【感想・ネタバレ】未来のイノベーターはどう育つのか ― 子供の可能性を伸ばすもの・つぶすもののレビュー

あらすじ

イノベーターの資質とは何か。
なぜそれが今後ますます重要になるのか。
それはどのように芽生え、どうすれば育てられるのか。
エンジニア、起業家、デザイナー、社会起業家、彼らの両親、
グーグルやアップルなど独創的な企業の人材開発担当者、
MITやスタンフォードの教育者……大勢の人に取材を重ね、
家庭環境から大学教育、企業文化まで俯瞰して見えてきた
「イノベーション能力」の源泉とは?

「未来を気にかけるあらゆる人にとって重要な本」
ダニエル・ピンク(『ハイ・コンセプト』『モチベーション3.0』)
「教育に関心のあるすべての人の必読書」
クレイトン・クリステンセン(ハーバード・ビジネススクール教授、『イノベーション・オブ・ライフ』)
「あなたが教員なら、従来型の教育に苦しむ子の親なら、
創造的な人材を求める経営者なら、本書を読んでアイデアを書きとめ、
起こすべき変化のために自分の役割を果たしてほしい」
ティム・ブラウン(IDEO社長兼CEO、『デザイン思考が世界を変える』)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

経済の成長エンジンとしてのイノベーションを教育的側面から促進する考えについて述べた著書。

イノベーションを起こすためには「専門性(知識)」、「クリエイティブな思考力」、「モチベーション」が必要と言う考えのもと、現在の家庭・公的教育はそれらの能力を育む仕組みになっていないと問題提起している。

家庭教育は子供が本当に熱意を注げるものの選択肢を豊富に提供し、選択した際にはフルサポートできているか?
義務教育、高校、大学は画一的な知識のインプットだけを行い、その知識で現実の問題をどのように解決するか教えているのか?

現在の国力の低下、国民の貧富2極化を鑑みると、日本でもこの著書で述べられているような、イノベーターを育てる新しい教育方法を実践する組織をサポートし、新しい世代を育成していくことが急務だろう。

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2015年01月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

私がこの本が良いと思う理由に、イノベーターの作り方と言った本書の主張をまとめたページが無いことです。本によってはエッセンスが要約されたページが用意されていて、そこを読めば短時間でも本を理解できるような構成で作られています。

しかし、この本は各箇所に大事なエッセンスやポイントがちりばめられており、それが逆に良いと思うのです。すぐに理解が出来るような本ではなく、子供や後輩・部下に実践する中で、「イノベーターとして、育てるのはどうしたら良いか?」「この子をイノベーターに育てるにはどうしたら良いか?」という問いを感じた時に、舞い戻るような指南書や教科書的な位置づけになる本ではないでしょうか。自分が直面する問題に対する問いを持って読んだ時には、それに相応しい答えが見つかるはずです。

私が本書で一番強烈にインパクトが残ったのは「教育によって好奇心が抜き取られてしまう」という一文です。好奇心を辞書で調べると、“珍しいこと・未知のことに対する強み興味・関心”と出て来ます。言われて見ると、子供の頃は好奇心から触れること・質問すること・チャレンジすることが生活の中に織り込まれています。常に新たな一歩を踏み出しているとも言えるでしょう。

しかし、年齢を重ねるに連れて、新たな一歩を踏み出すことをしなくなるのは、好奇心が段々と抜き取られているという捉え方を私はしました。当たり前のことですが、教育を受けるのは人間で、機械ではありません。機械でないとするなら、人には「心」があります。その心を耕すこと・鍛えることこそ、教育の本質ととらえることができるはずです。

本書を読むに連れて、好奇心が抜き取られてしまう原因に、「子ども(広い意味で相手)を型にはめる」というものがあるのではないかと思い始めました。型にはめて教育を行うことで、狭い世界での枠に収まることを生んでしまう。これではイノベーターを生むための教育とは、大きなズレが生じていることになると思います。

「それでは、どうしたら良いのか?」

私なりの結論で言えば、相手に合わせた教育をすることになると思います。先生は生徒に、親は子に、先輩は後輩に、上司は部下に、相手を基軸にした、主役にした教育を徹底的に心掛けることがイノベーターを生むために何より大事だと言えます。そこには相手との信頼関係や信頼を作るための時間が必要になります。その中で好奇心を大切に育て、相手(教育を受ける側)に「学びを愛する」気持ちを生んでいけるような環境づくりこそが教育する側に求められていることではないでしょうか。

「私たちは子供の決定や選択に基づき指導する。子ども達が何をしようとしているのかを見極め、助けます。そのためには、子ども達が何に関心を示しているか見逃さないようにしなくてはいけません。教員の観察力が要求されます」

私は、この文章にこそ、本書のメッセージがつまっていると思います。行き着くところは、やり方ではなく、在り方だと。

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2014年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

子育ての参考に読んでみた。

イノベーターには大雑把に言えば

問題を自分自身で定義すること。
情熱を持つこと。
目的意識を持つこと。
失敗はあるものだと受け入れること。
コラボレーティブでいること。(自分だけで解決できると思わないこと

が必要である。
また、そういった者を育てる為には親は

子供が興味を持つことを見つける手助けをすること。
興味を深める手助けをすること。
オーナーシップを子供に委ねること。
答えはないので失敗しながら試行錯誤すること。

あたりが必要なことらしい。
結果として、イノベーターを育てる為には親自身がイノベーターのように振る舞い、接しろ、ということだなぁ、と解釈。

概ね同意だが、残念なポイントとして、質的研究(インタビュー)に終始してしまっているため、良く言えば仮説、悪く言えばただなんとなくインタビューして共通項をまとめただけの本。
ただ、他の検証されている研究結果などと照らし合わせればそこまでズレたことは言ってないと思うので、参考にはなる。

また、多くのイノベーターやイノベーターの親やメンターのインタビューが載っているので、自身がどのように振る舞えばいいのかの参考にはなる。(あくまでも本書の仮説を採用する場合には、だが

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2024年05月06日

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