると
客観的に、疑え
2.お気に入りコンテンツ
・極論を考える
・正しい意見はない
・反対意見に学ぶ-批判に耳を貸すと思索が深まる
・他人の立場に共感できる人が物事をよく処理できる
・自分を含めて俯瞰する
Posted by ブクログ
考え方について著者の方法を示した本。具体的に考える、オプションを発想する、直視する、共感する、マサカを取り込む、主体的に考える、遠くを見るといった7つの思考法を紹介している。
Posted by ブクログ
プロ弁護士の思考術というタイトルだがあまり弁護士ならではの思考は見られなかったように思う。どちらかというと円熟した大人の処世術と言った方が適当ではなかろうか。
代表取締役の住所や、商号などの変更など、登記簿から読める企業与信のシグナルなどのそれこそ弁護士ならではの思考により焦点を当てて欲しかった。もっとも、話の例は卑近な例が多く、共感できるところは多かった。普段の自分の思考に近いと感じた。
Posted by ブクログ
弁護士と聞くと、いかにも論理的に話し、言論の場においては検事と並んで最強だというイメージがあります。口喧嘩では到底かなわない。
本書はそんな弁護士の中でも「プロ弁護士」と謳うわけですから、そんなプロが日頃どんな考えで仕事をこなしているのか、言論に強くなりたい人にとってはとても気になるものです。
本書ではまず、交渉の場においては相手を調べることが大事だと述べています。主観的な事実ではなく、客観的な事実を選別する。勝手な自分の思い込みだけではダメだということです。
また俯瞰的な視点、つまり「少し遠くを見る」ことで、視野が広がり、新たなアイディア、価値観が生まれます。これは私も強く感じることで、自分ではない、鳥のように上空から見下ろすイメージで物事を考えると、気分が落ち着き、頭が冴えることがあります。
この他にも筆者の経験交えた、多くの思考術が記されています。「こうしたらいいよ!」という具体的な方法というよりは、「こう考えるといいよ!」といった、あくまで゛考え方゛になるので、すぐに効力を発揮するものではないかもしれません。むしろ生きていく上での軸となるのかなと思いました。
Posted by ブクログ
倍速で読んだ部分も多かったので読み取れない箇所もあったが、大企業の方が悪事を起こす可能性が高いというところはとても印象に残った。印象によって左右されない思考は非常に重要である。
Posted by ブクログ
考えることは人間の存在根拠。
単純化の悪例 ヒトラーの二分法。
現実直視
二分法ではなく中間オプションの存在を知る。
エピクテトス 自分の自由になるものと自由にならないものとを区別せよ。。 平時も非常時も自分の支配できるものは何か、自分がとり得る手段は何か考える。
絶対の権力は絶対的に腐敗する。
即物的思考。
多数意見を正しい意見と錯覚する 木下是雄
エリートもどきの特徴
1 自分が常に正しい
2 高慢で人を見下す。思いやり皆無
3 批判は上手。提案下手
4 他人の批判に弱い。逆ギレする
5 上司にへつらう。保身に巧み
自分の評価は他人がする
誰が言ったかではなく、何を言ったか
Posted by ブクログ
流読。
考えることが自然の営みではなく、ゆえに努力が必要であることがわかる。
・具体的に考える
・オプションを発想する
・直視する
・共感する
・マサカを取り込む
・主体的に考える
・遠くを見る
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「具体的に考える」「オプションを発想する」「直視する」「共感する」「マサカを取り込む」「主体的に考える」「遠くを見る」―キャリア豊富な国際派弁護士が現場で鍛え上げた「物の考え方」を、七つのコンセプトに集約して説き明かす。
[ 目次 ]
第1章 話の根拠をまず選りすぐる―具体的に考える
第2章 「考えもしなかったこと」を考える―オプションを発想する
第3章 疑うことで心を自由にする―直視する
第4章 他人の正義を認めつつ制する―共感する
第5章 不運に対して合理的に備える―マサカを取り込む
第6章 「考える力」と「戦う力」を固く結ぶ―主体的に考える
第7章 今日の実りを未来の庭に植える―遠くを見る
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
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☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]