【感想・ネタバレ】正しいパンツのたたみ方 新しい家庭科勉強法のレビュー

あらすじ

家庭科は、自分の暮らしを自分で整える力だけでなく、この社会の中で他者とともに生きていく力を育ててくれる教科だと実感した著者は、自ら専任教員となる。ご飯の作り方、お金とのつきあい方、時間の使い方など自立にあたってどんな知識や技術が必要か、10代の暮らしに沿って具体的にアドバイスする。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

 この本では、いろんなパンツのいろんなたたみ方が書いてあります。いっつも同じ畳方だと、サイズが変わったときや、種類が変わったときに畳み方がわからなかったり、たたみづらかったりするから、この本を読んで、たくさんのパンツのたたみ方が習得できました。

0
2025年04月05日

Posted by ブクログ

自立=生活力を高めようとする「姿勢」。状態ではない。
そして、お互い様が成り立つような関係性を築けること。すべて一人でできることが自立ではない。一人で生きていくことは不可能。
生活的自立、精神的自立、経済的自立、性的自立のすべてが大切である。

★家庭科はお互いの違いを知る教科
 柔軟性が必要と同時に正解はない

★時間の折り合いが自立の一歩
 自分で起きる、やらなければいけないこと、などから時間に折り合いをつけられるようになる。少し、我慢することも覚えられる。

★働くことの社会的役割
 自分の仕事が社会のなんの役に立っているかを知ることがやりがいに繋がる。給料をもらうことも大切だが・・・。


まさに、子供に伝えたい、気づいてほしい内容。
自分のことを自分でするって大変だけど、生活がすごく充実する。自分を律してるじゃんって。
一人暮らしをすると、必然的に感じることだとは思うが、家族と生活している段階でできていれば、いろいろな価値観をさらに感じられると思う。

0
2022年08月04日

Posted by ブクログ

「自立したいなあ」
と思いました。

この本に書かれていることに照らし合わせれば、
僕はすでに自立しているのですが、
「自分で出来ることを増やすって楽しそう。」
と感じたのです。

この
「楽しそう」
こそ、この本の真髄なのだと思います。

0
2022年03月16日

Posted by ブクログ

著者は男性の家庭科教員。家庭科の授業から、高校生に向けて家族や自立を考え、そして社会全体も考えるような授業組み立てとなっている。
「正しいパンツのたたみ方」という著名も、「正しいパンツのたたみ方を教えるからやりましょう」ということではなく、「正しいパンツのたたみ方は人それぞれ。その色々なやり方を持った人たちと一緒にやっていくには?」ということ。
社会や自分の立場、相手を思いやることを生徒が考えられれば、社会に出たときに自分をしっかり持って行けるのではないか。
個々に描かれているのは家庭科の授業で話したことや著者の考え経験なのだが、家族とは、自立とお互い様の精神、老人問題、DVや差別、社会の中で生きることとは、自分の価値観が何か、など、暮らしてゆくために自分自身と他の相手を大切すること、自身を持って社会で生きてゆくための根本を考えるという授業になっていた。
少なくとも私が教わった授業ではここまでのことはなかった。ここまで学校で考えていけたら、まさに社会に繋がるための学校教育だと思える。


❐年度初めに生徒たちに「毎日自分のお弁当を作ってみましょう」と声掛け。
まずどうすれば長続きするか?を考える。
毎日だからこそ、面倒なことはやめて、自分ができることをどうやろうと考える。(←これは仕事もそうですね。仕事の理想や昔のやり方を変えずに手間ばかりかかって結局できなかったり残業になったりするなら、今どうやればできるかを考えなければいけない。しかし仕事だと「今の自分が変えたら怒られるかもしれないから、自分は放置しておく。他の誰かが変えるべき」という考えの方が賢い用になっちゃうところもあるんだよね)

❐勉強の意味
「先生、なぜ英語の勉強しなければいけないのですか?自分は将来英語を使う仕事にはつかないし、海外旅行しなければいいでしょ」という生徒はの真意は、「英語の授業が難しくてわかりません。わかるようにしてください」ということがある。
そんな生徒に「グローバル社会に向けて…」と漠然と説明されてもピンとこない。相手の気持ちを受け止めその生徒のが自分のこととして受け止められるようにして、さらにはわかるような授業をしてゆく。
授業とは一方的でなく、教える側と教わる側が一緒に作るもの。(←これも学校の勉強以外に色々当てはまります)

❐家庭科とは
本来勉強とは受験や競争のためではなく人生を豊かにするためにある。
いわゆる受験などで出る「主要教科」に対して、保健体育・芸術・家庭科のような「副教科」は感性を磨き心を豊かにするものと位置づけてみよう。
すると家庭科とは、どんな暮らしが自分にとって快適で、快適にするための実際の方法を身につけるための教科でもある。しかし人はそれぞれなので、自分にとって快適でも他人には不快かもしれない。自分の暮らしを整え、他の人とともに生きる力を身につける。「副教科」はそんなふうに役立てたい。

❐家族とは
「家族」の定義を聞かれたら人それぞれの回答が出てくる。長年暮らしている同居人は?ペットは?観葉植物は?精神的、法律的色々な定義があるが結局の所家族とはその人が家族だと考える人なのだろう。
しかしそれは「家族なんだから」という押し付けではいけない。自分が一緒にいたくて自分が家族だと思う相手だからこそ、どうやったら気持ちよく一緒にいられるかを考えたい。

❐手伝いは自立の一歩
家族の一員として、普段親がやっている家事を任されることは自立への一歩。
料理であれば、メニューを決め、料金を考えて買い物をして、家族の喜ぶものを作る。
毎日自分以外の誰かが自分のために何かをしてくれていた家の中のことを知ることは、社会のルールとも繋がるので、それを意識することが「親に所属する子供」から自立することになる。

❐勉強とアルバイトの両立
学生がアルバイトをするときに、授業と両立できる生徒とできない生徒がいる。
おそらく前者はお金が目当て(いつの間にかお金がなくなっているタイプ)、後者はお金の使い道が目当て(自分が何にお金を使ったかわかっているタイプ)。

❐お互い様
昨今では、働くというのは自分のためという認識が強いが、以前は高校生でもクラス半分近くは「社会のために働く」という考えがあった。
働くことに誇りと喜びを持ち、働く人への感謝を忘れない気持ちがあれば、人を思いやるし、自分も人から思いやられる。それが社会に参加するということ。
まさに今後のグローバル社会では、自分だけ利益を上げれば良いという考えは古くなり、人は支え合って生きているということ、お互い様の精神で社会を生きていくことがこれからは必要になるのだろう。

❐自立
個々に勝手に生きるのではなく、できることは自分でやり、できないことは助け合うという姿勢で人と付き合う。これこそが自立。一人でもいられる、複数でもいられる。

0
2021年04月13日

Posted by ブクログ

高2の息子がいます。夜更かしし毎朝起きられず、朝は顔も洗わず歯磨きもせずギリギリに外出。
中の上だった成績もどんどん下がり最下位を取る科目も。遠足へ行けばお土産を買ってきてくれたかと思えば家族へではなく、自分のお菓子として全部食い尽くす。自分はしてもらうばかり、周りへの気遣いのない部分も多い。本人はもちろん気づいていない。
このままでは危険だと思い高校卒業後は一人暮らしをして欲しいと思ってはいますが、金銭的にどうか…悩み中。

改善してもらいたいため何度も言っても、やはり親の戯言としてウザく思っているのだろう、全く聞いてくれない守らない。

この本を読んで、やはり「1人でもなんとかなる力」が必要なんだと実感。
そして「誰かに何かをしてあげてほしい」と心から思った。
どちらも、常々思っているのです。

息子には本当にこの本を贈って、読んで欲しいですが、本好きな息子ですがおそらく読んではくれないでしょう…

なんらかの方法でここから得たものを息子に伝承したい!
と、いまはここで悩み中。

最後に。
こんなに家庭科路線で優れている、人の気持ちも考えられる(と想像する)筆者が離婚していると文中で明かされビックリしたのと、表紙のイラストTADAPAN見てたら、もしかして筆者の名前、忠晴さんとかかってるのかな??と思えてきた!

0
2020年11月14日

Posted by ブクログ

先に続編となる『シアワセなお金の使い方』を読んでこの「男性の家庭科教師、なかなかの人物だ」と思ったのがきっかけ。オリジナルのこちらも期待にたがわず素晴らしい内容だった。
全体の構成も、
第一章 私←「いま、生きているワタシ」
第二章 私と家族←「家族の中で生きる」
第三章 私と社会←「社会の中で生きている」

序章 「家庭科を学ぶ意味」
終章 「ゆたかに生きるためのスキル」
ではさむようになっていて、よく考えられているなぁという印象。

第二章で面白いのは、生徒と「家族ってなんだろう」と定義を考えるところ。
血が繋がっている→お父さんとお母さんは血が繋がっていないから家族ではない?
一緒に住んでいる→地元を離れて一人暮らししているお姉ちゃんは家族ではない?
お互いに家族意識→ペットの犬猫は家族ではない?
などなど。
一緒に住んでいるけど結婚していない事実婚カップルは?
これを読んで、自分は大学の学生寮を思い出す。「まるで家族のように」思っている間柄だし、とてつもなく濃い関係だったけど、比喩を超えて家族かと言われるとちょっと違う。
大学の寮に続いてシェアハウスに暮らした時のことも思い出す。自分はフルメンバーではなく下宿人みたいなポジションだったからみんなと家族ではなかったけど、フルメンバーの人たちは「ほぼ」家族だった。でもやはり全員がフル・フラットではなくやはり夫婦とその子供という枠はコアにあった。

第三章で面白かったのは、働くということの意味・位置付け。今では働くことが個人の選択でありその成果も個人のものであり働けなくても個人の責任のようになっているけど、そうではなく、誰もが誰かの労働から恩恵を受けていて「お互いさま」なのだ、という指摘。
金銭的な報酬を得ているか(賃金労働か無賃労働か)は労働の本質ではなく、労働の分類方法の一つでしかない。人は社会を作り分業することで一人一人が自給自足をするより豊かな生活を営んできた。つまり、自分のために働くだけでなく社会のために働くことが人間の義務であり、またその裏返しとして、社会の構成員全員それぞれに働く場を提供するのは社会の責任だ、という。

よく言われる「学校で教えてくれない社会に出た時に本当に役に立つ知識」って、「家庭科」だなぁ。
自分の子供にぜひ読ませたい。

0
2019年10月19日

Posted by ブクログ

高校生の家庭科の授業に沿って、人にとって大切な自立の話をしてくれている。今からでも実践したい。グサッときたのはお金の使い方と家族のあり方のところ。文章は標準語だけど、実際の授業は大阪弁でおもろい感じでやってるんやろなぁ

0
2017年05月12日

Posted by ブクログ

家庭科というマイナーな授業に、しっかり向き合っています。読むと「確かに!家庭科大事だね」と思えます。生きること、自立すること、その基本に家庭科がある。日常をきちんとしていけば、幸せに近いと言うことをとってもわかりやすく書いてくれています。

0
2014年11月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この本は高校生向けに家庭科の教師によって書かれた、家庭科と自立した生活について書かれた本です。このキャッチーなタイトルはややうまく出来すぎかと思いましたが、正しいパンツの畳み方は?というある人の質問をきっかけとして、家族の関係を考えてみようとか、いろいろなパンツの畳み方もいろいろな家族関係もあってよいのだ、という章から名付けられたものです。我が家では小学生に読んでみたのですが、仕事はなんのため、パートナーの選び方、家族ってなになど、そのような真面目な話題について会話して考えてもらう題材とすることができました。(さすがに性の話題は飛ばしましたが)。結婚相手をどんな基準で選ぶ?という話題で小5娘は「自分を理解してくれる人」を選びました。理由を聞くと「私はパワフルだから、そんな私を認めてほしい」とのことでした。そのような自覚は良いことかもしれません。また、高校生や大人の考えることがわかって良かったとの感想も言っていました。最後の、一人を楽しめる自立した人間ならば、依存や支配でない良い関係を周囲の人と築くことができ、孤立することもないのだ、というメッセージは素晴らしいと思います。今回だけでなく時にふれて子供に言い聞かせたいと思いました。若干テンポが悪いと言えなくもないのですが、テーマがいいので若い人でも楽しめる人が多いと思います。

0
2014年06月15日

Posted by ブクログ

岩波ジュニア新書のベスト10に入ってただけあって、なかなかに面白い内容だった。パンツのたたみ方から個々人の価値観の違いに論が進められて、移行もお金の話とかも織り交ぜながら、家庭生活(ひいては社会生活)を送るのに必要な考え方が網羅されていく。中高生時代、殆ど家庭科が授業として成立してなかったから、こういう講義が聞けていたら素敵だったな、っていう思いが強かったす。

0
2014年02月03日

Posted by ブクログ

家庭科の本
生活することを学ぶことは必要である
学校で教えるのか 家庭で教えるのか
家庭でのやり方はいろいろあるが 正しい 間違っているという判断も必要だが
どこが違い どうするべきかを考えることは ディスカッション することは大切な 学習だろう

0
2024年03月15日

Posted by ブクログ

相手のやり方を尊重する、強要せずに役割分担や適材適所を考える。
当たり前と思っている日頃の生活が、普段は見えない人の働きによって支えられていることに気づいてほしい、そして自分で実践しその人の立場に立って考えることで、自立した未来を見据えてほしいということを伝えたいための本。
心ある大人になるために自分の子どもがどう社会と向き合って欲しいかを考えさせられたとともに、自分が自立できているのかを再考するとてもいい機会になった。

0
2021年03月04日

Posted by ブクログ

自立するとは、働くとは、どういうことか。
「働く=社会のため」は本当にそう。大切なことを見失っていたかもしれない。
ちゃんと自立しようと思いました。

0
2020年07月02日

Posted by ブクログ

なんて素敵な家庭科!生活にすぐ役立つし、思った以上に家族のことをわかっていないという事に気がついた!高校生だけではなく、大人にも読んで欲しい。特に結婚したばかりの人や子育て中の人にもおすすめ。

0
2019年03月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こんなに家庭科が奥深いとはと驚きました。
自分の人生においてこんなに大切な教科だったんだって読みながらしみじみ思いました。

0
2017年11月13日

Posted by ブクログ

進められて読んだら、すごく良い本で、確かに今の日本に足りないのは「家庭科」だな、と思う。
特に、暮らし方・家族のあり方・家事のやり方に「正解はない」し、それぞれのを摺り合わせて、というのがすごく大事なんだろうと思う。
全く別の本にも同じことが書いてあり、それぞれの立場になることの大切さを感じたが、もっと若いうちに学びたかったとも思った。
あと、この本の対象は誰なんだろう? と。こどもでは長いし、難しいし、ぴんとこないし、親世代かな〜。

0
2017年10月06日

Posted by ブクログ

一見軽視しがちな家庭科という教科から、生き方の基本を述べている本。
当たり前のことをとても分かりやすく書いてあるのだけど、その当たり前が難しいのかもしれない。

自立の大切さ。
自立できていない社会人がいかに多いことか。
自分の中の甘さにも気付かせてくれる。

0
2017年08月21日

Posted by ブクログ

じっくりと読み進めていますが、とりあえずすべての中学・高校教師と志望者に読んでもらいたい。親となった人にもかなー。

0
2017年03月23日

Posted by ブクログ

ジュニア文庫ですが、大人が読んでも十分に為になりますし、むしろ大人が読む本かもしれません。
社会の中で生きていく、家族の中で生きていく、自立するとは?という事は普段なかなか考えませんが、改めて考えさせられました。
自分も含めて、最近は大人になり切れていない人間が多いな、という感想を持ちますね・・・

0
2017年01月24日

Posted by ブクログ

タイトルや絵から、「家庭科」を今の世の中にあった形で解説する、面白おかしい本かと思ったら、全く違った。
この本を読んで、改めて「家庭」を運営するってことは、人間の根幹にかかわる重大なことだと思った。
実際に授業で行われている縫物や料理は、家庭運営の重要な要素ではあるけれど、柱ではない。(いや、今どきは、ボタンつけと、すそまつりさえできれば他の裁縫技術は必要でない気がする。)
この本は柱の部分、「そもそも家族とは何か」「パートナーといい関係を築くには」「経営(お金をどう扱うか)」といったことに重点を置いて語っている。
だから、中学生にはちょっと早いかな。
高校生なら、早い子は就職や結婚を考えたりすることもあるし、アルバイトもできるわけだし。
「家庭科」というとどうしても調理と裁縫ってイメージだけど、ここに書かれていることは、数学や国語を学ぶより重要かもしれない。勉強ができても、こういうことを全く知らず大人になってしまっては、家庭を破綻させることになりかねない。
高校生の必読書としたい。

0
2014年11月03日

Posted by ブクログ

とてもおもしろかった。よい意味で期待を裏切られた。家庭科の本というか、自立するとはどういうことか、どう生きるか、という本だ。これは高校生にぜひとも読んで欲しいなぁ。とても勉強になった。
家族とはどういうことか、働くとはどういうことか、一緒に暮らすとはどういうことか、なぜ騙されるのか、「依存」でも「支配」でもない人間関係はどうすれば作れるか、といったことを考えさせる。家庭科、深いなぁと思わせられる。

0
2014年07月21日

Posted by ブクログ

生活力の備わった大人になるために。家事と信頼関係の不可分を象徴するタイトル(略してただパン)が秀逸。
弁当作り,家族のこと,お金のこと,男女のこと。子供がだんだんと自立していくために,有益なヒントが詰まった良本。

0
2014年05月07日

Posted by ブクログ

なるほど。たしかに生活は大事だし、家庭科教育みたいなのも重要だねえ。ちょっとお説教臭いけまあOK。みんなに読ませたい。

0
2021年01月05日

Posted by ブクログ

すべての基本は、一人ひとりが、まずはしっかり自立すること。
自分の足でしっかり立ち、毎日の生活の中で「いいこと」をみつけ「自信」を積み上げていく。
自分が日々成長していると感じることができれば、自分を好きになり今という瞬間が楽しくなる。少々のことがあっても、もう少し頑張ろうと踏ん張ることができるようになる。

0
2013年11月26日

Posted by ブクログ

師匠のおすすめ本の一つ、ということで読んでみた本。
筆者は、大阪府立高校英語科教員として13年間勤めながら、家庭科で教員採用試験再受験。大阪府立高校での初の男性家庭科教員の一人となる。

タイトル通り「正しいパンツのたたみ方」は14~15ページにイラスト付きで紹介されている。
筆者のいう「生活力」が赤坂先生の「自立」と似ている。

さて、面白かったのは第2章。「家族とは何か」を考えさせられた。
家族とはなんだろうか。
広辞苑では「血縁関係があること」、小学生用の辞典では「同じ家に住んでいること」、社会学の辞典では「基礎的社会集団」であるそうだ。

小学生用の辞典を作った小○館には文句を言っておこう。

よくテレビでも「同じ血をわけた兄弟」とか「血の繋がった○○」と言っている。
血とはDNAのことを言っているのだろう。
DNAについてはよくわからないが、もし親とDNAが違って(つながっていない)いたら、「家族」だと思わないのか? 血でしか証明できないのが家族なのか。

きっと何かの紙を出すときには「家族ではない」と言われるかもしれない。
しかし、紙でしか証明できないのが家族なのか。
家族の条件ってなんだろうか。

著者は、「誰かとともに暮らそうという気持ちが形になったものが『家族』である(p.93)。」としている。

印象に残ったのは次の2つ。
「それ(家族)は常に変化する可能性をはらんでいる。」
→どういうことかというと、著者は高校生の時に「家族は?」と聴かれたら「両親と祖母と兄と僕の5人家族です」と答とえる。10年前に聴かれたら「妻と二人の子どもと僕の4人家族です」と答える。今聞かれたら、離婚したので10年前の家族は家族だと思わないそうだ。
このように、「『家族というのは変化する』と考えれば今の家族と過ごす時間は非常に貴重な時間だと思うだろう(p.95)。」

「昨今は一人でいると『さびしい人』と見られがちですが、本当にそうでしょうか。一人でいることを楽しめる人は、誰かに頼らなくてもいつでも幸せになることができます。自分一人で自分の幸せが演出できる『自立』した人だからです。(中略)『一人を楽しめる人』は『他人といるのが苦痛な人』のことではありません。むしろ、反対だと僕は考えています。つまり、『一人でいるのも楽しいし』、『二人でいるのも楽しい』、そんな状況を作れる人と言ってもいいかもしれません。」(pp.201-202)

(まっちー)

(まっちー)

0
2013年05月22日

Posted by ブクログ

英語から家庭科に転向した高校教諭が書いた家庭科についての本。
家庭科という切り口で自立を伝える。
自分や他人をケアするスキルは生きていく自信になる。

「高校生のときにこんな授業を受けていたらその後の生きやすさがずいぶん違っただろうな」と「実際あの頃にこの授業があったら夏休みの宿題を提出しない理由を説明せずフェードアウトするために不登校に逆戻りして高校は義務じゃないからそのまま辞めて今より人生が悪化しただろうな」の両方を同時に感じてる。

11年前の本。
配慮はある。「普通のご家庭」の「普通のお子さん」以外も生きていけるようにという視点もある。
いろんなケースがあることを知って視野を広げる狙いもある。
でも、「ノーマルな家庭」をベースに「特段の配慮が必要な子」についても考えるという配慮に感じる。
あらかじめ備えてはいるけれど包摂はされてない。

だから現状に触れる家族観や異性愛前提の理想の結婚相手や健康前提の自立をディスカッションする授業風景を読みながら心臓がぎゅーっとなってる。
安全が担保されてる教室でなら有意義なものではあるけれど。

仕事のところで安易に「生物学的に」を使っているのもいただけない。
「人間は群れる生き物」は事実。「群れの中に、一匹でも群れ全体の利益を無視し、自分だけの利益を追求するようなのがいたらどうでしょうか?もはや群れは成り立ちません」(p118)は事実にもとづかないイデオロギー。
群れる生物にはパターン通りに動けない個体やフリーライドする個体が一定数まじるものだ。自然は常に例外を折り込んで成り立つ。
本筋ではないけれど生物学を自論の補強のために歪めることは教育者の姿勢として正しくないし論として危うい。

読みやすいし伝えたいことも本当に大事で必要なことだと思うけどちょいちょい気になるな。

0
2024年12月06日

Posted by ブクログ

書いてあること全部息子たちに伝授したい。自分の生活を自分で作っていける人になってほしい。
「ご主人」「奥様」という単語を一度も使わずどちらも「お連れ合い」と言い換えていて、著者のそのへんの感覚にも好感を持った。

---------------------------------------------

“いま、自分でもできることなのに、家族の誰かにやってもらっていることはありませんか。”

0
2021年05月21日

Posted by ブクログ

とにかく題名に惹かれて読んだ一冊。

高校の英語の先生から家庭科の先生へとジョブチェンジした著者が、高校生達に送る「家庭科を通して考える自立」のお話。

家族、労働等の視点から、生徒との実際にあったであろうやりとりを通して、どのように人として生き、社会と関わり合いながら生きるためにどんな考え方や視点が必要なのかを考えさせていきます。

今、すごく必要な教科は「家庭科だろう」と思ってしまうような一冊。大人もこれを読んで、もう一度家庭科を履修しなおしてみましょう。

0
2020年04月01日

Posted by ブクログ

家庭科教師による生活の捉え方。ライフハックとまでいかないけど大事なことがいろいろ生きていくうえではあるものだ。

0
2020年01月06日

Posted by ブクログ

17冊目。
読んでよかったです。
当たり前のことを当たり前として考え、行動できるようにしなければならないと再認識しました。
今後使いたい言葉も発見しました。余禄。

0
2014年06月02日

「学術・語学」ランキング