海辺の町のお弁当屋さんで働く「ちひろさん」。
元風俗嬢という過去を隠さず、あっけらかんと生きる彼女の生き様と
彼女に惹かれる人々の姿を淡々と、しかし優しく描いています。
自分の過去を知って近づいてくる人、遠ざかる人、それぞれの気持ちを見抜きつつ、
達観しすぎず適度な距離を保ち、
楽しんで生きているちひろさんがとっても素敵です。
性格がキツい同僚の永井さんを評して、
彼女が作る梅干しと漬物が美味しいから許せてしまう、
という視点、うらやましいなあ。
合コンにふらっと出てさりげなく無双したり、
町内の事件を解決したり、いきなり釣りを始めたり。
とにかく自由で人生を謳歌している彼女を、毎日なかなか元気が出ない人、
でも喝を入れられたり強めに励まされるのは苦手、という人に
ぜひ読んで知っていただきたいです。
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匿名
深い…
父親、母親、娘、息子…ちひろさんの欲しかったものをこの街で手にして、人々から愛し愛されることで「ちひろ」の仮面を脱いでもいいと思えた…という一連の描写がとても綺麗で思わず泣いてしまいました。
綾として生きるちひろさんも変わらず魅力的です。
ちひろさん
ちひろさんとたえちゃんの関係が、とても好きです。人生はリセットしてやり直せる。
悩んでいた事がたくさんあったけれど、この作品に出会ってじんわり心が潤って、歩き出せそうです。