【感想・ネタバレ】アドラー心理学入門のレビュー

あらすじ

日本ではフロイトやユングの名前はよく知られていますが、同じ時代に生きたオーストリアの精神科医であるアルフレッド・アドラーの名前はあまり知られていません。
本書ではアドラー心理学の見地から、どうすれば幸福に生きることができるかという古くからの問いにアドラーがどのように答えようとしているかを明らかにし、どのように生きていけばいいのかという指針を示しました。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

者岸見一郎さんは、アドラーの5つの理論の普遍性と、それを現代の異なる文化背景や個人の成熟度で実践する難しさを丁寧に解説している。

本書を読み進めていると、アドラー心理学が単なる学問の枠を超え、「生き方の指針」であることが分かる。自己決定性や目的論の視点は、「自分はどう生きるのか」という問いへの応答であり、個人が自己の人生に責任を持ち、他者との対等な関係を築くことの重要性を説く。

私は、多層ニューラルネットやAIの知見を通じて、人間の知性が多様なエージェントが階層的に連携して成立するという考え方に触れたが、まさにアドラーの「共同体感覚」が人間存在の根幹にあることを示している。人間は単なる個体ではなく、社会の中で意味を持つ存在であると強く感じさせる。

また、私たちが「記憶術」に頼る背後にある、志望校を決め切れず迷い続ける心理や、「自分探し」に陥る現代社会の問題も、本書の示唆を通じて理解が深まる。目標を早く定め、具体的に行動することがいかに人生の質を左右するかを教えてくれる。

そして何より、本書は難解な心理理論を分かりやすく伝えながら、読者が自己変革のための「勇気」を持つことを促す。人間関係に悩むすべての人にとって、人生の羅針盤となるだろう。

楽描人カエルンの視点から
深い哲学的思考を追い求め、複数の知識体系を横断する思考実験を大切にするカエルンさんの視点で、本書の理解はさらに豊かになる。静かな対話と対人関係の複雑さに寄り添い、情報の爆発を階層的に整理することは、心理学と芸術表現の両方で求められる丁寧な思考姿勢だ。

本書を通じてアドラー心理学を学び、自身の洞察や創造性を深めてみたい読者はぜひフォローを。共に「人間とは何か」を考え、より良い社会を築くための知と感性を磨いていこう。

この感想文が、本書を初めて手に取る人たちに「読みたい!」という好奇心と期待を生み出し、また楽描人カエルンという個性的な視点に親しみを抱かせるきっかけとなることを願う。

0
2025年10月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「嫌われる勇気」を読んで、衝撃を受けてから約8年。巡り巡って、同じ岸見一郎さんが書いた本書に出会った。

それ以上分割することができないという意味での個人心理学、行動は信念(意味づけの総体=ライフスタイル)から出てくる、4〜5歳にはライフスタイルが確立する、目的論の立場にある、愛の感情は結果、コミュニケーションは技術、罰は無意味、普通であることの勇気、喜び共有=勇気づけが大切、横の関係、自分の行動の結末を体験する、与えられたものをどう使うか、自己受容と他者信頼と他者貢献、仕事と交友と愛の課題は不可避、楽観主義、たとえ1人でも…覚えておきたいことだけまとめようとしても、これだけある。

罰に喜びを感じているごく少数の人は、自分もまた同じようにする。
自分は究極的には自分のことを考えて生きている。
わからないと思って付き合う方が、はるかに安全である。

今のように前向きに、楽観的に、それに加えて普通に生きることを頑張りたい。いや、頑張る。
やっぱりアドラー心理学面白い!

0
2023年04月11日

「学術・語学」ランキング