あらすじ
時は明治末。財産家の次男に生まれた代助は30歳になっても仕事に就かず、結婚もせず、父の金に徒食して暮らしていた。ある日、失職して上京した友人、平岡の来訪を受ける。彼の妻、三千代は、かつて代助とも因縁のある間柄だった。再び目の前に現れた三千代。それをきっかけに、停滞していた日々の歯車が思わぬ方向に少しずつ動きはじめる。『三四郎』に始まり『門』へと連なる、三部作の第二作。
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Posted by ブクログ
終盤に、代助が堪らず三千代に会いに行く場面の「静けさ」が、どこか異様で印象的でした。読みながらふと、もしかして、三千代はすでに急死していて、代助が彼女の死後に平岡に弁明しているとしたら、平岡の激しい怒りにも納得がいくなと思いました。ただの不倫に対する怒りではなく、「死者に向けて今さら何を言っているんだ」というような、どうしようもない悔しさや虚しさがあるのではと。ラストは読者の私たちに未来の考察を委ねてきたので、独自の文学的な考察しちゃいました。(『門』がこちらの作品の続編説があるというのは、存じております)
しっかし、うちの旦那じゃないけど、告白するのおっそ!(高校時代、私が好きだった時に他の子の付き合ってたくせに数年後に、ずっと好きだったとかわけわからん告白してきた旦那…)そこだけ三千代に共感しまくり!私の旦那は結婚する前だったからセーフ。もし、仮に、形式的にそこまで好きじゃない人と結婚してから、今の旦那に告白されてたら三千代と全く同じ道を歩んでいたかもしれないなとゾッとしました。
Posted by ブクログ
代助のことが可哀想でたまらない。人の妻を愛することで、まわりがこれだけ離れていくのは、時代の違いもあるが、あまりに悲しすぎる。代助の弱いところも共感できる。読んでよかった。