【感想・ネタバレ】調理場という戦場 「コート・ドール」斉須政雄の仕事論のレビュー

あらすじ

大志を抱き、二十三歳で単身フランスに渡った著者が、夢に体当たりして掴み取ったものとは? 「早くゴールしないほうがいい」「効率のいい生き方をしていると、すり切れていってしまう」。激流のように過ぎゆく日々をくぐり抜けたからこそ出てくる、熱い言葉の数々。料理人にとどまらず、働く全ての人に勇気を与えたロングセラー、待望の電子化。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

レストランコートドールに至るまでのエッセイ。
すべての仕事に通ずる圧倒的なビジネス書。
ワークライフバランスなどの陳腐な言葉に
踊らされることなく、誠実に仕事に向き合おう。

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2025年07月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この本のここが好き

「ゴミの除去は、とても大切なことに思えたのです。少しずつだけど、ひとつずつしか進まないけれど、自分でやらなかったら何も変わらない。目の前にある課題は、自分で丁寧に解きほぐすしかない。ひとつずつ解きほぐせば、必ずうまくいくはずだ」

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2024年06月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

10年以上前に『ほぼ日』でその一部が連載されていた、
オーナーシェフである斉須政雄さんの仕事論の本です。

職人さんのイメージによくあるような、
「不器用さ」というものも、斉須さんには感じました。
しかし、そういった不器用な生来の性分の範囲内にとどまり続ける人ではなくて、
消費者の身になって考える「商人」と、
生産者の側になって考える「職人」とのふたつの違う立場を
往復しながら仕事をされているという器用さも身につけられている。

そして、そこに至った経緯というか、そうなった経験というかが、
フランスに修行に出た時代を中心とした回想録によって明らかになる。
激しやすいところのある著者がなんとか適応しようとしているさまや、
うまくいかなかった中で学んだこと、見本となる人ならない人から学んだこと。
そうして培われた、机上の論理ではない肌感覚での知恵や知識を
ぞんぶんに本書では語ってくれている。
人によってはそこに共感を感じたり、
なんとなしに意識していたことが言葉になっているのを見つけたりすることでしょう。
ぼくにとっては、批判や叱咤と感じる言葉がけっこうありましたし、
著者の考え方のなかには、たとえばぼくの親父の持つ、
ぼくとは合わない考えと似たようなものもあり、
始終気持ちよく読める種類の本ではなかったです。

それでも、ぼくのいいところは、反対意見や対立意見も、
一応、身体の中にいれてみて、それからなじむかどうか見たり、
折衷案も作りだしたり、自分を変化させたり、
それらが無理ならはきだしはするけれど留保意見として、
あたまの片隅に取っておいたりするところなんです。

「ただただ仲良くしたいなんて思ってるヤツは、
みんなに体よく利用されて終わってしまいます」

「相手に不快感を与えることを怖がったり、
職場での付き合いがうまくいくことだけを願って
人との友好関係を壊せないような人は、結局何にも踏み込めない無能な人です」

こういった言葉がぼくにとっては突き刺さる言葉で、
「あいたたたた・・・」と呻いてしまいます。

こういう言葉・考えを知ると、
ぼくのあまちゃんな部分がほんとうにどっしりとわかるのです。
ぼくはよく言えば利他的ですが、シビアにみると、
無能でみなに利用されるタイプなんだろう。
ちゃんと自分の利益についても考えようと、
『GIVE&TAKE』という本を読んだ時にも思ったなあ。

利他的なところはちょっと直らないし、
それはほんとうに悪いというものじゃないと思うので、
そこにどう自分を大事にする行動や自助の行動を付与して、
利他でありながら自分もハッピーなWIN&WINにするかです。

仕事などで仲良くするのも大事だけれど、
第一義にしないことなのかもしれない・・・。

そういった本書の考えを知ったことで、
これからの生き方、それも働く姿勢に関して、
いろいろと試したり考えたりする足がかりができたような気がする。

奮起、反省など、よりよくなろうとする人にはうってつけの仕事論の本です。
語りを文章起こしにした本ですし、著者の語彙もなかなかのものなので、
おもしろく読めました。

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2025年07月04日

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