【感想・ネタバレ】その日本語、ヨロシイですか?のレビュー

あらすじ

川端康成『雪国』の有名な冒頭の一文、「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」。さて、この「国境」の正しい読み方は「こっきょう」? それとも「くにざかい」? そして 「チゲーよ!」はなぜおかしい? などなど日々「正しい言葉」探しに格闘している新潮社校閲部の部長が、奥深~い日本語の世界にお連れします。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

新潮社校閲部の部長さんが挿入された漫画の中の「架空の会社の校閲部に入った2人の新人」を見守りつつ、自分の経験を語ります。
辞書編集者の書く日本語本と違うのは、「何が正しいか」ではなく「何が届けたい相手に届くのか」を一番に考えていること。
この本の真骨頂は最後の最後、奥付けの上に表れます。
校閲者の自負と謙虚さこもごもに、言葉の素人であることの面目躍如の文章です。
この本の最大の効果は、読んだ人に「本を出すときは新潮社から出したい」と思わせることかな?

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2014年02月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「校閲とはそんなもんだろうなぁ」という内容で特別大きな驚きや感動は無かった。2時間程度で軽く読めた。
ひとつ途中で気づいて驚いたのは、2割程度のページが割かれている漫画もこの著者自身が描いたもの、ということ。まったく素人ぽくなく、こなれた絵に感心。
結局の所、送り仮名、ふりがな、英語表記、および二重表現などは「絶対これが正しい」と言い切れるものではない場合が多々ある、ということ。また時代によってその可否が変化するので、常に校閲者は「時代の空気」を読んで「これが一般的に受けが一番良かろう」という判断で著者にお伺いをしている、ということ。著者の意図によって変わりもする。
今後、電子書籍を著者自身が校閲を経ないで直接、容易に出版する時代になってくることは間違いない。編集者と編集社・出版社を経ない分、格段に安く流通することになる。しかし、校閲を希望する著者もある程度の割合でいるはずで、電子書籍原稿の校閲のプロセスだけを単独で請け負う仕事が流行るのではないかと思う。
日本は欧米に較べ出版社が強いために、電子書籍の普及が大幅に遅れているが、欧米の英語圏では、この「電子書籍の校閲の請負」が仕事としてなりたっているのではないだろうか?

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2014年05月06日

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