【感想・ネタバレ】箱館奉行所始末 異人館の犯罪のレビュー

あらすじ

元治元年(一八六四)、支倉幸四郎は箱館奉行所調役として五稜郭へ赴任した。だが異国情緒溢れる街は、犯罪の巣でもあった……。

洋学者武田斐三郎による七年の歳月をかけた日本初の洋式城塞五稜郭に箱館奉行所はある。元治元年(一八六四)支倉幸四郎は支配調役として、幕府の逸材と評価の高い奉行小出大和守秀実の配下で激務をこなすことになった。箱館の街は江戸と違い異国人に溢れ、教会やホテルが建つ、悪の街でもあった……。

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Posted by ブクログ

幕末の函館を舞台とした時代小説。
当時、異人たちが闊歩する箱館で日本人のプライドを胸に熱く持ちながら働く箱館奉行所の人々を描いたもの。
若くして箱館奉行に抜擢された小出秀実は実在する人物であり、当時の幕臣が外国領事と丁々発止で交渉している姿を史実として知ることも意義がある。
(薩長史観として余り脚光が浴びない部分であるので)
小出秀実は明治に入り直ぐに逝去したが、明治新政府にもその精神は引き継がれているように思える。

筆者が函館出身であり、当時の函館の様子が詳細に描かれている。私自身、登場する場所、地名に馴染みがあり、リアリズムを愉しめた。

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2014年05月11日

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