【感想・ネタバレ】カミングアウト・レターズ : 子どもと親、生徒と教師の往復書簡のレビュー

あらすじ

ゲイ/レズビアンの子とその親、生徒と教師の往復書簡。家族への、身近な人への告白。初めてうちあける子どもの思い。母親の驚き、葛藤、そして受容。生徒と教師の真摯な対話。18歳から82歳まで、7組19通の手紙と2つのストーリーを編んだ。ゲイ/レズビアンの子をもつ親たちの座談も収録。

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Posted by ブクログ

やっぱり読んでいて、泣けてくる内容でした。
いつも、素人の手紙や文書は、読みずらいことが
あるのですが、今回はそうでもなく
それぞれの手紙に深い内容を感じました。

よかったです。

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2023年02月28日

購入済み

思いが突き刺さる

最近BLをよく読む。登場人物たちは過去に辛い出来事を体験し、現実や未来に悩んでいる。BLはファンタジーだと言われていると知った時、こんな生々しい悩みをファンタジーなんてと思ったが、主人公は必ず容姿がよく、理解あるパートナーができ、周りからの理解も得ている。これがファンタジーなのか。リアルな現実はもっともっと理不尽で残酷なのだと、この本を読んで少しだが理解した。当事者の声は叫びにも似た響きを孕み、受け止める家族もまた悩み苦しむ。普通とは何なのか、理解して許容する事の難しさを垣間見た気がする。

#泣ける #切ない #深い

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2022年09月28日

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初めての恋が実らず、家族にも理解してもらうことなど想像もできず、生涯もう二度と誰にも言えない秘密をひとり抱えていると思っていた。家族を持つこともできず仲間とも出逢えず孤独に死んでいくのだと枕を濡らす日もあった。そんな時、この本を読んで涙が止まらなかった。そこには、様々な当事者とその家族、カミングアウトをした者とされた者の想いが綴られていた。あの日の僕を救ってくれてありがとう。独りじゃないと知った今、読み返したら僕は何を思うだろうか。

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2021年04月17日

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ネタバレ

同性愛について分かったような気でいながら、実は全然分かっていなかったことに気付いた。少しは理解が深まったと思うけど、分かったなんて簡単に言えない。自分に関係ないこととして見て見ぬ振りをするのと、理解するのは違う。
同性愛について書かれた本でありながら、マイノリティや、誰にも言えない悩みを持つ人全員に通じるような内容だった。それを受け止める側の態度も優しさに溢れている。自分ももっと他者への想像力を持ちたいし、優しくあろうと思う。

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2020年07月26日

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涙せずにはいられない一冊でした。
子どもから親へ、子どもから教師へ
様々なカミングアウト。
私達の周りにはマイノリティを抱えている人が多くいることを
知らなければならないと思った。

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2013年01月29日

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同性愛をめぐる葛藤と共感。「手紙」にして書くというわざとらしさがあるにもかかわらず、手紙にしなければ伝わらない「想い」が圧倒的に押し寄せる。電車の中で読んでいたが、何度か嗚咽をこらえた。感動したなどの薄っぺらな言葉でなく、心が震えて仕方なかったのだ。これからの私の生き様が問われているのであり、この本はその重要なきっかけをもたらしてくれた。

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2012年06月27日

Posted by ブクログ

特別な人たちではない「生活者」の人々の手紙。
たくさんの葛藤、困惑、痛み…の先にあるのは、誠実で真摯な思いだった。
セクシャルマイノリティが「特別」と括られている訳じゃなく、当たり前にそこに存在している人であった。同じ目線の高さで当事者と家族や先生が話していて、これこそ「社会の多様性」だ、と感動した。

一方、最後の対談で、どこか理解したくない部分を持つ一人のお母さんがでてきたが、全てを理解をすることは単純じゃないな、と感じた。でもそれを否定することは違う。
理解しようとしてくれる、そうまでいかなくても否定しない。それだけでも多分良いんだと思う。

現代は「多様性」がキーワードとなっている。
この問題に興味がある人以外の人にもぜひ読んでもらいたい。「多様性」とそれへの向き合い方がわかるはず。
若いうちに読めてよかった一冊だ。

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2013年03月04日

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セクシュアル・マイノリティは、国や宗教や階級階層に関わらず、どこでもぽつんと生まれてくる。多くの場合家族はセクマイじゃない。自分がマジョリティじゃないことについて、言っちゃいけないことと思って育ってきたこどもたちが、ついに親や教師にそれを言うと、セクマイじゃないにも関わらず?そのことを真摯に考えなくちゃならなくなった大人はびっくりしたりするのだが、本人も家族も、社会の中で頭の中身を作ってくるから、まぁ大変なわけよ。この本には、テレビに出てくるようなんじゃないふつー?の人たちの往復書簡が収められてるだけ!なんだが、考えるべきことの多さったらないぞ。

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2009年10月04日

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LGBTの当事者(ここではLGの方々)が親や恩師にカミングアウトし、相手が当事者にその返信をする往復書簡。
手紙の前に口頭でカミングアウトを受けているが、ここに出てくるどの親も(皆、母親)その瞬間、かなりショックを受けた様子がわかる。
長年、子育てしてきても、我が子がLGBTであることに気づけないということなのか、と受け取った。
ということは、当事者は、そんなに身近にいる人にさえ、分からないように、気づかれないように、隠して生きてきたということでもあるのか。
昔は、ゲイやレズビアンは、笑いのネタ、蔑みの対象として見られていて、テレビでもバラエティーなどで面白おかしく取り上げられていて、実は自分もそれを見ても何も感じなかったということに、読んでいて気付いた。
自分で直の言動がなかったとしても、これも『無関心』という間接的な差別だったのではないか、と。
当事者から母親や恩師に充てて書いた手紙には、自分の苦悩やアイデンティティーについて書かれていて、その苦悩の深さが垣間見えた。
親からの返信は、当事者からのカミングアウトを受けた時の心境、混乱、悲しみなどが素直につづられているが、子どもを理解したい、という気持ちも見られる。
恩師からは、気づけなかったことの詫びとともに、教師が生徒を温かく見守るスタンスがみられる。
ここには、何人かの親子、教師と生徒の書簡があるが、一番印象に残ったのは、授業のレポートのテーマで性的マイノリティーについて選択した生徒とその指導に当たった教師との書簡。
その教師はキリスト教を信仰しており、キリスト教の精神をもとに生徒を本当に温かく見守り、そのままの存在を受け入れてくれていて、これを受け取った生徒は、どれほど勇気づけられただろうか、と思う。
まだまだ偏見が残る(あからさまではなくても、知らずに傷つけているかも)世の中であるから、自分のアイデンティティーに悩み苦しみ、知られないように隠して暮らしている人はたくさんいると思う。
どの姓を愛すか、ではなく、どんな「人」を愛すか、いち人間として、人間を愛すというスタンスが広く定着していけば良いと思う。

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2025年02月10日

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前半の親子の間でのカミングアウトの往復書簡を読んで、同性愛のことよりもお互いを思い合う親子の絆が印象的だった。同性愛者だということは、それ以外にもたくさん存在するマイノリティなことの一つに過ぎず、誰しもが何らかの特性においてマイノリティでありえるから、当事者も周囲も同性愛について特段気にしなければいいんじゃないか、と思った。

けど、おわりに のところを読んでその認識を改めた。世の中の仕組みから他愛無い日常会話に至るまで多くのことが異性愛を前提に回ってしまっているので、当事者は同性愛者であることによる生きづらさを感じるし、自分がそうであることに嫌でも意識がいってしまう。確かに誰しも名前を間違って呼ばれていたら気持ち悪くて訂正するように、同性愛者なのに異性愛者の前提で他者から認識されたら居心地が悪くて気になるな、と思い直した。カミングアウトというのは確かにとても勇気がいることになってしまうなということがわかった。

そういうことが、最初の感想に戻って、他のあらゆるマイノリティ特性にもあることなんだな、気にしなければいいのに なんてことじゃあないんだな、と、ちょっと想像力を働かせれば当たり前のことだけど、気づきになりました。

自分の視野がいかに狭かったか、自分はけっきょくだいたいの局面でマジョリティにいてマイノリティの抱く感情を想像できてなかったんだな、と思い知りました。

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2024年12月06日

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NHKの書籍紹介で3度も見て、じわじわと「あ、これ読んだほうが良さそうだなぁ」と思い、拝読。
やっぱり読んでよかった。
ジェンダー問題については身近に当事者もいるが、往復書簡を読むのは初めてだが、手紙をやり取りする、親と子、生徒と教師はお互いを尊重し、想い合っていることがわかる。
知人(知人とも呼びたくないが)が教師という立場でありながら、面白おかしく学生のアウティングをする場面に立ち会ってまったことがあってから、モヤモヤしてその人と会うたびに嫌な気分になっていたが、「自分のことではないけど、あのとき私は傷ついたんだな」とこの本を読みながら振り返られた。
この本が発行されたころと比べて、セクシャル・マイノリティーへの理解は少しずつ深まってきているが、ステレオタイプの世代から抜け出せていない人種も少なからずいる。
それでも前進している。
否定する・拒絶するひともいるけど、少なくとも後退はしていないと信じたい。

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2024年10月08日

Posted by ブクログ

39/100
ゲイとレズビアン 7人の親に、兄弟に、或いは先生にカミングアウトする手紙のやりとりからなる本。幼少期から違和感を抱きながら成長していき、ハッキリと自覚した時の感覚は如何なるものなのか?
そのまま生きていこうとして「カミングアウト」する事、またされる側の手紙…
お互いに相手を気遣い、思い、感情を殺しながら書いていると思われる様がもどかしい!
全く興味もなく知ろうとしなかった事だが、この本を読んで知っておくべきだと感じた。

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2023年02月18日

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当事者で、親にカミングアウトしていない。友人にもほとんどしていない。

これを読んで、する気になるかと言うと、そうではない。

あとがきにもあったが、

カミングアウトした後に読んでもらいたい本。

という言葉に感動を覚えた。感動なのか、語彙がないので違うかもしれないけど。

がんばれ!大丈夫だよ!わかってくれるよ!

だけでは不安のままなんです。

この本のように正しい知識や情報、当事者の言葉、親の言葉、全てが一冊になっていて、自分の負担もカミングアウトされる相手への負担も軽くしてくれるような一冊。

色々な場所においてほしい。

これは素晴らしい本です。

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2021年01月18日

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この本を読んで初めに思ったのは「その気になってささっとカミングアウトしたら痛い目みるで」だった。  素敵なことがこの本では起きている。とっても。だけれどしかし、現実でそう行くのは本当に稀で大変な事だと思うのです。 また、差別や偏見に対して異議を唱えていく中で「オタクみたいに」という表現に強い違和感を覚えもしました。  ただ、セクシャルマイノリティの問題に興味を持った人(又は本人)が一人で悩んでいる時にこの本は巻末のコミュニティ情報を含め、とても良い一冊になるのではないかなと思います。 

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2015年06月03日

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同性愛者とその周囲の人との往復文書。まだまだ理解されず窮屈な思いしてる人がいるんだなぁ。周囲の友達にカミングアウトされたら素のまま受け入れられるようにしていたい。

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2013年01月15日

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p183「ゲイが人口の数パーセントいるとすると、親はその二倍やん。人口の一割以上がゲイの家族やねんな(後略)」
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同性愛者とその周囲の人の手紙のやりとり。
同性愛者であることをカミングアウトする人、された人達の心の葛藤。
手紙だからこその言葉であり、手紙だからそば見えるものもある。
文体も文章も書き方もみんな違うし内容だって違う。けど、みんな普通に読めるのだから、違いなんてないのです。
この本の内容はそういうことと似ていると思いました。

p61「約四十年前に買った『家庭の医学』には、同性愛は頭・脳の病に分類されている(中略)四十年もの歳月が経過したいま、一般の先入観も、知識も理解も、さほど進歩したとは私には思えないのだ。」(letter3)
このletter3のお母さんの文章が好きでした。次第に文体がお母さんになっていく感じがなんとも。

p139『そしてぼくはそんなクローゼットのなかで、表通りを、五月のような陽光に祝福を受けて外を歩く人びとを、ひっそりと見つめ、ため息をつき、あるいは妬んで、憎みさえして、そこで生きていたいわけじゃないんだ、ということです』(letter7)
葛藤しなからも彼らが受け入れていった現実。強い文章ばかりでした。

読んだ私は、同性愛者でもなければカミングアウトされた人間でもない、全くの第三者です。
でもそういった第三者・もしくは、自分とは全くの無関係だと思っている方にも、読みやすい本ではないかと思います。

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2011年09月30日

Posted by ブクログ

ゲイ、レズビアンであることをカミングアウトした人と、彼らの告白をうけとめた親や教師との間の往復書簡をおさめたもの。特に親や教師たちの側が、きれいごとじゃなく自分自身の動揺や悩みについて率直に語った文章のいくつかが心に残る。これからカミングアウトを考えている人や、告白をどう受け止めていいか迷っている人には、大きな勇気をあたえてくれる本だと思う。しかしなぜ男親は女親にくらべて受けとめるのが難しいんだろうか、とも思った。

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2011年07月16日

Posted by ブクログ

どういう経緯でこの本と出会ったか忘れちゃったけど、感想をブログに載せたら、それを見た友人が自分の親にカミングアウトしたという出来事がありました。
「面と向かって言うのはウマく話せないから手紙を書いて伝えよう」
この本には前向きな気持ちが詰まっています。読めば背中をグッと押された気になると思います。
それにしても、この本に出てくる親はみんな理解があって、完成された人たちだなぁと思います。

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2010年05月18日

Posted by ブクログ

親との関わりあいで悩んだときに読んだ。
私もいずれ父にはカミングアウトをしたい。
でも怖い。母にしていたって受け入れられてるとは違う。
手紙、か。
つらいなあ。
いたかったです。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

つらかったし、苦しかったろうと思う。自分は言う気はないけど同じ立場だったらどうかなーって考えちゃう。いろいろな団体の知識も手に入って交流してみようかなって気になった。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

一般人の手紙の寄せ集めなので上手な文章、というわけではないですが真摯な気持ちが伝わってくる文面でした。ゲイの方々の父母世代の方々の手紙を読んで、やっぱりこのくらいの世代の同性愛についての一般認識はこういう感じなのか…と思って悲しい気持ちになりました。でも兄弟世代だとだいぶ偏見も薄れているなあ…この本に出てくるカミングアウトはみんな、一筋縄ではいかなかったけれども受け入れてもらえて良かったと思います。こういう気持ちの繋がりがほしいなあと思った次第です。

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2012年01月31日

Posted by ブクログ

正常とは何か
個々のセクシャルは自己尊重のうえに成り立つべきだが同性愛なら繁殖するのは困難となる
だが異性愛でも病気などで繁殖できない例もある
何が正常というより何を選ぶのか、多様性というがそれに社会が保護できたり結婚のような法的整備が同性愛でも必要だと考える
しかし、価値観がちがうと排除するのではなく
みんなで支えあい、差別をしない社会であれば
自他ともに生きやすくなり、周りにも優しくなれるのではないだろうか

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2025年11月04日

Posted by ブクログ

このカミングアウトにまつわる手紙と、それに対する親などからの返書、っていう内容。巻末には、親たちの対談も収録。考え方はそれぞれなんだけど、どの手紙からも確実にうかがえるのは、徹底的に真摯に向き合った上で書かれた言葉たちであること。圧倒されました。

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2023年10月16日

Posted by ブクログ

古い(15年前)の本ということもあり、読んでて辛いポイントが結構あって読みきれなかった。
つらい。。。

あれから15年。あの頃よりは、マシな世の中になっていると、信じてる。

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2022年01月15日

Posted by ブクログ

親書「カミングアウト」と類似した内容であるが、より当事者の心情が分かる内容となっている。題名の通り、カミングアウトをした時の様子を手紙形式で書いている。

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2020年12月27日

Posted by ブクログ

うーん、難しい。

カミングアウトして何が悪い。差別する方が悪いんだ。
それはたぶん正論だ。でも、実際にはそう簡単にはいかない。親だって友人だって、偏見の中にどっぷり浸かって生きてきたんだから。

この本に収められた書簡では、大体においてカミングアウトされた側(親や先生など)が最終的には理解を示してくれてる。その裏で何人のレズビアンやゲイがカムアウトを通じて人間関係に亀裂を生じたり、勘当されたり、そして自殺したりしているんだろうか。

あ、ちょっと引っかかったのが、「たとえゲイでも、あなたは私の息子だから。」っていう言い方。それって、「たとえ殺人者でも、あなたは私の息子だから。」と同じように聞こえる。結局、差別から抜け出せてはいないんじゃないかな。もっとも、理解を示してくれるだけですばらしいことなんだけれど。

うーん、難しい。

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2011年08月20日

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