あらすじ
松本清張賞受賞作『一朝の夢』姉妹篇。あの“朝顔同心”が再び登場!
ときは前作から遡ること5年。ひとりの植木職人が殺され、物語の幕が開きます。江戸を襲った安政の大地震、相次ぐ付け火――。朝顔栽培が生き甲斐の同心・中根興三郎は、一見無関係なこれらの事件に潜む真実を暴けるのか?
\ レビュー投稿でポイントプレゼント /
※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
朝顔に魅入られた人々が織りなす悲しいさ。主人公も現代ならさしずめ朝顔オタクと、皆に一線を引かれてしまうタイプに見えるし行動が伴わないイライラを感じる時もある。けれど、事件の真相に近付いて行くにつれ、周囲の暖かい見守りの中で変化して行く。それを成長と呼ぶのかはわからないが自分の能力の中で一生懸命できることを行う姿は、現代の殺伐とした自己責任ばかりを問う人に、できることをできる範囲で行っている人を批判する権利があるのかと突きつけているような気もする。