あらすじ
父の死の連絡がきた「その日」から1年半の、実体験ルポ。生前の父との約束があり、喪主である著者は、ベストセラーとなった島田裕巳著『戒名は、自分で決める』を参考に、父の戒名を自作した。ところが、旦那寺の僧侶に「自分で戒名をつけてみたのですが……」と言いかけた途端、「人のビジネスに手を出すな」と恫喝され、さらには、「墓に入れない」と怒鳴られる。葬儀社の応援もあり、別の僧侶に頼んでなんとか葬式を執り行うが、今度は約2億円(?)の遺産をめぐって「争族」が勃発。4人のきょうだいは二派に割れる。前半は、著者の体験ドキュメント。後半は、体験から派生して、ノンフィクションライターである著者の「取材」へと進んでいく。戒名とは、そして、人の死を弔うとは、どういうことなのか? また、揉めに揉めた「争族」は、相続税納付ぎりぎりの10ヵ月後に決着をみたが、どうすればもう少しスムーズに解決できたのか? 自分なりの答えを探すべく、さまざまな参考文献を読み、僧侶や葬儀社の関係者、弁護士や司法書士に話を聞いていく。突然降りかかる家族の死。「その日」に慌てないために、読んでおきたい一冊。
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Posted by ブクログ
TBSラジオ「session22」に朝山さんが出演されていたのを聴いて興味をもちました。
前半はタイトル通り、朝山さんご自身がお父様の戒名を考えたところでおきた檀那寺とのトラブル(寺の傲慢すぎる態度にビックリ)の描写が主ですが、その後は地域コミュニティとの付き合い方や兄弟間の相続問題、葬儀の現場(?)で働く様々な方々の話なども出てきて「身内の死」を経ての様々な体験談+現場の方の声のようになっています。
ハウツー本ではないので役立ち度はそんな高くない気がしますが、「こういうこともあるのね」と知っておくのには、とてもサクサクと読めてよかったです。
Posted by ブクログ
ノンフィクション、というよりエッセイなのかなというテイストですが。
著者の方はライターさんだということですが、正直読後感じたのはあんまり文章がお上手でない印象。ご本人も「ゆるい」ライターと本文中でご自分を表現されてましたが「わかってらっしゃる」と思いました。
メインの「争族」(うまい言葉考えましたね)がみなさんきっと読みたくて手にとられるのでしょうが、一個人の「こんなことがありました」的話で、ご兄姉がご存命でいらっしゃることもあるのでしょうが核心に触れた感が薄くて、実際そういう場面を迎える際の参考資料にはならないです。
後半は、お父様の葬儀が終了した後に戒名についての取材を様々行ったことが書かれていますが、そちらはまた興味深い話もいくつかあります。改まって聞かなければ
聞けないだろうな、というお坊さんの立場を考えさせられる話などもありますし。
ただ、本の創り的にはメインの「争族」の話だけでは短かったので、興味から取材をしたお話と一緒にまとめたのかなという印象です。
読後、自分ちのお坊さんがいかに良心的かというのがわかったことが一番よかったですね(笑)